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Cinema 月明かりの映画館

第三夫人と髪飾り

The Third Wife

2018映画ベトナム

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

19世紀ベトナム、14歳の少女が地主の第三夫人に。ベトナム国内では公開4日で上映中止。

十九世紀の北ベトナム。14歳のメイは赤い花嫁衣装を着て、小舟で川をさかのぼってくる。絹の里を治める大地主ハンの、三番目の妻になるためだ。ハンは彼女の父親ほどの年齢の男だった。初夜、彼はメイと関係を持つ。子どもへの性的虐待が、大人たちの手で慣習として整えられていたのだ。家の序列はすぐにわかる。穏やかで優雅な第一夫人ハは、ただひとりの跡取り息子ソンを産み、家を取り仕切っている。三人の娘しかいない第二夫人スアンの立場は弱い。妻の地位を守るのは男の子を産むことだけで、メイは自分がそのために連れてこられたのだと悟る。年上の妻たちは彼女にやさしい。

メイは身ごもり、男の子であるよう祈る。そしてスアンが、夫の成人した息子ソンとひそかに関係を持っていることを知る。ハもふたたび身ごもるが、流産してしまう。自分の子こそが男であるよう祈っていたメイは、自分のせいだと思い込む。慰めてくれたのはスアンだった。スアンに惹かれたメイは彼女に口づけるが、スアンは、あなたを娘のように愛しているのだと、やさしく身を引く。メイが産んだのは女の子だった。

ソンは、メイと同じ年ごろの少女と結婚させられる。スアンを愛するソンは、結婚するくらいなら自ら命を絶つとまで言い、式のあとも花嫁に触れようとしない。父は結婚を取り消そうとするが、少女の家は娘を引き取らない。恥辱を負わされた少女は、自ら命を絶つ。

川辺でメイは、幼い娘を抱きながら、この子の命を絶つことを考える。映画の最後、いつか男になってたくさんの妻を持ちたいと言っていたスアンの娘が、長い髪を切り落とす。

主な出演

  • グエン・フオン・チャー・ミーメイ役

    大地主の三番目の妻として嫁がされた14歳の少女。男の子を産むことだけが、彼女の立場を守る。

    メイの物語

    メイは14歳で、父親ほどの年の大地主ハンの三番目の妻として、小舟で川をさかのぼってくる。家じゅうが婚礼の夜として整えたものは、子どもへの性的虐待だった。妻の立場を守るのは男の子を産むことだけだと、彼女はすぐに学び、身ごもると祖先の祭壇の前で男の子を祈る。第二夫人スアンが夫の成人した息子とひそかに通じていることを知り、第一夫人ハが流産すると、自分の祈りのせいだと思い込む。慰めてくれたのはスアンだった。惹かれて口づけしたメイを、スアンはやさしく退ける。メイが産んだのは女の子だった。同じ年ごろの花嫁がソンに拒まれて自ら命を絶ったあと、メイは赤ん坊を抱いてひとり座り、この子の命を絶つことを考える。彼女がどうしたのか、映画は語らない。

  • トラン・ヌー・イェン・ケーハ役

    一家のただひとりの跡取り息子を産んだ第一夫人。家を取り仕切り、ふたたび子を身ごもる。

  • マイ・トゥー・フオンスアン役

    三人の娘の母である第二夫人。メイを気づかい、ひそかに夫の息子と関係を持っている。

  • レ・ヴー・ロンハン役

    絹の里を治める大地主。もうひとりの息子を望み、14歳の少女を三番目の妻に迎える。

  • グエン・タイン・タムソン役

    大地主と第一夫人の息子。スアンを愛し、親の決めた花嫁を拒む。

この作品が問いかけるもの

『第三夫人と髪飾り』は、娘の価値が男の子を産めるかどうかで決まる仕組みを描き、その内側にいる全員が払う代償を数えていく。幼い花嫁、夫の寵愛を静かに競う年上の妻たち、望む相手を愛することを禁じられた息子、そして結婚が破綻したために死ぬもうひとりの少女。アッシュ・メイフェア監督は、14歳で嫁いだ自身の曾祖母の体験をもとにこの物語を書いた。トロント、サン・セバスティアン、シカゴの映画祭で賞を受けた一方、ベトナムでは2019年5月の公開から4日で上映が打ち切られた。撮影時13歳だった主演俳優に性的な場面を演じさせたという批判が起き、製作側は彼女と家族へのネット上の中傷を理由に挙げた。未承認版を上映したとして罰金も科されている。映画は髪を切る少女の姿で終わる。小さな拒絶であり、この映画が思い描ける唯一の自由だ。