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Cinema 月明かりの映画館

ボンベイ・ベイガム -私たちのサバイバル-

Bombay Begums

2021ドラマ・シリーズインド

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

更年期の銀行頭取、セックスワーカー、若い行員、そして性的暴行の告発。児童保護委員会が配信停止を要求した。

現代のムンバイ。ひとつの民間銀行を軸に、世代も境遇も違う五人の女性の物語が全六話で絡み合う。語り手は最年少のシャイだ。

ラニ・シン・イラニは、ロイヤル・バンク・オブ・ボンベイの最高経営責任者に就任したばかり。会議中にほてりに襲われ、部下に更年期ではと言われても取り合わない。取締役会には彼女を追い落とそうとする者がいて、家では夫ナウシャードの十代の娘シャイが心を開かない。息子ズヴィは、性労働者リリーのもとからの帰り道に少年をはね、けがをさせる。少年はリリーの息子だった。リリーは事故を取引材料にし、ラニは金を払う。だがリリーが求めるのは金だけではない。尊敬と、息子の良い学校と、銀行の新しい福祉事業の融資で開く小さな工場だ。その担当を任されるのが、インドールから出てきた若い行員アイシャ・アガルワルである。

ラニの右腕ファーティマ・ワルシは流産し、夫アリジャイの望みに沿って代理出産を決める一方、別の男と関係を持つ。ラニもまた、よその銀行の重役マヘーシュと関係を結び、ふたりの動画が出回って醜聞になる。同僚ロンと寝ながら歌手のチトラに惹かれていくアイシャは、車で送ると申し出た上級幹部ディーパク・サンガヴィから、車内で性的暴行を受ける。はじめは合意の上だったと言うが、やがて被害を申し立てる。上に立つ女性たちは取り下げを迫り、ディーパクの妻は若い娘の片思いだと言い放つ。失恋したシャイは、パーティーで薬物を摂って倒れる。

最終話で女性たちは手を結ぶ。ファーティマはディーパクの別の被害者にたどり着き、アイシャに謝る。若いころ上司から性暴力を受けていたことをシャイに打ち明けたラニは、ディーパクを警察に通報し、彼は逮捕される。リリーの工場の開所式で、ラニは自分も性暴力の被害者だったと公に語り、女性たちに声を上げようと呼びかける。ファーティマは不倫を告白し、夫は家を出る。アイシャは、女性にも惹かれるのだとロンに告げ、自分の部屋を見つける。ラニは夫と和解する。そのころディーパクは、ズヴィの事故とリリーへの支払いを警察に明かしていた。警察がラニの家に踏み込むところで、シーズンは終わる。

主な出演

  • プージャ・バットラニ・シン・イラニ役

    ムンバイの銀行の新任最高経営責任者。手段を選ばず地位を守るが、結婚生活も継娘との関係も揺らいでいる。

    ラニ・シン・イラニの物語

    取締役たちが隙をうかがうなか、ラニは会議中に襲うほてりを隠し、ファーティマを右腕に据え、息子ズヴィがリリーの息子にけがをさせた件では金を払う。よその銀行の重役マヘーシュと関係を持ち、その動画が出回って辞任を迫られると、銀行を道連れにすると脅す。アイシャには告発を表沙汰にするなと迫る。だがシャイが病院に運ばれたあと、継娘に打ち明ける。駆け出しのころ上司から性暴力を受け、出世のために口を閉ざしたのだと。彼女はディーパクを警察に通報し、報道陣の前で自分も性暴力の被害者だったと語り、夫ナウシャードと和解する。そこへ、ディーパクからズヴィの件を聞いた警察が踏み込んでくる。

