メイド・イン・ヘヴン ~運命の出会い~
Made in Heaven
ストーリー
結末まで書いています。
デリーのウェディングプランナー二人。毎話ひとつの結婚、そのすべてが階級・金・持参金・クローゼットをめぐる交渉。
ターラー・カンナーとカラン・メーラーは、南デリーで婚礼プロデュース会社「メイド・イン・ヘヴン」を営んでいる。下位中流の家に育ったターラーは、実業家一族の跡取りアーディル・カンナーと結婚した。カランはゲイであることを隠し、会社の元手を貸した高利貸しへの借金をいまも返している。一話ごとにひとつの婚礼があり、その裏にはかならず取引がある。花嫁の過去を調べさせる花婿の一家、式の当日に持参金を要求する両親、政略結婚から花嫁を逃がす計画。
第1シーズン、ターラーは夫が親友のファイザーと関係を持っていることを知る。カランは家主に男性との情事をひそかに撮影されて逮捕され、勾留中に警官から性的暴行を受ける。彼は、同性間の性行為を罪とする植民地時代の法、刑法377条に挑むと決める。やがて回想が明かす。ターラーはアーディルとの情事を彼のオフィスで撮影させ、その映像を流出させて彼の婚約を壊したのだった。シーズンの終わり、屋敷を出たターラーがカランと落ち合うと、事務所は右派の暴徒に荒らされている。ふたりは笑い、ターラーが持ち出した宝石で出直そうと決める。
第2シーズンは半年後から始まる。会社は傾き、元高利貸しのラメーシュ・ジョウハリーが共同経営者となり、その妻ブルブルが経理を見張り、トランス女性のメヘルが制作を率いている。ターラーとアーディルは離婚の成立を待つ身で、ファイザーはアーディルの子を宿している。婚約者に暴力をふるわれながら彼と結婚する花嫁。義理の家族の偏見に立ち向かい、仏式で式を挙げるダリットの大学教授。一夫多妻の男の二度目の婚礼で自ら命を絶とうとし、のちに一夫多妻の禁止を求めて闘うと決める最初の妻。ブルブルは息子に、暴力をふるう最初の夫を、息子の命を守るために殺したのだと打ち明ける。がんで死にゆく母に受け入れてもらえないカランは、薬物と賭博に溺れ、会社の金に手をつけ、ターラーと決裂する。やがて母は亡くなる。
ターラーはアーディルを誘惑したうえで彼の家を奪うと告げ、最終話でカンナー家の屋敷を財産分与として手に入れる。交際していたシェフのラーガヴは、夫を亡くしたばかりの女性から奪った家には住めないと言って去る。メヘルの恋人ダーニシュは、家族の目をよそに彼女のそばにとどまる。アーディルとファイザーは結婚する。物語は、その屋敷にターラーとカランがふたりでいる場面で終わる。
主な出演
ショービター・ドゥーリパーラターラー・カンナー役
計算ずくの醜聞でデリーの富豪一族に嫁いだウェディングプランナー。手に入れたものは手放さない。
ターラー・カンナーの物語
下位中流の家に育ったターラーは、いまはカンナー家の屋敷に暮らし、金のためでもなく婚礼の会社を切り盛りしている。夫アーディルの浮気を親友ファイザーに相談するが、相手はそのファイザーだった。事故で関係が明るみに出ても、ファイザーに輸血し、のちに彼女の家を荒らす。かつて彼女は、アーディルとの情事をオフィスで撮影させて流出させ、彼の婚約を壊してこの家に入った。宝石を手に屋敷を出ると、荒らされた事務所でカランと笑い合う。第2シーズン、シェフのラーガヴと付き合いながら、アーディルを誘惑したうえで家をもらうと告げ、夫を亡くした義母から屋敷を奪う。義母は決して許さないと言い、ラーガヴはそこに住むことを拒む。屋敷にはターラーとカランが残る。
アルジュン・マートゥルカラン・メーラー役
ターラーの共同経営者。借金を抱え、ゲイであることを隠してきたが、逮捕と勾留中の暴行を経て法に挑む。
カラン・メーラーの物語
カランは高利貸しラメーシュ・ジョウハリーの金で会社を回し、ゲイであることを隠している。家主に男性との情事をひそかに撮影されて逮捕され、勾留中に警官から性的暴行を受ける。家主が自分もゲイだと打ち明けると訴えを取り下げ、代わりに刑法377条と闘うと決める。学生時代、同性愛者だとはやし立てて仲間と襲ったナワーブと再会して謝り、ふたりは一夜をともにする。第2シーズン、がんで死にゆく母は、女性との結婚を拒む彼にもう来るなと告げる。彼は薬物と賭博に溺れ、会社の金に手をつけ、ターラーと決裂し、嘘がもとで恋人アクシャイとも別れる。母は最後まで彼を受け入れずに亡くなり、彼はカンナー家の屋敷で、再びターラーの隣にいる。
ジム・サルブアーディル・カンナー役
実業家一族の跡取りでターラーの夫。妻の親友との関係が、ふたりの結婚を終わらせる。
カルキ・ケクランファイザー・ナクヴィー役
ターラーの親友。アーディルと関係を持ち、彼の子を宿し、最後には彼と結婚する。
モナ・シングブルブル・ジョウハリー役
ラメーシュの妻で、会社の経理を預かる。かつて息子を守るため、暴力をふるう最初の夫を殺した。
トリネートラ・ハルダール・グンマラージュメヘル・チョードリー役
制作責任者として加わるトランス女性。いくつもの失望のあとで、そばにとどまる恋人と出会う。
この作品が問いかけるもの
『メイド・イン・ヘヴン ~運命の出会い~』は、インドの暮らしでもっとも写真に撮られる儀式、豪華な結婚式を入り口に、写真には写らないものを見せていく。持参金、肌の色への偏見、カースト、家庭内暴力、一夫多妻、花嫁の過去への詮索。ふたりのプランナーも潔白ではない。ターラーは計算ずくの醜聞で富を手にし、それを守るために闘う。カランは自分が何者かを顧客に隠し、やがて法がそれを罪として突きつける。第1シーズンは、刑法377条がのちに違憲として無効になったことを伝える字幕で終わる。第2シーズンでは、自らの性別移行を公に発信してきたトリネートラ・ハルダール・グンマラージュが、トランス女性の役で主要キャストに加わった。描かれる結婚の多くが契約や同盟や逃げ道であるなかで、結婚とは何のためにあるのかが問われ続ける。