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Cinema 月明かりの映画館

夫の家庭を壊すまで

Until I Destroyed My Husband's Other Family

2024ドラマ・シリーズ日本

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

夫が15年も愛人と“もうひとつの家庭”を築いていたと知った妻が、その家庭を内側から壊しにかかる。

如月みのりは高校時代の初恋の相手・勇大と結婚し、幼い息子の翼と、優しい義母の裕美に支えられて専業主婦として暮らしている。ところが勇大のスマートフォンに届いた通知から、秘密が明らかになる。勇大は15年にわたり、高校の同級生でシングルマザーの美容師・三宅理子と関係を続け、写真の中では理子の息子・渉の父親のようにふるまっていた。自らも父を知らずに育ったみのりは、夫のもうひとつの家庭を壊すと決める。渉の通う塾にチューターとして入り込み、高校生の彼から家の事情を聞き出していく。渉は、やがてみのりに惹かれていく。

掘るほどに、事態は深くなる。理子は勇大の子を身ごもり、勇大はみのりと別れて理子と一緒になるつもりだった。死の床の祖父は、みのりの実の父が宝飾ブランドを擁する月城グループの会長・月城進で、その金がみのりのために残されていると明かす。さらに、かつて月城家の家政婦だった裕美がそれを知り、高校生の勇大をみのりに近づけさせていたことがわかる。父の力と渉の手を借りて、みのりは三人の人生を崩していく。恋人も会社での信用も失った勇大は泣いて許しを請うが、みのりは許さない。離婚して翼を引き取ったみのりは、利用したことを渉に詫び、自分の人生を生きてと告げて去る。

7年後。みのりは自然豊かな町で親子カフェを営み、シングルファーザーの琥太郎から交際を申し込まれている。そこへ、教師になった渉が翼の小学校に赴任してくる。思いは変わっていなかった。理子も怒りをあらわに現れ、雨の中でみのりと渉は口づけを交わす。やがてみのりと理子のもとに脅迫文が届き、カフェと美容室には誹謗中傷の書き込みが相次ぐ。犯人は裕美だった。追い詰められた裕美はみのりに襲いかかる。渉がみのりをかばい、勇大が身を挺して母を止め、月城は裕美を警察へ連れていく。勇大も付き添って去る。

理子は「死ぬから」と渉に電話をかける。渉を呼び戻すための芝居だった。渉の父は妊娠を告げた自分を捨てた、勇大の優しさにすがってしまった、と理子は泣きながら語る。自分も勇大を殺す妄想をしていたみのりは、理子を抱きしめ、自分の復讐が関係のない子どもたちを傷つけたと打ち明ける。渉は母を抱きしめ、自分の足で歩かせてほしいと告げる。みのりと渉は互いに好きだと伝え合い、渉は、みのりを守れるほど強くなるまで待っていてほしいと言う。一年後、みのりは裕美を訴えず、裕美は月城の会社で清掃の仕事をしている。カフェに戻ったみのりの前には、渉が立っていた。「おかえり」。

主な出演

  • 松本まりか如月みのり役

    夫が15年続けてきたもうひとつの家庭を知り、それを壊そうとする専業主婦。その復讐は周囲も自分も傷つける。

    如月みのりの物語

    みのりは祖父に育てられ、初恋の勇大と結婚して、家族を信じていた。夫のスマートフォンに届いた通知が、すべてを明かすまでは。みのりは渉の塾にチューターとして入り込み、少年から家の事情を聞き出す。理子が勇大の子を身ごもっていること、自分の実の父が宝飾ブランドを率いる月城であること、勇大と義母がその財産目当てに自分に近づいたことを知る。父の力と渉の手を借りて三人の人生を崩し、泣いて謝る勇大を許さずに離婚して、利用したことを渉に詫びて去る。7年後、渉が現れ、雨の中で口づけを交わし、脅迫文が届く。犯人の裕美に襲われる。憎んだ理子を抱きしめ、渉には好きだと伝えて、待つと約束する。1年後、裕美を訴えなかったみのりのもとへ、渉が帰ってくる。

  • 竹財輝之助如月勇大役

    みのりの夫。母に頭の上がらない会社員で、金目当てにみのりと結婚し、理子と一緒になるつもりでいた。

  • 野波麻帆三宅理子役

    勇大の高校の同級生で不倫相手の美容師。未婚のシングルマザーで、かつて自分も妊娠中に捨てられた。

    三宅理子の物語

    理子は勇大の子を身ごもり、勇大がみのりと別れて自分のもとへ来るのを待っている。だがみのりの復讐で不倫は明るみに出て、理子は娘を産む。7年後、みのりと渉が再び近づいたと知って、絶対に許さないと誓うが、自分の美容室も匿名の中傷にさらされる。渉に拒まれると、死ぬからと電話をかける。駆けつけた渉とみのりに、妊娠を告げたとたん渉の父に捨てられた過去を語り、勇大も仕事も娘の信頼も失ったと打ち明けて、渉だけはそばにいてと泣く。そんな理子を、みのりが抱きしめる。渉は母を抱き、自分の足で歩かせてほしいと告げる。1年後、娘から届いたメッセージに、理子は頬をゆるめる。

  • 野村康太三宅渉役

    理子の息子。高校生のときにみのりに近づかれ、やがて教師となって彼女の前に戻ってくる。

    三宅渉の物語

    渉は受験を控えた高校生で、母と勇大の関係に薄々気づいて苦しんでいる。塾の新しいチューターとして現れたみのりに家の事情を聞き出され、彼女に惹かれていく。真実を知ると、勇大を破滅させるみのりに手を貸す。利用したことを詫びて、みのりは去る。7年後、小学校の教師になった渉は翼の学校に赴任し、変わらぬ想いを抱えたまま、雨の中でみのりと口づけを交わす。裕美が襲いかかると、身を挺してみのりをかばう。死ぬと電話をかけてきた母のもとへ駆けつけて抱きしめ、必ず幸せになるから自分の足で歩かせてほしいと告げる。どんなに黒くてもみのりが好きだと伝え、守れるほど強くなるまで待っていてほしいと頼む。1年後、みのりの店の前には渉の姿がある。

  • 麻生祐未如月裕美役

    勇大の母。みのりを支える優しい義母に見えて、金のために息子の結婚を仕組んでいた。

  • 太田莉菜堀紗良役

    みのりの高校の同級生で弁護士。証拠を固め、みのりの離婚を支える。

この作品が問いかけるもの

この深夜ドラマは、復讐劇の矛先を、復讐する側へと向け直す。みのりの怒りには理由がある。夫は15年ももうひとつの家庭を持ち、母親と組んで、実父の財産目当てにみのりと結婚していた。けれど作品が追うのは、その復讐が、何ひとつ選んでいない人々に何をもたらすかだ。とりわけ、利用するために近づいた高校生の少年に。裏切りが受け継がれていくことにも目を向ける。みのり自身が不倫の末に生まれた子であり、渉は、身ごもった母を捨てた男の息子だ。最終回は勝者を決めない。みのりは憎んだ相手を抱きしめ、自分たちには救われる権利などないと言い、自分に襲いかかった義母を訴えることもしない。かつて利用した少年とのあいだに育った愛が、償いなのか、繰り返しなのか。作品はその問いを開いたまま終わる。