  • シャーハーナー・ゴースワーミーファーティマ・ワルシ役

    野心的なラニの右腕。流産、代理出産の計画、不倫のなかで結婚生活が崩れていく。

    ファーティマ・ワルシの物語

    臨月のファーティマに、夫アリジャイは出産後は家にいてほしいと言う。そこへラニに右腕として抜擢され、夫に相談しないまま引き受ける。やがて子どもを失う。追い詰められて取引先の前でラニに異を唱え、取引をまとめなければ解雇すると言い渡される。夫と話し合い、代理出産でもう一度子どもを持つと決めるが、心は定まらず、ある実業家と関係を持つ。アイシャがディーパクを告発すると、話を疑い、取り下げを迫る。だがディーパクの妻は男とはそういうものだと言い放ち、別の女性も同じ目に遭ったと打ち明ける。ファーティマはアイシャに謝り、ディーパクを追い詰める側に回る。そして夫に告げる。関係は一度きりではなかった、心が空っぽだったのだと。アリジャイは家を出ていく。

  • アムルータ・スバーシュラクシュミー(リリー)・ゴンダリ役

    息子をひとりで育てる性労働者で、元バーダンサー。ある事故を、まっとうな暮らしへの足がかりに変える。

    ラクシュミー(リリー)・ゴンダリの物語

    リリーはズヴィの事故を理由にラニから金を引き出し、さらに金以上のものを求める。息子の良い学校と、銀行の福祉事業の融資で開く自分の工場だ。尊敬されたいから足を洗うと仲間の女性たちに告げると、笑い飛ばされる。息子は望みの学校に入る。だが家の壁には出ていけと書かれ、工場は市当局に阻まれ、息子はからかわれて学校に通えなくなる。タクシーから、ディーパクが車内でアイシャに性的暴行を加えるのを目撃した彼女は、見たことを皆に話し、奴隷のように黙っていないで闘えとアイシャに迫る。やがて恋人にドバイへ誘われ、そこならリリーではなくラクシュミーとして生きられると、最後にもう一度ラニに金を求める。それでも選ぶのは工場で、アイシャの助けで開所にこぎつける。

  • プラビタ・ボルタクルアイシャ・アガルワル役

    インドール出身の若い行員。女性への思いに気づきながら、上級幹部を性的暴行で告発する。

    アイシャ・アガルワルの物語

    ファーティマに解雇され、部屋も追い出されたアイシャに、ラニが手を差し伸べる。任されたのは銀行の福祉事業、そしてリリーの工場の件だ。同僚のロンとジャズ歌手のチトラのあいだで揺れ、ディーパクに昇進を願い出て一笑に付される。ある夜、車で送ると申し出たディーパクに、車内で性的暴行を受ける。はじめは合意の上のキスだったと偽り、彼は彼女の異動を手配する。匿名で被害を書き込むと、あなたはひとりではないと返事が届き、彼女は異動を断って被害を申し立てる。ファーティマに疑われ、ラニに口をつぐめと迫られ、ディーパクの妻に片思いだと言われても、取り下げない。彼の逮捕後、女性にも惹かれるのだとロンに打ち明け、自分の部屋に移る。

  • アーディヤ・アナンドシャイ・イラニ役

    ラニの十代の継娘で、物語の語り手。孤独で不器用な彼女の初めての失恋は、病院で終わる。

この作品が問いかけるもの

本作は、同じ街の梯子の違う段に立つ五人の女性を並べ、男たちが書いた規則を生き抜くことにどれほどの力が費やされるか、そして女性たちがどれほどその規則を互いに押しつけ合うかを描く。物語の軸は、若い行員による性的暴行の告発と、銀行と男と自分自身を守ろうとする上の世代の女性たちの反応だ。やがてそのひとりが、自分もかつて沈黙したことを認める。その周りで、中年期を迎えた経営者の体、両性愛の女性の欲望、尊敬を求める性労働者の渇き、母になることが望みではないと気づく妻が描かれる。配信が始まった月、インドの国家児童権利保護委員会は、未成年の薬物使用と性の描写を理由に、ネットフリックスに配信停止を求めた。作品が残すのは、頂点に立つ女性が、そこへ至るまでに何から目をそらしてきたのかという問いだ。