アイズ ワイド シャット
Eyes Wide Shut
ストーリー
結末まで書いています。
妻がひとつの空想を告白し、夫は自分の空想を探してニューヨークを一晩中歩く。
ニューヨークの医師ビル・ハーフォードは、妻アリス、幼い娘ヘレナと暮らしている。ビルの患者で大富豪のジーグラーが開いたクリスマス・パーティーで、ビルは医大の同級生で、いまはピアニストのニックと再会する。アリスには年配のハンガリー人が言い寄り、ビルにはふたりのモデルが近づくが、ビルは二階へ呼ばれる。ジーグラーと一緒にいた若い女性マンディが、薬物の過剰摂取で意識を失っていたのだ。ビルは彼女を救い、この件は口止めされる。
翌晩、マリファナを吸いながら、女は本来貞淑なものだから妻を疑ったことはないと言うビルに、アリスは打ち明ける。旅行先で見かけただけの海軍士官に心を奪われ、彼のためならビルもヘレナも捨てていいと思った、と。動揺したまま、ビルは亡くなったばかりの患者の家に呼ばれ、その娘マリオンにキスされ、愛していると告げられる。街をさまよい、娼婦ドミノの部屋に上がるが、アリスからの電話で中断し、金だけ払って去る。
ジャズクラブで、ニックは目隠しでピアノを弾く秘密の集まりのことを話し、合言葉を教える。ビルは貸衣装屋のミリチから衣装と仮面を借りる。ミリチはその夜、十代の娘がふたりの男といるところを見つける。邸宅でビルが目にするのは、仮面の客たちの儀式と乱交だ。仮面の女が、あなたは危ないと警告する。侵入者だと見破られ、服を脱げと命じられたとき、その女が身代わりを申し出て、ビルは警告とともに帰される。
家では、アリスが泣きながら夢の話をする。海軍士官や大勢の男たちと交わりながら、ビルをあざ笑っていた夢だ。翌日ビルは、ニックがふたりの男に連れ去られたこと、ミリチが娘に客をとらせていること、ドミノがエイズウイルスに感染していたこと、マンディが過剰摂取で死んだことを知る。遺体安置所で見た彼女は、あの仮面の女だったのかもしれない。ジーグラーは、自分もあの場にいたと認め、ビルが見破られたのは脅すための芝居で、マンディの死は事故だったと語る。帰宅したビルは、なくした仮面が枕の上に置かれているのを見つけ、泣き崩れてアリスにすべてを打ち明ける。翌日、ヘレナを連れたクリスマスの買い物の途中、アリスは、すぐにしなければならないことがあると言う。何かと問う夫に、彼女はひとこと答える。「ファック」。
主な出演
トム・クルーズビル役
マンハッタンの成功した医師。妻の告白で結婚への確信が崩れ、夜の街へさまよい出る。
ビルの物語
ある夜、女は本来貞淑なものだから妻を疑ったことはないと言うビルに、アリスは、旅先で見かけただけの海軍士官のためなら夫も娘も捨てていいと思ったと打ち明ける。夜の街をさまよう彼は、亡くなった患者の娘に愛を告白され、娼婦ドミノの部屋ではアリスの電話で引き返し、旧友ニックから秘密の集まりの合言葉を聞き出す。仮面の乱交の館で侵入者だと見破られ、仮面の女が身代わりを申し出る。翌日、ニックが連れ去られたこと、ドミノの感染、パーティーで救ったマンディの死を知り、ジーグラーには、見破られたのは脅すための芝居だと聞かされる。枕の上になくした仮面を見つけた彼は、泣き崩れてアリスにすべてを打ち明ける。翌日、妻はすぐにしなければならないことがあると告げる。
ニコール・キッドマンアリス役
ビルの妻。一度見かけただけの男への空想を打ち明け、夫の思い込みを打ち砕く。
アリスの物語
アリスは幼い娘ヘレナを育てている。ジーグラーのパーティーでは、言い寄ってくる年配のハンガリー人と踊る。翌晩、マリファナを吸いながら、女は本来貞淑なものだと言う夫に、旅先で見かけただけの海軍士官のためなら夫も娘も捨てていいと思った、と打ち明ける。夫がひと晩じゅう外にいるあいだ、眠りながら笑っていた彼女は、目を覚まして泣きながら夢の話をする。海軍士官や大勢の男たちと交わりながら、夫をあざ笑う夢だ。翌日の夜、枕の上の仮面を見つけた夫は泣き崩れ、すべてを打ち明ける。次の日、クリスマスの買い物の途中、冒険を生き延びたことに感謝すべきだ、いまは目が覚めている、と彼女は言い、すぐにしなければならないことを、ひとことで告げる。「ファック」。
シドニー・ポラックヴィクター・ジーグラー役
ビルの患者で大富豪。秘密の集まりについて、最初に認める以上のことを知っている。
トッド・フィールドニック役
医大時代のビルの同級生で、いまはピアニスト。秘密の集まりの合言葉を教える。
マリー・リチャードソンマリオン役
亡くなったばかりの患者の娘。父の亡骸のそばで、ビルに愛を告白する。
ヴィネッサ・ショウドミノ役
ビルを部屋に招く若い娼婦。翌日、彼は彼女についてつらい知らせを聞く。
この作品が問いかけるもの
『アイズ ワイド シャット』は、夫婦が互いに隠している空想と、それが口に出されたときに起こることを描く。アリスの告白は考えただけのことで、何もしていない。それでもビルはひと晩じゅう、最後まで踏み込めない浮気の手前をさまよい、性が富と権力の儀式となり、女性の体が買われ、使われ、捨てられていく世界に足を踏み入れる。スタンリー・キューブリックはシュニッツラーの1926年の中編『夢小説』をもとに、当時夫婦だったトム・クルーズとニコール・キッドマンを起用し、およそ400日に及ぶ撮影はギネス記録となった。最終版を渡した6日後、彼は世を去った。アメリカ公開版では、成人指定を避けるため乱交の場面にデジタル処理が施された。結末は驚くほど率直だ。すべてのあとで夫婦に残された正直な一歩は、家に帰って抱き合うことなのだ。