ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾートホテル
The White Lotus
ストーリー
結末まで書いています。
富裕層の客と、シーズンごとに変わるリゾートと従業員。どのシーズンもひとつの死で幕を開け、そこに至る一週間をたどる。
毎シーズン、物語は別々のホワイト・ロータスのリゾートで過ごす一週間を描く。舞台は裕福な客たちと、彼らを喜ばせるために雇われた従業員たちだ。どのシーズンもひとつの死から始まり、そこへ向かってさかのぼっていく。
ハワイでは、依存症から立ち直って五年になる支配人アーモンドが、予約した新婚用スイートではなかったことに激怒する金持ちの青年シェーンと争いはじめる。シェーンの新妻でジャーナリストのレイチェルは、自分が飾り物の妻になったのではと恐れはじめる。テック企業の幹部ニコールは家族と休暇に来ていて、娘の友人ポーラは、関係を持ったホテル従業員カイをそそのかして一家の宝飾品を盗ませるが、彼は捕まる。母の遺灰をまきに来た裕福で孤独なタニア・マックワッドは、スパの責任者ベリンダに事業資金を出すと約束しながら、出会ったばかりのグレッグを選び、代わりに現金を渡す。再び薬物に手を出して解雇されたアーモンドは、最後の夜にシェーンの部屋に忍び込み、侵入者と思ったシェーンに殺される。レイチェルはシェーンのもとにとどまる。
シチリアでは、グレッグと結婚したタニアが、先に帰国した夫の浮気を疑う。英国人のクエンティンとその仲間たちに取り込まれたタニアは、クエンティンとグレッグを結ぶ一枚の写真に遅すぎて気づく。財産目当てに殺されると確信した彼女は、クエンティンのヨットで三人の男を殺し、小舟に乗り移ろうとして足を滑らせ、頭を打って溺れる。その周りでは、二組の夫婦が互いの貞節を試し、ディ・グラッソ家の三代の男たちが幻想を追い、地元の娼婦ルチアは彼らから五万ユーロをせしめ、友人ミアと笑いながら去っていく。
タイでは、研修で訪れたベリンダが、タニアの死のあと取り調べから逃げ、今は「ゲイリー」と名乗るグレッグに気づく。息子が口止め料として五百万ドルを引き出し、彼女は去る。不正の発覚を目前にした投資家ティモシー・ラトリフは、家族を道連れに自ら命を絶とうとして、最後の瞬間に踏みとどまる。息子のサクソンとロックランは、若い女性クロエと過ごした薬物に酔った夜、兄弟で越えてはならない一線を越え、それを忘れたいと願う。三人の古い友人は仲たがいし、仲直りする。父の死をめぐってリゾートのオーナーの夫ジムと対決しに来たリックは、ジムを殺したあとで、ジムこそ自分の父だったと知る。続く争いで恋人チェルシーは命を落とし、オーナーの命令を受けた心優しい警備員ガイトクがリックを殺す。
主な出演
ジェニファー・クーリッジタニア・マックワッド役
最初の二つのシーズンに登場する、裕福で孤独な客。母を亡くし、のちに夫を恐れるようになる。
タニア・マックワッドの物語
タニアは母の遺灰をまくためにマウイを訪れる。スパの責任者ベリンダを気に入り、彼女自身の事業に資金を出すと持ちかけるが、同じ宿の客グレッグに誘われると、ベリンダとの食事を取り消して彼を選ぶ。最後の日には、お金で結ばれた関係に頼るのはもうやめたいと言って、事業の代わりに現金をベリンダに渡す。シチリアではグレッグの妻になっているが、夫は先に帰国してしまい、タロット占いは夫がほかの誰かを愛していると告げる。クエンティンとその仲間たちに取り込まれ、若き日のクエンティンとグレッグに似た男が並ぶ写真に、遅すぎて気づく。財産目当てに殺されると確信した彼女は、クエンティンのヨットで三人の男を殺し、小舟に乗り移ろうとして足を滑らせ、頭を打って溺れる。
ナターシャ・ロスウェルベリンダ役
