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Cinema 月明かりの映画館

ある告発の解剖

Anatomy of a Scandal

2022ドラマ・シリーズイギリス

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

大臣の不倫がレイプ裁判に発展。妻が“何と結婚したか”を知っていく過程こそが本当の裁判。

ソフィー・ホワイトハウスは恵まれた日々を送っている。二人の子どもと、保守党の下院議員で政府の閣僚、オックスフォード時代からのトム・サザン首相の親友でもある夫ジェームズ。ある夜ジェームズは、若い補佐官オリヴィア・リットンと五か月不倫していたこと、それがまもなく報じられることを打ち明ける。大学時代から連れ添ってきた夫を、ソフィーは許す。だがそこへ警察が来る。オリヴィアが、エレベーターの中でジェームズに強姦されたと訴えたのだ。

ジェームズは起訴される。ソフィーは友人たちから締め出され、夫の出世のために自分が手放してきたものを数えはじめる。法廷では検察側のケイト・ウッドクロフト勅選弁護士がオリヴィアを尋問する。彼を愛していた、エレベーターでのことは強姦だった、と彼女は語り、ジェームズは同意があったと主張する。やがて別の訴えが浮上する。オックスフォード時代、ジェームズが同級生のホリー・ベリーに性的暴行を加えたというのだ。ホリーはソフィーの一年目の個別指導の相手だった。回想は大学時代へさかのぼる。あるパーティーで友人アレック・フィッシャーが、トムの渡したヘロインを使ったあと屋根から転落死し、ジェームズはトムとともにそれを隠した。党内で足もとを揺さぶられたトムがジェームズを切り捨てようとすると、ジェームズはその借りを思い出させる。

ケイトこそ、名を変えて生きてきたホリー・ベリーだった。回想は、大学最後の週にジェームズが彼女を強姦したことを明かす。証言台のジェームズは彼女に気づいたらしく、尋問に答えながら、彼女にしかわからない言葉で否定し、やがて激高する。ソフィーもケイトの正体に気づき、ひそかに会いに行く。家ではジェームズが、アレックが死んだ夜、ホリーだったかもしれない女性と関係を持ったと認める。

陪審は無罪の評決を下す。そのあとジェームズは、法廷で否定したオリヴィアへの侮辱的な呼び名を実は口にしていたと漏らし、ソフィーは自分が何と暮らしてきたのかを悟って家を出る。最後に会ったケイトは、ジェームズに強姦されたとはっきり告げ、ソフィーは、アレックの死の真相を報道機関に渡したと明かす。トムは首相の座を追われ、ジェームズは逮捕される。ソフィーは子どもたちと田舎で新しい暮らしを始め、ケイトは検察側の弁護士として働き続ける。

主な出演

  • シエナ・ミラーソフィー・ホワイトハウス役

    政治家の妻。裁判のあいだ夫の側に立ちながら、自分が誰と結婚したのかを少しずつ見てしまう。

    ソフィー・ホワイトハウスの物語

    ソフィーの暮らしはジェームズを中心に回っている。家も、子どもたちも、夫の出世のために手放した自分の道も。夫が補佐官オリヴィアとの不倫を打ち明けると迷わず許し、オリヴィアが強姦を訴えると、夫の裁判に通う。友人たちから締め出され、オックスフォードで個別指導の相手だったホリー・ベリーもまた夫を訴えていると知る。夫がホリーを覚えていないことに揺さぶられる。メモの取り方から検察側のケイトこそホリーだと気づき、ひそかに会いに行く。無罪の評決のあと、法廷で否定した侮辱の言葉を夫がうっかり口にし、ソフィーは家を出る。アレックの死の真相を報道機関に渡し、トムは辞任し、ジェームズは逮捕される。彼女は子どもたちと田舎で暮らしはじめる。

  • ミシェル・ドッカリーケイト・ウッドクロフト役

    ジェームズを訴追する法廷弁護士。かつての名前で生きていたオックスフォード時代、彼に強姦されたことを隠している。

    ケイト・ウッドクロフトの物語

    ケイトはジェームズを裁く法廷で、オリヴィアの証言を丁寧に引き出す。だがオリヴィアの友人が証言台に立つと調子を崩し、そのあとパニック発作に襲われる。回想が理由を明かす。ホリー・ベリーという名だったオックスフォード時代、大学最後の週に、彼女はジェームズに強姦された。彼女は母に電話をかけ、昔の名前を名乗る。反対尋問では、ジェームズが自分に気づき、自分にしかわからない言葉であの夜を否定するのを見届け、彼が激高するまで問い詰める。会いに来たソフィーには、知らない人だと言い張る。陪審は無罪を下す。最後に会ったソフィーには、彼に強姦されたとはっきり告げ、アレックの死の真相を報道機関に渡したと聞き、検察の仕事を続けていく。

  • ルパート・フレンドジェームズ・ホワイトハウス役

    魅力的な保守党の閣僚で、首相の親友。補佐官を強姦した罪で裁かれる。

    ジェームズ・ホワイトハウスの物語

    ジェームズは、補佐官オリヴィアとの不倫が報じられる前に、自分からソフィーに打ち明ける。ところがエレベーターで彼女を強姦したとして起訴され、同意があったと主張する。回想の中のオックスフォード時代、彼は友人アレックが死んだ夜にトム・サザンの隠蔽に手を貸し、大学最後の週にはホリー・ベリーを強姦している。トムが彼を切り捨てようとすると、その借りを思い出させる。証言台ではオリヴィアと愛し合っていたと語り、検察側の弁護士がホリーだと気づき、彼女にしかわからない言葉で強姦を否定し、激高する。無罪の評決のあと、法廷で否定した侮辱の言葉を実は口にしていたと妻に漏らし、ソフィーは家を出る。彼女がアレックの死の真相を報道機関に渡すと、彼は逮捕される。

  • ナオミ・スコットオリヴィア・リットン役

    ジェームズと不倫関係にあった若い議会調査員。彼に強姦されたと訴える。

  • ジョゼッテ・シモンアンジェラ・リーガン役

    ジェームズの弁護人。反対尋問でオリヴィアの証言を切り崩していく。

この作品が問いかけるもの

『ある告発の解剖』は、強姦裁判に明らかにできることと、できないことを描く。陪審が判断するのは、エレベーターでオリヴィアが同意していたかどうか。だが回想は法廷に届かない事実を見せ、無罪評決は法的事実であると同時に道徳的な敗北として響く。より鋭い主題は特権だ。オックスフォードの同じ仲間から出たふたりの男、そのひとりは今や首相で、ふたりは友人が死んだパーティーの夜から互いをかばい合ってきた。ソフィーの物語は、恵まれた結婚がその庇護の上に築かれていたと知っていく過程であり、最後の行動は証言ではなく暴露だ。ケイトは、黙って抱えてきた被害を検察の仕事に持ち込んだ人だ。配信二週目に英語シリーズの世界1位となり、批評は割れた。残るのは、そうした男たちの最も近くにいる人が何を知っていて、動くことに何を払うのか、という問いだ。