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Cinema 月明かりの映画館

ロスト・イン・北京

Lost in Beijing

2007映画中国

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

マッサージ嬢、その雇い主、妊娠、そして値段。中国で上映禁止、製作者は2年間の活動停止。

東北地方から北京に出てきた若い夫婦、ピングォとアン・クンは、狭い部屋で暮らしている。夫はビルの窓拭き、妻は足つぼマッサージ店のマッサージ師だ。店のオーナー、リン・トンは広東出身の裕福な実業家で、女好きで知られる。妻のワン・メイとのあいだには子どもができない。ある晩、解雇された同僚と酒を飲んだピングォは、店の空いた部屋で眠り込み、リン・トンにレイプされる。外で窓を拭いていたアン・クンが、ガラス越しにそれを目撃する。

アン・クンはリン・トンのベンツに嫌がらせをし、2万元を要求する。突っぱねられると、今度は妻のワン・メイのもとへ行く。ワン・メイは金を払う代わりに彼を誘い、ふたりは関係を続けるようになる。やがてピングォの妊娠がわかるが、誰の子かはわからない。中絶を考える彼女をよそに、男たちは取引をまとめる。アン・クンは慰謝料として2万元を受け取る。生まれた子の血液型がリン・トンの子だと示せば、リン・トンが子を引き取り、さらに10万元を払う。そうでなければ夫婦が育てる。ワン・メイは夫に、ピングォとふたたび関係を持てば財産の半分を渡すという約束をさせる。取引のあいだ、ピングォはほとんど口を開かない。

生まれたのは男の子で、血液型はアン・クンの子であることを示していた。アン・クンは医師に金を渡して記録を書き換えさせ、息子を売る。狂喜したリン・トンは赤ん坊を引き取り、ピングォを乳母として家に住まわせる。ワン・メイの嫉妬は募っていく。リン・トンの幸せに耐えられなくなったアン・クンは子どもを連れ去り、逮捕される。DNA鑑定で父親ではないとわかっても、リン・トンは子を手放そうとしない。ワン・メイは家を出る。アン・クンは金を持ってきて、息子を買い戻そうとする。

最後に、ピングォが赤ん坊と金を持って出ていく。ふたりの男は彼女を追うが、北京の混み合う道路で車が故障し、立ち往生する。

主な出演

  • ファン・ビンビンピングォ役

    東北から出てきた足つぼマッサージ師。雇い主にレイプされ、そのあと男たちの取引の対象にされる。

    ピングォの物語

    ピングォは、既婚者だと知られればクビになるため、独身と偽って足つぼマッサージ店で働いている。解雇された友人と飲んだ夜、店の空き部屋で眠り込み、オーナーのリン・トンにレイプされる。窓の外からそれを見ていた夫とリン・トンのあいだで、それからは彼女をめぐる取引が続く。慰謝料、妊娠、どちらの子ともわからない赤ん坊の血液型。彼女は中絶を考え、交渉の席ではほとんど口を開かない。男の子を産むと、夫がリン・トンの子として売り渡したその子の乳母として、リン・トンの家に住み込む。ワン・メイの嫉妬が募っていく。男たちがまた子どもを奪い合うなか、彼女は赤ん坊と金を手に家を出ていく。追いかけるふたりの車は、途中で動かなくなる。

  • レオン・カーフェイリン・トン役

    マッサージ店のオーナー。子どもを切望する裕福な男で、ピングォをレイプし、その子を買い取る。

    リン・トンの物語

    リン・トンは広東から北京に出てきて、足つぼマッサージの商売で財を成した。女遊びをやめず、妻ワン・メイとのあいだに子どもはいない。店の空き部屋で眠り込んでいたピングォをレイプし、夫アン・クンの2万元の要求ははねつける。だが彼女の妊娠を知ると、息子を得る好機と見て取引の条件を自ら書き、出産までのあいだ、すでに家族であるかのように彼女の体を気づかう。アン・クンに金を払って赤ん坊を引き取ると大喜びし、ピングォを乳母として家に住まわせる。やがてアン・クンが子どもを連れ去り、親子鑑定で自分の子ではないとわかっても、子を手放そうとしない。妻は家を出ていく。最後の場面で、赤ん坊を連れて去ったピングォを追う彼の車は、混み合う道路で動かなくなる。

  • トン・ダーウェイアン・クン役

    ピングォの夫で、ビルの窓拭き。目撃したことを取引に変え、やがてそれに耐えられなくなる。

    アン・クンの物語

    アン・クンはビルの窓拭きをしていて、ガラスの外から、妻がリン・トンにレイプされるのを目撃する。リン・トンのベンツに嫌がらせをして2万元を要求し、突っぱねられると、今度はその妻ワン・メイのもとへ行き、彼女の愛人になる。妻の妊娠がわかると慰謝料を受け取って契約書にサインし、生まれた男の子の血液型が自分の子だと示すと、医師に金を渡して記録を書き換えさせ、息子をリン・トンに売る。だが我が子を抱いて幸せそうなリン・トンの姿に耐えられず、子どもを連れ去って逮捕される。釈放されると金を返しに行き、息子を買い戻そうとするが、リン・トンは応じない。最後の場面で、彼はリン・トンと同じ車でピングォを追い、その車が道の途中で動かなくなる。

  • エレイン・ジンワン・メイ役

    子どもを持てないリン・トンの妻。アン・クンと関係を持ち、夫に財産の半分を約束させる。

この作品が問いかけるもの

『ロスト・イン・北京』は、子どもさえ値札をつけられる街の物語だ。原題は主人公の名、苹果(ピングォ)で、リンゴを意味する。雇い主にレイプされた彼女を待っているのは、償いではなく、ふたりの男による交渉だ。慰謝料、血液型、そして赤ん坊。そのテーブルで、ピングォは黙っている。女性どうしの恋を描いた作品で長編デビューしたリー・ユーは、この作品で北京に出稼ぎに来た人々を描いた。2007年のベルリン国際映画祭での上映を前に、中国の検閲当局は削除を求めた。国内で大幅に編集された版が短期間公開されたあと、2008年1月に上映禁止となり、リー・ユー監督と製作会社ローレル・フィルムズは2年間の製作禁止処分を受けた。映画は、主人公が誰のもとからも歩み去る場面で終わる。それがこの作品に許された、ただひとつの自由な行為かもしれない。