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Cinema 月明かりの映画館

ハウスメイド

The Housemaid

2010映画韓国

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

家政婦、主人、妊娠、そして口を閉ざす家。富が性的な武器になる。

混み合う街角で、ひとりの若い女性が自ら命を絶つ。食堂で働き、友人と狭い部屋で暮らすウニは、その場所を見に行く。まもなくウニは、大邸宅に住み込みのメイドとして雇われる。家を取り仕切るのは、妻の実家に長く仕えてきた年配のメイド、ビョンシクだ。主人のフンはグランドピアノでベートーヴェンを弾き、若い妻ヘラは双子を身ごもっている。6歳の娘ナミは、すぐにウニになつく。

ある夜、フンがワインを手にウニの部屋に来る。ウニは言われるままに応じ、ふたりは関係を持つようになる。それでもウニはヘラにやさしく、その妊娠を喜ぶ。ふたりの関係を目撃していたビョンシクは、ウニの妊娠を疑い、ヘラの母に告げる。ヘラの母は事故を装う。階段の上の脚立から足を滑らせたウニが助けを求めても、母は手を差し伸べず、ウニは落ちる。入院した病院で、ウニは妊娠を知る。すべてを知ったヘラはウニの頬を打ち、母とともに、金を出すから中絶して出ていけと迫る。ウニは応じない。ヘラは、ウニが毎日飲む漢方薬に毒を混ぜ始める。

ヘラは双子の男の子を出産する。家に戻ったフンは、浴槽につかるウニを見つける。あなたの子を身ごもっている、産むつもりだとウニは告げる。だが毒が回って彼女は倒れ、意識を失っているあいだに、ヘラの母と懇意の医者によって、本人の同意のないまま中絶させられる。病院で、告げ口したのは自分だとビョンシクが打ち明け、ウニは復讐を誓う。ビョンシクの手引きで屋敷に忍び込んだウニは、赤ん坊を抱いているところをフンに見とがめられる。ビョンシクはウニを追い出せという命令を拒み、その場で仕事を辞める。そして家族全員が見つめる前で、ウニは自ら命を絶つ。

ナミの誕生日。雪の庭で、双子を加えた家族が英語で祝い、フンは幼い娘にシャンパンのグラスを手渡す。どこか正気を失ったような大人たちを、ナミは黙って見つめている。

主な出演

  • チョン・ドヨンウニ役

    裕福な一家に住み込みで雇われた若いメイド。主人と関係を持ち、その子を身ごもる。

    ウニの物語

    ウニは離婚して友人と狭い部屋に暮らし、食堂で働いている。見知らぬ女性が自ら命を絶った場所を、わざわざ見に行く。大邸宅に雇われると、6歳のナミとすぐに打ち解ける。ワインを手にやって来たフンに言われるまま応じ、それでも身重の妻ヘラにはやさしく接する。ヘラの母に脚立から落とされ、病院で妊娠を知ると、金を渡すから中絶しろという申し出をはねつける。あなたの子を産むつもりだとフンに告げたところで、漢方薬に盛られた毒が回って倒れ、意識のないまま、同意もなく中絶させられる。告げ口したのは自分だとビョンシクに打ち明けられ、ウニは復讐を誓う。屋敷に忍び込み、双子のひとりを抱いているところを見とがめられた彼女は、家族全員が見つめる前で自ら命を絶つ。

  • イ・ジョンジェフン役

    屋敷の主人。裕福で魅力的な紳士だが、新しいメイドを当然の権利のように自分のものにする。

    フンの物語

    フンはすべてを手にした男だ。グランドピアノでベートーヴェンを弾き、若い妻は双子を身ごもっている。雪の夜、一家の別荘で、彼はワインを手に新しいメイドの部屋を訪ね、事のあとで小切手を渡す。関係は屋敷に戻っても続く。出産した妻に冷たく突き放され、苛立って帰宅すると、浴槽にウニがいる。あなたの子を身ごもっている、と告げた彼女が毒に倒れかけると、彼は産んでくれと言う。義母が勝手に中絶させたと知ると、あなたの娘が産んだ子だけが俺の子なのかと食ってかかる。戻ってきたウニが双子のひとりを抱いているのを見とがめ、やがてナミの誕生日、雪の庭で、幼い娘にシャンパンのグラスを手渡す。

  • ソウヘラ役

    双子を身ごもるフンの若い妻。夫の裏切りを知り、ウニとその子を消し去ろうとする。

  • ユン・ヨジョンビョンシク役

    屋敷を取り仕切る古参のメイド。長年妻の実家に仕え、家の中のすべてを見ている。

    ビョンシクの物語

    ビョンシクはヘラが幼いころから一家に仕え、屋敷を取り仕切ってきた。ウニを面接して雇ったのも彼女だ。いけ好かなくて汚くて、むかむかするほどさもしい仕事だと口癖のようにこぼしながら、それでも働き続ける。息子が検事に任官され、一家から分厚い祝儀袋を渡されても、屋敷を去らない。主人と新しいメイドの関係にいち早く気づき、ウニ自身より先に妊娠を見抜いて、ヘラの母に知らせる。中絶させられたウニに、病院で、告げ口したのは自分だと打ち明ける。そして彼女を屋敷に忍び込ませ、ウニを追い出せとヘラに命じられると、それを拒み、その場で仕事を辞めて屋敷を出ていく。

この作品が問いかけるもの

1960年のキム・ギヨン監督『下女』は、家に迎え入れた女によって体面を脅かされる一家を描いた。現代韓国の階級問題を正面から描きたかったと語るイム・サンスは、その恐怖を裏返した。ここでは一家はあまりに裕福で、何ものも彼らに届かない。危険は逆向きに流れる。ウニの身体は屋敷の持ち物のように扱われる。主人に使われ、古参のメイドに見張られ、妻の母に処理され、同意のないまま妊娠を終わらされる。彼女の味方になりえた女たちでさえ、家に仕えている。ヘラの母は娘に、金持ちの夫は必ず浮気をする、見て見ぬふりをすれば女王のように暮らせる、と言い聞かせる。2010年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、韓国では公開週末の興行成績で首位に立った。残るのは結末だ。見せつけることしか力の残っていない女と、それでも祝い続ける家族。