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Cinema 月明かりの映画館

わたしの宝物

My Precious

2024ドラマ・シリーズ日本

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

夫の子と偽って、別の男性の子を育てる妻。“托卵”という題材を、ゴールデン帯の連続ドラマで描いた。

神崎美羽は、やりがいのあった仕事を辞めて専業主婦になった。結婚5年目、大手商社に勤める夫の宏樹は、外では人当たりのいい理想の夫だが、家では美羽に暴言を吐き、召使いのように扱う。母の入院費を払ってもらっていることもあって、美羽は離婚に踏み切れない。子どもができれば夫婦は変われるかもしれないと望んでも、宏樹には「暇だから子どもが欲しいのか」と言われる。中学時代に通った図書館で、美羽は幼なじみの冬月稜と再会する。優しい冬月はフェアトレードの会社を営み、アフリカに学校を作るため旅立とうとしていた。ある夜、宏樹は美羽をレイプする。美羽は冬月のもとへ行き、ふたりは一夜をともにする。冬月は、迎えに行くから待っていてと約束する。

やがて美羽は妊娠に気づく。同じ頃、アフリカの自爆テロで冬月が死んだというニュースが流れる。DNA鑑定の結果、父親は冬月だった。美羽は宏樹に「あなたの子よ」と告げ、署名した離婚届とともに鑑定書を燃やす。だが冬月は生きていた。彼を想う仕事仲間の水木莉紗が、亡くなった同僚を冬月だと偽っていたのだ。娘が生まれると宏樹は涙を流して抱き、道しるべの意味を込めて「栞」と名づけ、少しずつ変わっていく。帰国した冬月は図書館で美羽を見つけるが、美羽は今の家庭を大事にしたいと告げる。

かつて夫に不倫された親友の真琴は、冬月の腕の中にいる美羽を見てしまい、ずっと宏樹が好きだったと打ち明けたうえで、栞のことを「女の勘」で告げる。DNA鑑定をした宏樹は、栞とともに死のうとして踏みとどまる。美羽の告白に、宏樹は家を出て行ってくれと言う。美羽の母が亡くなる。相手が冬月だと知った宏樹は、融資を検討していた冬月の会社への出資を見送る。冬月は宏樹に謝罪するが、栞が自分の子だとはまだ知らない。

宏樹は離婚届に署名し、栞との面会も望まないと伝え、実の父と生きる道もあると考えて、動物園で冬月を美羽と栞に引き合わせる。栞を抱いた冬月は、この子は俺の子かと尋ねる。美羽は答える。違うよ、この子はわたしの子。冬月は宏樹に、あなたが栞ちゃんのお父さんだと伝え、アフリカの学校づくりへ向かう。2025年1月7日、離婚届を出しに向かう美羽を宏樹が追いかける。美羽と一緒に栞を育てたい、ふたりのしたことを一緒に背負わせてほしい、と。美羽も、離れたくないと応え、三人は新しい暮らしを始める。

主な出演

  • 松本若菜神崎美羽役

    仕事を辞めて家庭に入った元会社員。夫のモラハラに耐え、別の男性との子を夫の子として育てる。

    神崎美羽の物語

    美羽は夫の宏樹に笑うなと言われ、召使いのように扱われている。中学時代に通った図書館で、冬月と再会する。宏樹にレイプされた夜が明けると、冬月のもとへ向かう。妊娠がわかり、冬月の死が報じられると、母の入院費をひとりでは払えないこともあって、宏樹に「あなたの子よ」と告げ、鑑定書を離婚届とともに燃やす。生きて帰った冬月には家庭を守りたいと告げ、栞を抱いた彼に自分の子かと問われても、違う、この子はわたしの子だと答える。だが宏樹は真実を知って美羽を追い出し、母も亡くなる。ひとりで栞を育てると決めるが、離婚届を出しに行く日、追いかけてきた宏樹とともに生きる道を選ぶ。

  • 田中圭神崎宏樹役

    美羽の夫。外では人当たりがいいが、家では妻に冷たく当たる。自分の子と信じる娘に変えられていく。

    神崎宏樹の物語

    宏樹は家では妻に笑うなと言い放ち、召使いのように扱う。その陰で、会社では上司に詰められ、部下に陰口をたたかれ、パニック発作で出勤もままならない。ある夜、美羽をレイプする。話を聞いてくれる喫茶店の浅岡には、カミさんのことが好きなんだろうと見抜かれる。娘が生まれると抱いて涙を流し、道しるべの意味を込めて栞と名づけ、栞の父親にしてほしいと頼む。真琴の言葉から親子鑑定をし、栞とともに命を絶とうとして、娘の泣き声で思いとどまる。美羽を追い出し、冬月の会社への融資を見送ったのちに改めて申し出て、冬月を美羽と栞に引き合わせる。離婚届を出しに行く美羽を追いかけ、ふたりのしたことを一緒に背負わせてほしいと告げる。

  • 深澤辰哉冬月稜役

    美羽の幼なじみで、フェアトレード会社の経営者。一夜をともにしたあと、アフリカで死んだと報じられる。

    冬月稜の物語

    冬月は、アフリカに学校を作るため旅立とうとしている。中学時代に通った図書館で美羽と再会し、初恋の相手だったと打ち明ける。宏樹にレイプされた翌朝、現れた美羽に、彼女が昔なくした刺繍の栞を返し、ふたりは結ばれる。迎えに行くから待っていてと約束するが、テロに巻き込まれ、彼を想う莉紗が亡くなった同僚を冬月だと偽ったため、死んだと報じられる。帰国すると、家庭を守りたいという美羽の言葉を受け入れて身を引き、嘘を打ち明けた莉紗を許す。融資を打ち切られると宏樹に頭を下げ、美羽を救ったのはあなただと告げる。動物園で栞を抱いて自分の子かと尋ね、違うと言われて受け入れる。宏樹に、あなたが栞ちゃんのお父さんだと伝え、アフリカの学校づくりに向かう。

  • さとうほなみ水木莉紗役

    冬月の事業パートナー。彼を想うあまり、冬月が死んだという誤報を流す。

  • 恒松祐里小森真琴役

    美羽の親友でシングルマザー。夫に不倫された過去から不倫を憎み、疑いを宏樹に告げる。

  • 北村一輝浅岡忠行役

    喫茶店のマスター。宏樹の話に耳を傾け、父親になることを真剣に考えるよう促す。

この作品が問いかけるもの

『わたしの宝物』の主題は「托卵」だ。ほかの鳥の巣に卵を産むカッコウの習性から来た言葉で、夫以外の男性との子を夫の子として育てることを指す。作品は、その嘘を正当化しない。嘘を許すために夫を悪人に仕立てることもしない。宏樹の侮蔑も、不倫の前の強いられた夜も、血のつながらない娘への愛も、すべて本物として描かれる。親をつくるのは血か、日々の世話か。結婚はどこまで真実を抱えられるのか。そしてメロドラマの下には、もっと硬い事実がある。美羽が見下す夫のもとを去れなかったのは、母の入院費を自分では払えなかったからだ。見逃し配信は同じ時期の番組で最も多い3,458万回を記録した。真実をふたりで背負うと決める結末は、ご褒美ではなく、ひとつの決断として響く。