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Cinema 月明かりの映画館

離婚しない男―サレ夫と悪嫁の騙し愛―

The Man Who Won't Divorce

2024ドラマ・シリーズ日本

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

妻の不倫を知った夫が離婚せず反撃する“サレ夫”もの。

大手新聞社の社会部のエース記者・岡谷渉は、妻の綾香が男とラブホテルに入るのを目撃する。離婚して7歳の娘・心寧の親権を取ろうと決めるが、相談した弁護士の財田トキ子からは、母性優先の原則のもとで父親が親権を得られるのは1割ほどだと告げられる。だから渉は離婚しない。キャリアを捨てて在宅勤務に切り替え、育児の実績を積みながら、探偵の三砂裕と組んで、妻の不倫に気づかないふりをしたまま証拠を集めていく。

元アイドルで、心寧を芸能界にデビューさせることに心血を注ぐ綾香の不倫相手は、心寧がレッスンに通う大手芸能事務所の統括マネージャー・司馬マサト。マサトは渉を挑発し、罠を仕掛けてスキャンダルに引きずり込もうとする。その正体は、顔を変えた渉の高校の同級生だった。彼は渉のすべてを奪おうとしていた。財田にも、ハニートラップで浮気させられ、元夫に子どもを奪われた過去がある。やがて綾香はマサトの子を身ごもる。

最終話、マサトと、渉を裏切ったかに見えた裕が心寧を誘拐する。心寧のいる部屋には、両親が扉を開けた瞬間に作動する罠が仕掛けられていた。待つあいだ、渉と綾香は初めて本音をぶつけ合う。だが裕は二重スパイだった。罠は作動せず、心寧は救われ、マサトは縛り上げられる。警察が来る前に、体の関係を持ちながら「クズ」と罵られてきた部下の千里が、マサトに襲いかかる。裕は、財田が生き別れた実の息子だった。

瀕死のマサトを見つけた渉は、ようやく恨みの理由を尋ねる。高校時代、母の不倫相手を尾行すると、それは渉の父だった。マサトは母に「死んじゃえばいいのに」とメールを送り、母は自ら命を絶ったのだという。知っていれば闇に落ちる前に救えたかもしれない、と渉は泣く。俺たちは友達だったのかな、と問うマサトに、渉はそう思っていたと答え、マサトは息を引き取る。父親が遺骨の引き取りを拒んだため、渉は彼の墓を建てる。パパとママの両方と一緒にいたいという心寧の願いを受けて、渉は離婚届を破り捨てる。岡谷家は、綾香が身ごもっていた男の子・おさむとともに、家族を続けていく。

主な出演

  • 伊藤淳史岡谷渉役

    新聞社のエース記者。妻の不倫を知りながら、娘の親権を得るためにあえて離婚しない。

    岡谷渉の物語

    渉は、妻が男とラブホテルに入るのを目撃し、離婚して娘の親権を取ると決める。だが父親が親権を得られるのは1割ほどだと弁護士に聞き、離婚を踏みとどまる。記者のキャリアを捨てて在宅勤務に切り替え、家事と送り迎えとレッスンの付き添いで養育の実績を積みながら、気づかないふりをして探偵の裕と証拠を集める。マサトの挑発やわなに耐え、娘を誘拐されると、待つあいだに綾香と初めて本音をぶつけ合う。瀕死のマサトを見つけて恨みの理由を尋ね、知っていれば救えたかもしれないと泣き、友達だと思っていたと答える。遺骨の引き取り手のないマサトの墓を建てる。両親と一緒にいたいという心寧の願いに、離婚届を破り捨て、綾香が産んだおさむの子育てにも寄り添う。

  • 篠田麻里子岡谷綾香役

    渉の妻で元アイドル。かつての仲間への嫉妬から娘を芸能界に送り出そうとし、不倫を続ける。

    岡谷綾香の物語

    綾香は、7歳の心寧が通う芸能事務所の統括マネージャー・マサトと関係を続け、家事と育児を担うようになった夫をけなす。やがてマサトの子を身ごもってふたりで喜ぶが、事務所の社長に不倫を知られる。マサトと裕に心寧を誘拐され、渉と待つあいだ、初めて本音をぶつけ合う。その後、渉と心寧のもとを訪ねて不貞を謝り、署名した離婚届を手渡すが、こらえきれずに心寧を抱きしめて泣く。パパとママの両方と一緒にいたいという心寧の言葉に、渉は離婚届を破る。1年後、家族は生まれたおさむを育てながら、穏やかに暮らしている。

  • 小池徹平司馬マサト役

    芸能事務所の統括マネージャーで綾香の不倫相手。実は渉の同級生で、復讐のために生きてきた。

    司馬マサトの物語

    マサトは顔を変えているが、高校時代は渉の同級生だった。父の会社が倒産して両親の仲が冷え、母を尾行すると、相手は渉の父だった。死んじゃえばいいのにとメールを送った翌日、母は自ら命を絶った。やがて渉が新聞社に入り、元アイドルと結婚したと知って、そのすべてを奪うと決める。渉を挑発してわなを仕掛け、綾香に自分の子を宿させ、部下の千里をはじめ周りの女性を道具のように扱う。裕と組んで心寧を誘拐し、扉を開ければ両親の命を奪う仕掛けを施すが、裕は二重スパイだった。縛られたところを千里に襲われ、瀕死の彼は、泣きながら謝る渉にすべてを語る。俺たちは友達だったのかと尋ね、そう思っていたと聞いて息を引き取る。

  • 佐藤大樹三砂裕役

    渉と組んで不倫の証拠を集める探偵。財田とは、仕事を超えた因縁でつながっている。

  • 水野美紀財田トキ子役

    離婚と親権の案件で知られる敏腕弁護士。かつて自分も子どもの親権を奪われた。

  • 磯村アメリ岡谷心寧役

    渉と綾香の7歳の娘。パパとママの両方と一緒にいたいと願っている。

この作品が問いかけるもの

『離婚しない男』は、第1話で弁護士が口にする厳しい一言の上に立つ、親権をめぐるブラックコメディだ。父親が親権を得られるのは1割ほど。その現実が、裏切られた夫のありふれた復讐劇を、家事と送り迎えと忍耐の長い戦いに変え、妻が担ってきた日々の仕事を父親に背負わせる。放送作家を引退した鈴木おさむが、地上波の連続ドラマで最後に脚本を手がけた作品でもあり、ハニートラップ、ドタバタ、誘拐劇と、やりたい放題の過剰さに満ちている。だが笑いの下には、親から子へと受け渡される裏切りの連鎖がある。母の不倫と自死が、ひとりの少年の人生を復讐へとねじ曲げた。結末が選ぶのは、勝ち取った親権ではなく、つぎはぎのまま続いていく家族だ。それが赦しなのか、あきらめなのかは、開かれたまま残る。