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Cinema 月明かりの映画館

プロミシング・ヤング・ウーマン

Promising Young Woman

2020映画アメリカ、イギリス

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

医学部を中退した女が酔ったふりをして“いい人”たちの行動を試す。結末が全員を二分した。

キャシー・トーマスは30歳。医学部を中退し、両親の家で暮らしながらコーヒーショップで働いている。夜になるとバーへ行き、立っていられないほど酔ったふりをする。男が彼女を家に連れ帰り、つけこもうとすると、しらふに戻って相手を問いつめる。理由は、幼なじみの親友ニーナ・フィッシャーにある。医学部のパーティーで、ニーナは同級生のアル・モンローにレイプされ、ほかの学生たちはそれを見て、撮影していた。大学はニーナの訴えを退け、彼女は退学し、のちに自ら命を絶った。罪悪感にさいなまれたキャシーも、学業を捨てた。

ある日、元同級生で小児外科医になったライアン・クーパーが店に現れ、彼女を食事に誘う。彼といるうちに、キャシーは何年かぶりに幸せを感じはじめる。だが、アルがもうすぐ結婚するとライアンから聞くと、彼女はあの暴行を許した人々への報復に乗り出す。飲みすぎたニーナが悪いと責めた友人マディソンを昼食で酔わせ、ホテルの部屋で襲われたと思いこませる。訴えを退けた学部長には、娘がニーナの襲われた部屋に連れていかれたと信じさせ、そのあとで娘は無事だと告げる。アルの弁護士だったジョーダン・グリーンを訪ねると、彼は罪の意識に打ちのめされていて、キャシーは彼を許す。ニーナの母は、もう手放して自分の人生を生きてほしいと彼女に懇願する。

キャシーはそうしようとする。ライアンを両親に紹介する。ところがマディソンが、暴行の動画が残る携帯電話を持ってくる。そこには、見物しているライアンの姿があった。酔っていて覚えていないと言う彼に、動画を公開すると迫り、キャシーはアルの独身最後のパーティーの場所を聞き出す。ストリッパーに扮して乗りこんだ彼女は、友人たちに薬を盛り、アルをベッドに手錠でつなぎ、体にニーナの名を刻むと告げる。もみあいのなかでアルは彼女を殺し、友人のジョーの手を借りて、遺体を森で焼く。

だが、キャシーはそれも見越していた。出かける前、彼女は動画をジョーダン・グリーンに送り、自分が戻らなければ警察に届けるよう頼んでいたのだ。アルの結婚式に警察が現れ、彼を殺人容疑で逮捕する。ライアンの携帯には、キャシーがあらかじめ手配していたメッセージが次々と届く。最後の一通の署名は「愛をこめて、キャシーとニーナ」。

主な出演

  • キャリー・マリガンカサンドラ・トーマス(キャシー)役

    医学部を中退した30歳。親友に起きたことに突き動かされ、夜ごと女性を食いものにする男たちの正体を暴いている。

    カサンドラ・トーマス(キャシー)の物語

    親友ニーナが医学部のパーティーで同級生たちの見ている前でレイプされ、訴えを退けられて自ら命を絶ったあと、キャシーは医学部をやめた。ライアンのやさしさに幸せを感じるが、アル・モンローが結婚すると聞くと、あの暴行を許した人々を追いはじめる。ニーナを責めた友人、学部長、そして罪悪感に打ちのめされていた弁護士。弁護士を、彼女は許す。生きてほしいとニーナの母に懇願され、ライアンを両親に紹介してやり直そうとする。だが動画には、暴行を見ているライアンがいた。変装してアルの独身最後のパーティーに乗りこみ、手錠でつなぐが、もみあいのなかで殺される。それも見越していた。動画は警察に届き、アルは結婚式で逮捕され、彼女のメッセージがライアンに届く。

  • ボー・バーナムライアン・クーパー役

    元同級生で、いまは小児外科医。そのやさしさが、キャシーを普通の暮らしへと引き戻していく。

    ライアン・クーパーの物語

    医学部でキャシーと同級だったライアンは、いまは小児外科医だ。彼女の働くコーヒーショップに現れて食事に誘い、少しずつ心を開かせ、両親にも紹介される。アル・モンローの結婚を彼女に話したのも彼だった。やがてマディソンがキャシーに届けた暴行の動画には、見物しているライアンの姿があった。酔っていて覚えていないと言い、許しを請うが、許されない。動画の公開をちらつかされ、アルの独身最後のパーティーの場所を教える。彼女が姿を消すと、警察には行き先を語らず、調子を崩していたとだけ話す。アルの結婚式で、アルが連行されるなか、彼の携帯に彼女のメッセージが次々と届く。最後の署名は「愛をこめて、キャシーとニーナ」。

  • アリソン・ブリーマディソン・マクフィー役

    医学部時代の友人。飲みすぎたニーナが悪いと責めたが、のちにキャシーに例の動画を届ける。

  • コニー・ブリットンエリザベス・ウォーカー役

    証拠不十分としてニーナの訴えを退けた学部長。キャシーに、自分の娘の身を案じさせられる。

  • モリー・シャノンミセス・フィッシャー役

    ニーナの母。復讐のために生きるのをやめ、自分のために生きてほしいとキャシーに願う。

この作品が問いかけるもの

『プロミシング・ヤング・ウーマン』が見つめるのは、レイプそのものよりも、その周りにいた人々だ。飲みすぎを責めた友人、証拠が足りないとした学部長、被害者の信用を崩した弁護士、それを撮影した同級生たち、そして自分を「いい人」だと思っている男たち。エメラルド・フェネルはこの作品でアカデミー脚本賞を受け、映画はミートゥー運動以後の数年でもっとも議論を呼んだ作品のひとつになった。ワシントン・ポスト紙は、レイプ・リベンジ映画というジャンルをフェミニズムの視点で覆す作品でありながら、主人公に喝采すべきか身を案じるべきか決めかねている、と評した。議論の中心は結末にある。キャシーは殺され、残した計画によってだけ勝利する。あらゆる制度にすでに見捨てられた女性に、どんな正義が残されているのか。それを求めて動く者は、何を支払うのか。