思慮なき眼差し
Lady Voyeur
ストーリー
結末まで書いています。
ハッカーの女が高級娼婦の隣人を覗き、やがて自らその予約の中へ書き込んでいく。
腕利きのハッカー、ミランダは、他人をのぞき見ながら28歳の誕生日を迎える。乗っ取った防犯カメラで追っているのは、向かいに越してきた高級娼婦クレオが客を迎える姿だ。ミランダの祖母はハンチントン病を患っており、ミランダにも二分の一の確率で遺伝している。それでも彼女は検査を受けようとしない。物語は大みそかの夜、ミランダがバルコニーで何者かに襲われる場面から始まり、三か月前にさかのぼる。
客と週末を過ごすクレオに犬の世話を頼まれ、ミランダは彼女の暮らしに足を踏み入れる。クレオの部屋で、彼女は常連客のフェルナンドと関係を持つ。別の客に襲われかけ、抵抗するうちに男はテーブルにぶつかって死んでしまう。戻ってきたフェルナンドは隠蔽を手伝い、自分とクレオは、妹ダイアナの夫である富豪エイトルが人身売買に関わっている証拠を集めていたのだと明かす。ミランダはエイトルのシステムに侵入するため彼のもとで働きはじめ、ふたりの男の両方に惹かれていく。
クレオは戻らない。彼女の残した動画に導かれて代わりに乱交パーティーへ行ったミランダは、薬を盛られ、気がつくとエイトルの屋敷にいて、プールにはダイアナの遺体があった。エイトルは逮捕されるが、やがてミランダに妻の正体を調べてほしいと頼む。秘密は積み重なっていく。ダイアナは、エイトルに親友ベルナルドを死なせたと思い込ませて結婚を迫ったが、実はベルナルドを殺したのは彼女自身だった。娘ルイザはエイトルの子ではなかった。フェルナンドの元妻ゾーイが殺され、ミランダの祖母も亡くなる。刑事イネスはミランダを疑いはじめ、ミランダは父親の分からない子を身ごもっている。一月の場面では、彼女は監禁され、生き埋めにされ、そこから逃れる。
最終話、ミランダの親友リタが新年のパーティーで殺される。クレオはミランダを姉妹の育った家へ連れていき、自分は、ミランダが幼いころに生き別れた姉ガブリエラなのだと明かす。少女だったころ、母を殺した男に虐待され強姦されたのに、見ていながら救ってくれなかった妹を恨み、祖母を殺したことを認め、ミランダがのぞくと知って向かいに越してきたのだと語る。共犯者はエイトルを破滅させたかったフェルナンドで、ダイアナとゾーイを殺したのも彼だった。警察が間に合い、もみ合いの中でガブリエラは命を落とす。フェルナンドはエイトルとの争いで命を落とし、人身売買の組織を率いていたビトリアは国外で追われている。疑いの晴れたエイトルとミランダは、ともに暮らしはじめる。検査の結果は陽性だった。それでもミランダは今を生きると決め、生まれてくる娘をリタと名づけるつもりでいる。
主な出演
デボラ・ナシメントミランダ役
夜ごと隣人をのぞき見るハッカー。遺伝しているかもしれない病を恐れている。
ミランダの物語
ミランダは画面と祖母の病のあいだに閉じこもり、向かいで客を迎えるクレオをのぞくのが楽しみだ。犬の世話を頼まれてクレオの暮らしに足を踏み入れ、その部屋でフェルナンドと関係を持ち、襲ってきた客ともみ合ううちに死なせ、遺体の始末を彼に任せる。エイトルのシステムに侵入するため彼の会社で働き、ふたりの男に惹かれる。クレオの代わりに出た乱交パーティーで薬を盛られ、ダイアナの遺体のそばで目覚める。父親のわからない子を身ごもったまま監禁され、生き埋めにされ、逃れる。クレオの正体は生き別れた姉ガブリエラで、警察は間に合う。彼女はエイトルと暮らしはじめ、検査の陽性を受けとめて今を生きると決め、生まれてくる娘には殺された親友リタの名をつけるつもりだ。
エマヌエリ・アラウージョクレオ役
向かいに住む高級娼婦。ある週末を境に姿を消し、やがてミランダの生き別れた姉ガブリエラだとわかる。
クレオの物語
クレオは、ミランダにのぞかれると知っていて向かいの部屋に越してくる。週末だけ犬の世話をしてほしいと頼み、そのまま姿を消す。それからは伝言や動画でミランダに連絡し、自分の代わりに乱交パーティーへ行かせる。本当の彼女は、ミランダが幼いころに生き別れた姉ガブリエラ。すべては、フェルナンドと組んだ復讐だった。姉妹が少女だったころ、母の恋人が彼女を虐待し、強姦し、やがて母を殺した。それを見ていながら救ってくれなかった妹を、彼女は恨み続けてきた。祖母を殺したのも彼女だった。姉妹の育った家にミランダを連れていき、すべてを語って復讐を遂げようとするが、警察が間に合い、もみ合いの中でガブリエラは命を落とす。
アンジェロ・ロドリゲスエイトル役
女性の人身売買と妻殺しを疑われる、心を閉ざした富豪。ミランダはやがて彼を愛するようになる。
エイトルの物語
エイトルとダイアナの結婚は冷えきり、彼は娘ルイザが自分の子ではないと知ったばかりだ。十三年前から、親友ベルナルドを死なせたのは自分だと思い込んでいる。フェルナンドとクレオは、彼を人身売買の黒幕と疑う。ミランダを会社のシステムを守る仕事に迎え、フェルナンドと親しい彼女を警戒しつつ、妻の動きを探らせる。自宅のプールでダイアナが遺体で見つかると逮捕され、やがて妻の正体を探ってほしいとミランダに頼み、ベルナルドを殺したのは妻自身で、その罪を自分に背負わせていたのだと知る。祖母を亡くしたミランダを慰め、一夜をともにする。最後は、ダイアナを殺したフェルナンドがエイトルとの争いの中で命を落とし、疑いの晴れた彼はミランダと暮らしはじめる。
ニコラス・アントゥーニスフェルナンド役
クレオの客で、ダイアナの兄。事故で男を死なせたミランダの隠蔽を手伝い、エイトルを追いつめる計画に彼女を引き込む。
デボラ・ドゥアルチエステル役
ハンチントン病と認知症を抱えるミランダの祖母。誰もが失われたと思う孫娘のことを、おぼろげに覚えている。
この作品が問いかけるもの
『思慮なき眼差し』は、ヒッチコックの『裏窓』の原作でもあるコーネル・ウールリッチの短編を下敷きに、のぞく側を、見ることそのものを欲望とする女性に置き換えた。性の仕事をする隣人を見つめるミランダの快楽を、作品はまず弁解なしに彼女のものとして描き、それから代償を見せる。のぞく者はのぞかれていて、向かいの女性は見られるためにあの窓を選んでいたのだ。そのまわりには、より重い主題がスリラーの速度で並ぶ。富豪たちのパーティーを通じて売られる女性たち、誰にも止められなかった少女への虐待、娘が受け継ぐかもしれず、知るかどうかを自分で決めなければならない病。ブラジルの批評は割れ、叙述の混乱と評する声がある一方、女性の視点を評価する声もあった。配信開始直後の2023年1月の一週間、非英語シリーズの世界視聴ランキングで4位に入った。