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Cinema 月明かりの映画館

リコカツ

Rikokatsu

2021ドラマ・シリーズ日本

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

結婚してすぐ離婚活動を始める夫婦。“リコカツ”をロマンスとして描く。

ファッション誌の編集者・水口咲は、山で遭難しかけたところを、航空自衛隊航空救難団のエース隊員・緒原紘一に救われる。紘一は初めてのデートでプロポーズし、咲はそれを受ける。だが新婚生活はすぐにつまずく。紘一は朝四時に起きて家訓を読み上げ、休日もいつも同じ服。咲の焼いた魚は生焼けで、「外見は超一流」という紘一の言葉は、見た目で選ばれたのだと咲を落胆させる。やがてふたりとも離婚を口にし、周囲には隠したまま、離婚に向けた活動「リコカツ」を始める。

隠し通すのが難しいのは、親たちまで別れようとしているからだ。紘一の母・薫は、亭主関白の夫に結婚指輪と離婚届を残して家を出て、箱根の旅館で住み込みの仲居として働き始める。咲の母・美土里は、夫が浮気を認めたことを許せず、娘夫婦の新居に転がり込む。咲の元恋人で弁護士の青山貴也は美土里の離婚相談に乗り、わがままな恋愛小説家の水無月連は、咲の担当作家となって彼女に惹かれていく。紘一の救難隊の後輩・一ノ瀬純は、紘一を慕うあまり咲に嫌がらせをする。

やり直そうとしたふたりだが、長い通勤のせいで遅刻した紘一の代わりに任務に出た後輩がけがをしたことから、紘一は咲に、仕事を辞めて家庭に入ってほしいと言う。咲にはそれができず、シリーズの半ばでふたりは離婚する。まわりの夫婦も次々に離婚していく。ほかの誰かと付き合うふりをしながら離れきれずにいたふたりは、初めてデートをした場所で、まだ好きだと伝え合う。家族もそれぞれの形に落ち着いていく。財産をだまし取られ、乳がんを隠していた美土里は、生きていてほしいと泣く夫の言葉で治療を決める。頭を下げた紘一の父に、薫は、元の夫婦には戻れないが、違う形で思い出を作ろうと応える。

最終回、咲に三年間のパリ研修の話が来る。紘一は退職してついて行こうとし、咲は行かないと言う。本当はどうしたいのかと尋ねる紘一に、咲は研修も受けたいし、そばにもいたいと答え、紘一は待てると背中を押す。もう一度あなたの妻になりたい、と咲が言い、もう一度君の夫になりたい、と紘一が返す。ルールを決め、ビデオ通話で日々をつないだ三年のあと、帰国の日。帰れなくなったと電話をかけた咲は、そのまま玄関から現れる。ふたりは指輪を交換し、咲のほうから口づけをする。

主な出演

  • 北川景子水口咲役

    ファッション誌の編集者。遭難から救ってくれた男と交際ゼロ日で結婚し、すぐに離婚を考え始める。

    水口咲の物語

    咲は、五年付き合った貴也に結婚は考えられないと言われ、怒りにまかせて登った山で滑落し、救助に来た紘一と出会う。プロポーズを受けて結婚するが、家訓、いつも同じ服、そして「外見は超一流」という言葉に、幼いころから顔のことばかり言われてきた彼女は落胆する。仕事を辞めて家庭に入ってほしいと紘一に言われて応じられず、離婚届に判を押す。貴也とやり直すと紘一に嘘をつきながら、貴也本人にはその言葉が言えない。初めてデートした場所で、あなたが好きと打ち明ける。三年間のパリ研修の話が来ると、行かないと言い張るが、待てるという紘一の言葉に送り出される。三年後、帰れなくなったと電話をかけた彼女は、そのまま玄関に現れ、彼に口づけする。

  • 永山瑛太緒原紘一役

    航空救難団のエース隊員。昔気質で、初デートでプロポーズし、妻との暮らしにとまどう。

    緒原紘一の物語

    航空救難団の紘一は、遭難した咲を救ったとき、この人を守るためにこの仕事に就いたのだと感じる。結婚するとすぐ、四時起きと家訓の暮らしにふたりはぶつかり、彼も離婚を口にする。亭主関白の父のもとを母が去ると、妻だけが我慢するのはおかしいと父に言い、その言葉に自分の過ちも見る。やり直すと決めたあと、長い通勤で遅刻した日に代わりに出た後輩がけがをし、咲に仕事を辞めてほしいと頼む。断られると、離婚届を出す。一ノ瀬と付き合うと嘘をつくが、初デートの場所で、どうしようもなく君が好きだと叫び、変わると誓う。パリ研修の話を知ると退職届を書いてついて行こうとし、やがて三年待つと約束する。三年後、帰国の日に玄関に現れた咲を抱きしめる。

  • 高橋光臣青山貴也役

    咲が結婚前に五年付き合った元恋人で弁護士。いまも咲に未練を残している。

  • 白洲迅水無月連役

    咲が担当する、身勝手な恋愛小説家。やがて咲に惹かれていく。

  • 田辺桃子一ノ瀬純役

    紘一の救難隊の後輩。紘一を慕い、咲に嫌がらせをする。

  • 三石琴乃水口美土里役

    咲の母で、エッセイが人気のモデル。浮気を認めた夫との離婚を決める。

この作品が問いかけるもの

『リコカツ』という題名は、婚活のように人生の節目を「活動」と呼ぶ習慣を裏返している。交際ゼロ日で結婚したふたりが、ほとんど間を置かずに「離婚活動」を始めるのだ。喜劇の下にあるのは、結婚とは何のためのものかという問いである。妻に尽くされるのを当然と思う紘一の父。家を出て、自分の仕事を見つける母。優しいつもりの紘一も、自分の通勤のために妻に仕事を辞めてほしいと言ってしまう。ドラマは三世代の夫婦が別れ、形を変えていくさまを描き、受け継ぐのではなく、ふたりが選び直す結婚に行き着く。民放の公式配信サービスで、番組別再生回数の歴代一位を記録したことも、この物語が多くの人に届いたことを示している。残るのは穏やかな問いだ。一緒に暮らすことの何もかもがうまくいかないふたりが、それでも互いにふさわしい相手でありうるのか。