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Cinema 月明かりの映画館

5ファースト・デート

Dating Around

2019–2020リアリティアメリカ

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

一人が5回のブラインドデートをして、一人だけを選ぶ。司会なし。史上最も簡潔な恋愛フォーマット。

『5ファースト・デート』は、クリス・カルヴナーが企画し、ユーレカ・プロダクションズが制作した、ネットフリックス初のオリジナル恋愛番組だ。30分弱の各回で、ひとりの独身者が5人と初デートをする。デートは同じバーやレストランで撮影され、5つの夜がひとつに編み合わされて並行して進む。司会はおらず、出演者が画面に向かって語る場面もない。最後に主人公は、5人のうち一人だけを2度目のデートに誘う。2019年のバレンタインデーに配信されたシーズン1の舞台はニューヨーク、2020年6月のシーズン2はニューオーリンズに移った。

シーズン1の6人の主人公とそのデート相手は、年齢も人種も性的指向もさまざまだ。一見遊び人風だが今は本気の相手を探しているというルークは、何人かの相手とキスを交わし、ヴィクトリアを選ぶ。自立心が強く、離婚経験も隠さないグルキは、ジャスティンとのデートで、離婚したことがある女性は信用できないと言われ、デートのあと涙を流す。このシーズンで誰も選ばなかったのは彼女だけだ。回の終わり、ひとり通りを歩く彼女は、すれ違ったハンサムな男性にほほえむ。その男性は彼女の回を監督したジェームズ・アドルファスで、ふたりはのちに恋人同士になった。

舞台の美術監督で、番組初のゲイの主人公となったレックスは、気のない相手から2度目のデートに誘われ、コリーを選ぶ。妻を亡くしたレナードは、初めてのブラインド・デートでいきなりダンスレッスンを受けることになる。相手は全員50代以上で、彼はダイアナを選ぶ。技術者の採用の仕事をするサラは、居心地の悪くなったデートを途中で切り上げ、ビール缶ひとつで心をつかんだマットを選ぶ。ニューヨークのファッションは知り尽くしているのにデートには疎いミラは、雨の中でキスを交わしたシャーロットを選ぶ。

シーズン2では、ジャスティンが、夜を早々に切り上げたアンを選び、ベンはアレックスを、デヴァはマリアを選んだ。ブランドンが選んだのは、テキサスへの引っ越しを控えた相手。デミはアランではなくザックを選んだ。メイクアップ・アーティストのヘザーはエルネストを選んだ。彼は2度目のデートに、ブラスバンドを引き連れてバーボン・ストリートに現れた。ふたりはそのまま恋人になった。

主な出演

  • ルーク参加者

    シーズン1の最初の主人公。遊び人風だが本気の相手を探していると言い、ヴィクトリアを選ぶ。

  • グルキ・バスラ参加者

    離婚経験を隠さない自立した女性。ジャスティンとのデートで傷つき、誰も2度目のデートに選ばない。

  • レックス参加者

    舞台の美術監督で、番組初のゲイの主人公。コリーを選ぶ。

  • レナード参加者

    妻を亡くし、再び恋を探す穏やかで物知りな男性。50代以上の相手の中からダイアナを選ぶ。

  • サラ参加者

    頭の回転が速くおしゃべりな、技術者の採用担当者。デートの一つを途中で切り上げ、マットを選ぶ。

  • ミラ参加者

    ファッションには詳しいがデートには不慣れなニューヨーカー。雨の中でキスをしたシャーロットを選ぶ。

この作品が問いかけるもの

『5ファースト・デート』は、恋愛番組を、ほとんど誰もが知っている場面にまで削ぎ落とす。最初の一杯、とりとめのない会話、相手について心を決める瞬間。司会も賞品も告白インタビューもなく、気まずさはそのまま残される。ゲイの男性のデートにも、妻を亡くした男性のデートにも、誰とも同じ静かな時間が与えられる。いちばん鋭いのは、人が人を裁く回だ。グルキとジャスティンのデートは、見知らぬ男が、離婚歴から一人の女性を決めつけるまでの速さを見せる。誰も選ばないという彼女の決断は、拒絶を自尊心に変える。5つの夜を編み合わせる手法は、選ぶこと自体も照らす。同じ話が相手によってまるで違って響き、相性は運命より巡り合わせに見えてくる。監督がのちにグルキの恋人になったという後日談は、恋愛番組の多くがカメラの外で起きていると教えてくれる。