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Cinema 月明かりの映画館

赤い航路

Bitter Moon

1992映画フランス、イギリス

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

クルーズ船上で、麻痺した作家が堅物の英国人にサドマゾ的な結婚生活を語り聞かせる。

結婚7年目のイギリス人夫婦ナイジェルとフィオナは、インドへ向かう途中、イスタンブール行きの豪華客船で地中海を旅している。船上でナイジェルは、ひとりで踊る若いフランス人女性ミミに惹かれ、やがて年の離れた夫、車椅子のアメリカ人作家オスカーと知り合う。書き手としては挫折した男だ。オスカーはナイジェルを船室に招き、何度にもわたって夫婦の物語を語り聞かせる。聞きたくない話なのに、ナイジェルは通うのをやめられない。同じ船には、幼い娘アムリタを連れた礼儀正しいインド人の紳士シン氏もいて、夫婦にとってはインド旅行より子どものほうがよほどいい治療になると語る。

オスカーとミミはパリのバスで出会い、激しい恋に落ちた。情熱が冷めると、ふたりは緊縛やのぞきの遊びに手を伸ばした。飽きたオスカーが別れようとすると、ミミはどんな条件でもいいからそばに置いてと懇願し、オスカーは人前でも陰でも彼女を辱めるようになる。妊娠したミミに中絶をさせ、カリブ海への旅行を約束しておきながら、離陸直前にひとり飛行機を降りた。それから2年、遊び歩いた末に、酔って車の前に出たオスカーは脚を折って入院する。見舞いに来たミミは彼をベッドから引きずり落とし、下半身不随にした。そして彼の世話をするために一緒に暮らし始め、復讐を始める。彼を支配し、彼の目の前でほかの男たちを誘惑した。それでも互いを必要としたふたりは、ついに結婚した。

オスカーにけしかけられたナイジェルはぎこちなくミミに言い寄り、フィオナは、あなたにできることなら私のほうが上手にできると釘を刺す。大晦日のパーティーで、ミミと踊るナイジェルを見つけたフィオナは、自らミミと踊り、喝采のなかでふたりは口づけを交わし、嵐が船を襲うなか連れ立って姿を消す。ナイジェルが見つけたのは、オスカーの船室で並んで眠るふたりだった。ふたりは愛し合ったとオスカーは言う。つかみかかるナイジェルを押し戻したオスカーは、眠っているミミを殺し、自らも命を絶つ。ふたつの遺体が船から運び出されるなか、ナイジェルとフィオナは抱き合う。そこへアムリタがやってきて、父からの新年のあいさつを伝える。

主な出演

  • ピーター・コヨーテオスカー役

    挫折したアメリカ人作家で、車椅子に乗る男。自らの破滅的な結婚の物語をナイジェルに聞かせ続ける。

    オスカーの物語

    パリでオスカーは、バスで出会った若い踊り子ミミに恋をし、ふたりはしばらく激しく愛し合う。情熱が冷めると緊縛やのぞきの遊びに手を伸ばす。飽きた彼が別れようとすると、ミミはどんな条件でもいいからそばに置いてと懇願し、彼は人前でも陰でも彼女を辱め、中絶をさせ、旅行に向かう飛行機からひとり降りてしまう。2年後、酔って事故にあった彼の病室にミミが現れ、彼をベッドから引きずり落として下半身不随にする。彼女は一緒に暮らし始めて彼を支配し、やがてふたりは結婚する。船の上で、彼はナイジェルに話を聞かせ、ミミに言い寄るようけしかける。大晦日の夜、ミミとフィオナが愛し合ったとナイジェルに告げると、眠っているミミを殺し、自らも命を絶つ。

