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Cinema 月明かりの映画館

情愛中毒

Obsessed

2014映画韓国

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

1969年の軍基地。大佐と部下の妻。イム・ジヨンを世に出した官能メロドラマ。

1969年、韓国。ベトナム戦争から英雄として帰還したキム・ジンピョン大佐は、陸軍の教育部隊を率い、基地の将校官舎で妻イ・スクジンと暮らしている。上官の娘である妻は夫を将軍にすることに心を砕き、子どもを待ち望んでいる。ジンピョンは戦争の記憶に眠れず、薬で日々をしのいでいる。そこへ、彼を慕う部下キョン・ウジン大尉が、妻のガフンを連れて越してくる。玄関先にいくつも鳥かごを吊るすガフンは華僑の娘で、戦争で身寄りをなくし、少女のころウジンの母に引き取られて、その息子の妻になるよう育てられた。

将校の妻たちが軍病院を慰問した日、患者がガフンを人質に取り、もみ合ううちに、ジンピョンは誤って彼女を撃ってしまう。病室を見舞ったジンピョンは、彼女のことが頭から離れなくなる。パーティーの夜に口づけを交わしたふたりは人目を忍んで会い、恋人になる。ふたりきりになるために、ジンピョンはウジンをソウルへ出張させる。ガフンは、13歳のときウジンから性的な虐待を受けたこと、夫に触れられるのが耐えられないことを打ち明ける。

ウジンの母に恋を見抜かれ、ガフンは関係を終わらせる。ジンピョンはウジンに密輸の濡れ衣を着せて遠くへ飛ばそうとし、ガフンに懇願されると、自分がやったと罪をかぶって隊長の職を退く。それでも大統領の特命で、彼は将軍に昇進する。祝いの席でスクジンは妊娠を告げる。酔ったジンピョンはソウルへ一緒に来てくれとガフンにすがり、拒まれると、皆の前で思いをぶちまける。不倫は基地じゅうに知れ渡る。

義父はジンピョンをベトナムへ送る。一緒に行こうと言う彼に、ガフンは、愛しているけれど人生を捨てるほどではないと答える。ジンピョンは自ら命を絶とうとする。一命はとりとめたものの、妻とは離婚し、軍を追われる。2年後、公式の席で、ベトナムの特殊部隊の男たちがガフンを訪ねてくる。ジンピョンは彼らの道案内をしていて命を落とした。息を引き取るとき、彼は一枚の写真を握っていた。踊るふたりを写したその写真の裏には、「俺の愛」と書かれていた。ガフンは泣き崩れる。

主な出演

  • ソン・スンホンキム・ジンピョン役

    ベトナム帰りの英雄で、教育部隊の隊長。不眠を薬でしのぎながら、部下の妻に心を奪われていく。

    キム・ジンピョンの物語

    ジンピョンはベトナムから英雄として帰還したが、戦場で失った部下たちの悪夢にいまもうなされている。軍病院で患者がガフンを人質に取ったとき、もみ合ううちに彼の銃から放たれた弾が彼女に当たり、それから彼は彼女のもとを離れられなくなる。パーティーの夜に口づけをし、ふたりきりになるために彼女の夫をソウルへやる。別れを告げられるとウジンに密輸の濡れ衣を着せ、ガフンにすがられると自分で罪をかぶる。それでも将軍に昇進し、その祝いの席で皆の前で思いをぶちまける。一緒に来てくれという願いを拒まれて自ら命を絶とうとするが助かり、離婚されて軍を追われる。2年後、特殊部隊の道案内をしていたベトナムで、踊るふたりの写真を握ったまま死ぬ。

  • イム・ジヨンガフン役

    キョン大尉の妻。鳥を飼う華僑の戦争孤児で、夫の上官とひそかに関係を持つ。

    ガフンの物語

    ガフンは少女のころウジンの母に引き取られ、その息子の妻になるよう育てられた。初めて会った夜、彼女は鳥に煙草の煙を吹きかけた大佐をとがめる。病院で人質に取られて撃たれ、見舞いに通ってくる彼と、やがて人目を忍ぶ仲になる。13歳のときウジンから性的な虐待を受けたこと、夫に触れられるのが耐えられないことを、彼女は彼に打ち明ける。義母に見抜かれると関係を終わらせ、ジンピョンが夫に濡れ衣を着せると、夫を助けてほしいと彼に頼みに行く。ソウルへ来てくれという誘いを拒み、一緒に行こうと言われると、愛しているけれど人生を捨てるほどではないと答える。2年後、彼が死ぬまで握っていた写真を渡され、裏に書かれた「俺の愛」の文字を読んで、彼女は泣き崩れる。

  • チョ・ヨジョンスクジン役

    ジンピョンの妻で、将軍の娘。夫の昇進に心を砕き、子どもを待ち望んでいる。

  • オン・ジュワンキョン・ウジン役

    ガフンの夫。憧れの大佐に気に入られようと懸命な若い将校。

この作品が問いかけるもの

『情愛中毒』は韓国で官能メロドラマとして売り出され、興行成績の首位で公開を迎え、これが長編映画デビューだったイム・ジヨンの名を広めた。けれど濡れ場の奥にあるのは、不倫の代償を払えるのは誰か、という問いだ。ジンピョンは将軍の娘を妻に持つ戦争の英雄で、結婚も軍歴も失うが、それは自分で選んだ喪失だ。ガフンにはその余地がない。韓国の軍の町に暮らす華僑の戦争孤児で、引き取ってくれた女性の息子、少女のころ自分を虐待した男の妻であり、将校の妻たちの目に囲まれて暮らしている。彼と逃げることを拒む彼女の言葉は、この映画でいちばん醒めた瞬間だ。原題は「人間中毒」。眠れない帰還兵を呑み込んでいくのが愛なのか、それとも持ち帰った戦争から目をそらすもうひとつの方法なのか、映画は答えを出さない。