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Cinema 月明かりの映画館

カップル崩壊

Decoupled

2021ドラマ・シリーズインド

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

人間嫌いの作家と妻がグルガオンで円満離婚を計画し、円満になれずにいる。

アーリヤ・アイヤーは、インドで二番目に売れている小説家だ。一番はチェータン・バガットで、本人が本人役で登場する。大衆小説の書き手であるアーリヤは、会う人のほぼ全員を軽蔑し、しかもそれを口に出さずにいられない。妻のシュルティは会社勤めを辞めて新興企業を立ち上げ、韓国人投資家のリーを口説き落とそうとしている。グルガオンの高級住宅地に暮らすふたりは離婚に合意しているが、十二歳の娘ローヒニーのために、寝室を分けたまま同じ家で暮らし続けている。

三十分ほどの全八話で、別れの段取りはアーリヤの口の悪さと何度もぶつかる。空港で準軍事組織の隊員を侮辱して搭乗禁止リストに載り、その動画は拡散する。ネットフリックスに番組の企画を売り込み、書店では自分の本がバガットの本より上に来るよう棚を並べ替え、パーティーでは夫婦カウンセラーを笑いものにする。そのたびに恥をかくシュルティには、アーリヤを嫌う経済学者のバス博士が言い寄り、彼女はリーとの駆け引きを楽しむ。ふたりは互いに恋人を作ってもいいと取り決める。アーリヤは、客室乗務員をからかったことがきっかけで知り合ったマーシャと関係を持つが、ふたりとも、それを相手に話せないことに妙な後ろめたさを覚える。シュルティのパンジャーブ人の両親が突然やって来る。どちらがローヒニーに離婚を告げるかで揉めた末、パーティーの帰り道にアーリヤが娘に話す。

アーリヤは、離婚を披露するパーティーを開こうと言い出す。最終話、家族や友人がゴアのリゾートに集まり、ふたりは別れに「誓います」と答え、焚き火越しに結婚指輪を投げ合う。運転手は、昔のふたりが後部座席でずっと話し続けていたこと、その会話が次第に短くなり、やがて途絶えたことを思い出す。アーリヤはリゾートでマーシャと再会し、非礼を詫びて一夜をともにする。シュルティが会えると思っていたリーはビデオ通話でしか現れず、代わりにロンドンでの仕事を持ちかける。彼女はその申し出を受けることにする。動揺するローヒニーは、アーリヤの友人の言葉で、両親を巨人ではなくひとりの人間として見られるようになる。書類の上ではまだ夫婦のふたりは、それでもどこかで相棒のままだ。ところがバガットの口から、アーリヤは知らされていなかった話を聞かされる。シュルティはローヒニーを連れてロンドンへ移るというのだ。呆然と彼女を見つめるアーリヤの姿で、シリーズは終わる。

主な出演

  • R・マーダヴァンアーリヤ・アイヤー役

    思ったことを誰にでも口にしてしまう売れっ子の大衆小説家。妻と同居したまま離婚の段取りを進める。

    アーリヤ・アイヤーの物語

    インドで二番目に売れている小説家アーリヤは、書店の棚を並べ替えて自分の本をチェータン・バガットの本より上に置く。空港で準軍事組織の隊員を侮辱して搭乗禁止リストに載り、その動画を真っ先に広めたのはバガットだった。恋人を作ってもいいとシュルティと決めると、マーシャに言い寄るが、体の見返りに首飾りを差し出して部屋を追い出される。娘に離婚を告げるのも、それを披露するパーティーを言い出すのも彼だ。ゴアで別れに「誓います」と答え、焚き火越しに指輪を投げ、マーシャに非礼を詫びて一夜をともにする。家に戻ると、ビデオ通話のバガットが口を滑らせる。シュルティはロンドンでの仕事を受け、ローヒニーを連れていくのだと。アーリヤは呆然と妻を見つめる。

  • サルヴィーン・チャウラシュルティ役

    アーリヤの妻で、韓国人投資家を追う冷静な起業家。夫に恥をかかされ続けることに疲れている。

    シュルティの物語

    シュルティとアーリヤは離婚に合意したまま、ローヒニーのために同じ家で暮らしている。交際ステータスを書き換えたのは彼女のほうだ。動画の削除を夫に拒まれると、文学祭で仕返しをし、夫は殴られて壇上から追われる。互いに恋人を作ってもいいと決め、出資を求めていた韓国人投資家のリーとは気が合うが、彼の誘いは断る。近所のパーティーでは、いつも夜を台無しにすると人前で夫をなじる。ゴアでリーの部屋を訪ねると、彼はビデオ通話の画面にいて、ロンドンの新しいファンドを率いてほしいと持ちかける。彼女は受けると決め、ローヒニーも連れていくつもりだが、夫には告げない。シリーズは、それをバガットから聞いた夫が呆然と彼女を見つめるところで終わる。

  • アリスタ・メータローヒニー役

    ふたりの十二歳の娘。型破りな父と仲がよく、両親は彼女のために同じ家で暮らし続ける。

  • ミール・アフサル・アリーバス博士役

    リベラルな言説にあふれた経済学者。シュルティに言い寄り、アーリヤとは反りが合わない。

  • ソニア・ラーティーマーシャ役

    アーリヤが客室乗務員に失礼な態度を取った場で出会い、関係を持つようになる女性。

この作品が問いかけるもの

本作は、劇的なことが何も起きなかった結婚の終わりを描く喜劇だ。始まりに不倫があったわけでも、暴力が終わらせたわけでもない。あるのは長いすれ違いだけで、その深さは運転手が後部座席の沈黙で測れるほどだ。見どころは、苦しんで迎える離婚ではなく、設計される離婚という発想にある。子どものために同じ家で交渉し、最後はパーティーで祝う。その周りで、マヌ・ジョセフの脚本は、無礼そのものが笑いどころの主人公を通して、英語を話すインドの富裕層の作法を皮肉る。批評は割れ、女性の体やトランスジェンダーの人々、家事労働者をめぐる冗談を、風刺ではなく粗野だとする評も少なくなかった。一方で主演のふたりは広く称賛された。残る問いは笑いよりも穏やかだ。結婚をやめても、互いの味方でいることはできるのか。