第1シーズンで客から事業の支援を約束されるハワイのスパ責任者。第3シーズンに研修でタイを訪れる。
ベリンダの物語
ベリンダはマウイのリゾートでスパを任されている。客のタニアに事業への出資を持ちかけられ、期待して計画書を書くが、タニアはグレッグを選んで食事の約束を取り消し、最後に事業の代わりに現金を渡して去る。ベリンダは計画書を捨てる。数年後、研修でタイのリゾートを訪れた彼女は、学びに来たウェルネス部門の責任者と心を通わせる。ゲイリーと名乗るグレッグに気づき、タニアの死のあと彼が取り調べから逃げたことを突き止めるが、ホテルは警察を呼ぼうとしない。その男と一夜をともにし、一緒にスパを開こうと誘われる。口止め料に十万ドルを差し出すグレッグから、息子が五百万ドルを引き出す。その金を手に、残ってほしいと願った男を置いて、彼女はタイを去る。
マレー・バートレットアーモンド役
ハワイのリゾートの支配人で、依存症から回復途上の男。ある客との確執が、断酒と命を終わらせる。
アーモンドの物語
アーモンドは愛想と五年の断酒でマウイのリゾートを切り盛りしている。客のシェーン・パットンは部屋の予約の手違いにこだわり続け、苦情のたびにアーモンドの軽蔑は深まる。タニアが母の遺灰をまくために借りた船に、新婚のふたりを送り出したりもする。客の忘れた鞄から薬物が出てくると手元に置き、再び手を出してしまう。若い従業員と薬物を使い、支配人室で関係を持っているところへ、シェーンが踏み込んでくる。シェーンの苦情がもとで、ついに解雇される。最後の勤務を客の薬物に酔って過ごし、その夜、腹いせにシェーンのスーツケースに用を足そうと部屋に忍び込む。戻ってきたシェーンは彼を侵入者と思い込んで殺してしまい、遺体は客たちの帰りの便に積み込まれる。
オーブリー・プラザハーパー・スピラー役
夫と、信用できない別の夫婦とシチリアを訪れた雇用専門の弁護士。夫婦の絆が試される。
ウォルトン・ゴギンズリック役
ずっと年下の恋人とタイに来た、影のある男。父の死の責任があると信じる男と対決するため、ひそかにやって来た。
リックの物語
リックはリゾートに着くなりチェルシーをひとりバーに残し、オーナーの夫ジム・ホリンジャーの居場所ばかり気にしている。酔ってヘビのショーのヘビを逃がし、チェルシーがかまれる。父を殺したのはジムだと信じ、対決しに来たのだと、彼は恋人に打ち明ける。バンコクの友人から銃を手に入れ、映画の製作者を装ってオーナーの屋敷に入り込み、ジムと向き合うが、手を下さずに引き下がる。リゾートに戻ると、ジムがやって来て母親を侮辱する。カウンセラーとの面談を頼んでもかなわず、リックはジムを殺す。ジムこそあなたの父親だったのだと、オーナーは告げる。続く争いでチェルシーは命を落とし、オーナーの命令を受けた心優しい警備員ガイトクが、リックを殺す。
ジェイソン・アイザックスティモシー・ラトリフ役
家族と休暇に来たノースカロライナの投資家。資金洗浄のスキャンダルが迫りつつある。
この作品が問いかけるもの
『ホワイト・ロータス』は、お金と奉仕をめぐる喜劇であり、富裕層が自分たちに仕える人々をどれほど見ていないかを描く作品だ。マイク・ホワイトは毎回、楽園を売るリゾートを舞台に、階級や性や切迫した事情をにじみ出させる。客の特権意識に壊される支配人、未来を約束されながら現金だけを渡されるスパの従業員、三代の男たちを出し抜く娼婦、家族を貧しくするくらいなら死なせようとする投資家。この作品の欲望はほとんどいつも権力と絡み合い、その代償を払うのは客よりも従業員であることが多い。エミー賞ではリミテッド/アンソロジー・シリーズ作品賞を含む16部門を受賞し、第3シーズンが最も多く視聴された。残るのは苦い冗談だ。客の多くは来たときとほとんど変わらずに帰っていき、傷はそこで働く人々のもとに残される。