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Cinema 月明かりの映画館

離婚しようよ

Let's Get Divorced

2023ドラマ・シリーズ日本

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

政治家と女優の“見せかけ夫婦”。互いに愛人がいるのに離婚できない。

愛媛5区から出た三世議員の東海林大志と、「お嫁さんにしたい女優ナンバーワン」の黒澤ゆいは、結婚5年目のおしどり夫婦として知られている。だが家での会話は、ふたりでネットの生配信をするときくらいだ。大志と女子アナの桜子との不倫は1年前に報じられ、夫を許したゆいの好感度は跳ね上がり、大志の株は下がった。愛媛の節分の行事で、大志は「離婚しよう」と切り出し、ゆいも同じことを考えていたと答える。けれど大志の母・峰子は息子の政治生命のために離婚を許さず、ゆいの母は東海林家からの援助で暮らし、ゆいにはスポンサー契約がある。

それでもふたりは弁護士を立てて離婚へ進む。大志の弁護士・印田薫と、ゆいの弁護士・石原ヘンリーは、実は元恋人同士だった。ゆいは偶然ぶつかった自称アーティストの加納恭二に惹かれていく。恭二はゆいに口づけし、自分は不能だと打ち明ける。大志は桜子との関係を続けている。やがて解散総選挙となり、野党のスター・想田豪が世襲を断ち切ると言って愛媛5区から出馬する。ゆいは代表作の特別編の撮影と重なるなか、離婚するはずの夫の選挙を手伝う羽目になる。そして、節分の夜に大志とのあいだに授かった子を妊娠していることがわかる。桜子が、節分の前夜に大志がホテルを訪れた証拠を週刊誌に流すと、怒ったゆいは自分と恭二の関係を自ら暴露し、夫婦は並んで謝罪会見で土下座する。

選挙戦がふたりを変えていく。大志は愛媛の人々の声に耳を傾けるようになり、ウイルス研究所の必要性をきちんと訴える。恭二とも、なぜか心が通い合う。大志とゆいは「何で別れるんだっけ」と笑い合う。開票の夜、想田の党が政権を取り、大志は約100票差で落選する。夜明け前、もやもやを抱えたまま、ふたりは離婚届を出す。

4か月後、ゆいは男の子を産み、陽自と名づける。3年後、ゆいはベルリンで賞を取り、恭二は選挙を追って全国を回るブロガーになっている。ウイルス研究所の売却をめぐる金銭授受が発覚した想田は議員を辞め、妻とキッチンカーでパンを売っている。大志は補欠選挙で当選し、週4日を陽自と暮らしながら、国会で子育て支援を訴える。復縁をほのめかす大志に、ゆいは言う。再婚しないほうが、うまくいく。

主な出演

  • 松坂桃李東海林大志役

    温室育ちで女性にだらしない三世議員。見せかけの結婚から抜け出したいと思っている。

    東海林大志の物語

    大志は、亡き父の地盤を継いで愛媛から国会に出ている。女子アナの桜子との不倫が報じられ、夫を許した妻より好感度を落とした。節分の日に離婚しようと切り出し、ゆいも同じ気持ちだった。桜子と会い続けるが、ゆいに好きな人がいると告げられて打ちのめされる。対立候補の想田には公開討論で完敗する。それでもゆいと並んで選挙を戦ううち、愛媛の人々の声に耳を傾け、ウイルス研究所の必要性を自分の言葉で訴えるようになる。謝罪会見では、なぜ離婚しなきゃいけないんだと泣きながら、ゆいと並んで土下座する。約100票差で落選し、夜明け前に離婚届を出す。3年後、補欠選挙で返り咲いた彼は、週4日陽自と暮らし、国会で子育て支援を訴える。復縁をほのめかすが、ゆいに断られる。

  • 仲里依紗黒澤ゆい役

    大志の妻で、「お嫁さんにしたい女優ナンバーワン」。夫と同じくらい離婚を望んでいる。

    黒澤ゆいの物語

    ゆいは夫の不倫を公に許して好感度を上げたが、家では夫とほとんど口をきかない。節分の日、離婚しようという夫に、自分もそう思っていたと答える。だが母は東海林家の援助で暮らしている。偶然出会った自称アーティストの恭二に惹かれ、口づけのあと、不能だと打ち明けられる。代表作の特別編を撮りながら、離婚するはずの夫の選挙を手伝い、節分の夜に授かった夫の子を身ごもっていると知る。節分前夜の夫の密会が暴かれると、怒って自分の不倫を週刊誌に明かし、夫と並んで土下座する。選挙戦のさなかに笑い合うようになるが、落選の夜明け前に離婚届を出す。陽自を産み、ベルリンで賞を取り、再婚しないほうがうまくいくと元夫に告げる。

  • 錦戸亮加納恭二役

    色気のにじむ自称アーティストでパチプロ。ゆいと恋に落ち、やがて選挙の世界にのめり込む。

    加納恭二の物語

    恭二は、偶然ぶつかったゆいを女優とも知らずに連れ歩き、やがて口づけして、自分は不能だと打ち明ける。アトリエでは、ゆいを思う気持ちだというオブジェの値段を、ゆいの空いている時間すべてだと言う。雨の日には冷たく追い返すが、携帯電話を買って謝る。ゆいのそばにいるため愛媛に移り、古民家をアトリエにする。公開討論では客席から手を挙げ、想田にひと言やり返す。妊娠を告げられると、ゆいの子は俺の子だと言う。アトリエに呼んだ大志とは、なぜか心が通い合う。3年後、彼はパチプロ兼選挙ブロガーとして、日本中の選挙を追いかけている。

  • 山本耕史想田豪役

    野党の幹事長。世襲を断ち切ると言って、大志と同じ愛媛5区から出馬する。

  • 板谷由夏印田薫役

    大志の離婚を担当する弁護士。女性にだらしない大志を鍛え直す。ゆいの弁護士とはかつての恋人。

  • 古田新太石原ヘンリーK役

    ゆいの担当弁護士。胡散臭く見えるが、腕は確か。

この作品が問いかけるもの

宮藤官九郎と大石静が脚本を書き、吉田拓郎の「結婚しようよ」から題名をとったこの喜劇は、結婚をひとつのブランドとして描く。政治家は有権者のために妻を必要とし、女優はスポンサーのために夫を必要とし、母親たちは金と家名を必要とする。作品は、日本の政治の世襲、カメラの前で土下座する謝罪会見という儀式、同じスキャンダルで片方の好感度が上がり、もう片方が下がる仕組みを鋭く笑う。だが笑いの下にあるのは、夫婦を演じるのをやめて初めて互いを好きになれたふたりの物語であり、結婚が終わっても家族は続きうるという発見だ。結末はふたりを元に戻さない。息子をともに育てながら、離婚したままでいる。