  • エマニュエル・セニエミミ役

    オスカーの若いフランス人の妻。かつては彼に辱められる側だったが、いまは彼を支配している。

    ミミの物語

    ミミは若い踊り子だったころ、パリのバスでオスカーと出会い、激しく愛し合う。彼が飽きると、どんな条件でもいいからそばに置いてと懇願し、その代償を払わされる。人前でも陰でも辱められ、中絶を強いられ、カリブ海へ向かう飛行機にひとり置き去りにされる。2年後、事故で入院した彼を見舞い、彼をベッドから引きずり落として下半身不随にする。そして一緒に暮らし始めて復讐する。彼を支配し、目の前でほかの男たちを誘惑し、やがて結婚する。船の上ではひとりで踊り、ナイジェルを挑発する。大晦日のパーティーではフィオナと踊り、喝采のなかで口づけを交わし、彼女と連れ立って姿を消す。眠っているところを、オスカーに殺される。

  • ヒュー・グラントナイジェル役

    妻と船旅に出た堅物のイギリス人。ミミへの欲望から、夫婦のゲームに引き込まれていく。

    ナイジェルの物語

    ナイジェルはフィオナと結婚して7年、インドへ向かう船旅の途中にある。ひとりで踊るミミに惹かれ、その夫オスカーに船室へ招かれて、聞きたくもないほど詳しく夫婦の物語を聞かされる。おぞましいと思いながら、通うのをやめられない。ミミにからかわれたあとで口づけされ、フィオナからは、あなたにできることなら私のほうが上手にできると釘を刺される。オスカーにけしかけられてミミに言い寄るが、大晦日のパーティーでフィオナがミミと踊り、口づけを交わし、ふたりで姿を消す。嵐に向かって叫んだあと、オスカーの船室で並んで眠るふたりを見つける。つかみかかるが押し戻され、オスカーはミミを殺して自らも命を絶つ。遺体が運び出されるなか、ナイジェルとフィオナは抱き合う。

  • クリスティン・スコット・トーマスフィオナ役

    ナイジェルの妻。夫が思う以上に冷静で鋭く、大晦日のパーティーをミミとともに抜け出す。

    フィオナの物語

    フィオナはナイジェルと結婚して7年になる。夫がオスカーの船室から持ち帰る話にはふたりとも眉をひそめるが、夫がミミに傾いていくのを彼女は見逃さない。バーで若い男と戯れ、あなたにできることなら私のほうが上手にできると釘を刺す。大晦日のパーティーに来るよう彼女を説き伏せたのはオスカーだった。そこでミミと踊る夫を見つけると、自らミミと踊り、喝采のなかで口づけを交わし、嵐が船を襲うなか、ふたりで姿を消す。ナイジェルはオスカーの船室で眠るふたりを見つけ、オスカーはふたりが愛し合ったと告げる。オスカーがミミを殺して命を絶ったあと、遺体が運び出されるなかでフィオナとナイジェルは抱き合い、アムリタが新年のあいさつにやってくる。

  • ヴィクター・バナルジーシン氏役

    幼い娘を連れて旅をする礼儀正しいインド人の紳士。船上の誰よりも穏やかな結婚観を持っている。

この作品が問いかけるもの

『赤い航路』は、情熱をたえず過激にしなければならないものと考えたとき、何が起こるのかを描く。オスカーとミミの愛は、まず彼の、やがて彼女の残酷さの競い合いに変わる。ふたりの支配の遊びは合意に基づくものではなく、傷つけ合う手段であり、それを愛と呼ぶのはオスカーの語りだけだ。映画のもうひとつの主題は、聞き手だ。ナイジェルはおぞましいと思いながら通い続け、彼の礼儀正しい結婚もまた、隣で静かに試されていく。ロマン・ポランスキーのこの作品は評価が割れ、業界紙は監督がどん底に近づいたと書き、ニューヨーク・タイムズ紙のジャネット・マスリンは、それ自体の生命を持った、開き直った駄作と評した。残るのは居心地の悪い現実だ。欲望はどれほど軽蔑に近づきうるのか。そして人は他人の親密さの話に、どれほど身を乗り出して聞き入ってしまうのか。