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Cinema 月明かりの映画館

天安門、恋人たち

Summer Palace

2006映画中国

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

1989年の学生運動を背景にした女子学生の性的目覚め。ロウ・イエは5年間の映画製作禁止処分を受けた。

1987年、北朝鮮との国境の町、図們に暮らすユー・ホンのもとに、北京の北清大学から合格通知が届く。故郷の恋人シャオ・ジュンを残して、彼女はひとり大学生活を始める。狭い寮で孤独を抱えるユー・ホンに声をかけたのはリー・ティだった。リー・ティの恋人ロー・グーを通じて、ユー・ホンはその友人チョウ・ウェイと出会う。ふたりは激しく、不安定な恋に落ちる。嫉妬に揺れるユー・ホンに苛立ったチョウ・ウェイは、リー・ティと関係を持つ。

1989年、学生たちは天安門広場のデモに加わる。軍による鎮圧のあと、迎えに来たシャオ・ジュンとともに、ユー・ホンは大学を去る。チョウ・ウェイは、リー・ティとロー・グーのいるベルリンへ渡る。

冷戦の終わり、香港の返還。ニュース映像が時の流れを刻んでいく。ユー・ホンは深圳へ、さらに武漢へと移り住む。チョウ・ウェイを忘れられず、妻のいる男とも、無口でやさしい郵便係の青年とも、心の通わない関係を重ねる。妊娠に気づくと中絶し、重慶に移って結婚する。ベルリンでは、リー・ティとチョウ・ウェイがいまもときおり体を重ねているが、彼が自分を愛していないことを彼女は知っている。チョウ・ウェイが中国へ帰ると決めたとき、リー・ティは自ら命を絶つ。

帰国したチョウ・ウェイは、かつての同級生からユー・ホンの連絡先を聞く。別れてから10年以上がたって、ふたりは海辺の保養地、北戴河で再会する。抱き合いながら、これからどうするの、と互いに問う。飲み物を買ってくると言って、ユー・ホンは出ていく。ふたりが一緒になることはもうないと悟ったチョウ・ウェイも、その場を去る。

主な出演

  • ハオ・レイユー・ホン役

    国境の町から北京の大学へ来た学生。もっと激しく生きたいと願い、初恋を忘れられない。

    ユー・ホンの物語

    ユー・ホンは恋人シャオ・ジュンを図們に残して、北京の大学へやって来る。寮で孤独を抱える彼女はリー・ティと親しくなり、その縁でチョウ・ウェイと出会う。ふたりは頤和園の湖に舟を浮かべ、激しく不安定な恋に落ちる。嫉妬に揺れる彼女に苛立った彼は、リー・ティと関係を持つ。1989年の鎮圧のあと、彼女は迎えに来たシャオ・ジュンとともに大学を去る。それからの十年、図們から深圳へ、武漢へと移り住み、妻のいる男とも、無口でやさしい郵便係の青年とも関係を重ね、妊娠すると中絶し、重慶に移って結婚する。別れて10年以上がたって、北戴河でチョウ・ウェイと再会する。これからどうするの、と互いに問い、飲み物を買ってくると言って出ていった彼女は、戻らない。

  • グオ・シャオドンチョウ・ウェイ役

    同じ大学の学生。ユー・ホンを深く愛しながら裏切り、1989年のあとベルリンへ渡る。

    チョウ・ウェイの物語

    チョウ・ウェイは友人ロー・グーの引き合わせでユー・ホンと出会ってすぐに恋に落ち、ふたりで頤和園の湖に舟を浮かべる。だが彼女の嫉妬に苛立ち、その友人リー・ティと関係を持ち、寮でふたりでいるところを大学に見つかる。1989年の鎮圧のあと、ユー・ホンを探し回るが、彼女はすでに去っていた。ベルリンではリー・ティやロー・グーと静かに暮らし、ときおりリー・ティと体を重ねるが、彼女は愛されていないことを知っている。彼が中国へ帰ると決めたとき、リー・ティは自ら命を絶つ。帰国した彼は昔の同級生を通じてユー・ホンを見つけ、北戴河で10年以上ぶりに再会する。飲み物を買いに出た彼女が戻らないとわかると、彼は車で去っていく。

  • フー・リンリー・ティ役

    大学で最初にできたユー・ホンの友人で、のちの恋敵。ベルリンで、愛してくれないチョウ・ウェイを愛し続ける。

    リー・ティの物語

    リー・ティは隣の寮に住み、孤独なユー・ホンを自分の輪に招き入れる。ベルリン留学から戻った恋人ロー・グーと、その友人チョウ・ウェイ。やがてユー・ホンの嫉妬に疲れたチョウ・ウェイと関係を持ち、寮でふたりでいるところを大学に見つかる。1989年のあと、彼女はロー・グーとベルリンで暮らし、そこにはチョウ・ウェイもいる。三人は異国で静かに暮らし、彼女はときおりチョウ・ウェイと体を重ねるが、彼に愛されていないことを知っている。彼が中国へ帰ると決めたとき、彼女は自ら命を絶つ。

  • チャン・シャンミンロー・グー役

    リー・ティの恋人。留学先のベルリンから戻り、チョウ・ウェイをふたりに引き合わせる。

この作品が問いかけるもの

『天安門、恋人たち』は、主演の男女の全裸を正面から映した初めての中国本土の映画であり、1989年の天安門の抗議運動と、その鎮圧のただなかを恋の物語として描いた。ロウ・イエは政府の許可を得ずに、2006年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門でこれを上映した。中国の映画当局は、映像と音声の質が基準に達しないことを表向きの理由に配給許可を拒み、ロウ・イエとプロデューサーのナイ・アンに5年間の映画製作禁止を命じた。映画は1989年を主題としてではなく、ひとつの世代の人生を断ち切る裂け目として描く。その前には、恋と政治は同じ陶酔だった。そのあと、ユー・ホンは町から町へ、男から男へと漂い、ほかの満足の代わりに体を重ねる。約束されていた未来が閉ざされたとき、欲望はどうなるのか。映画はその問いを差し出し、慰めは与えない。