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Cinema 月明かりの映画館

君の名前で僕を呼んで

Call Me by Your Name

2017映画イタリア、アメリカ

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

1983年イタリアのひと夏、桃、父の言葉。17歳のエリオと24歳のオリヴァーの年の差は、公開当時から批判を呼んだ。

1983年の夏。17歳のエリオ・パールマンは北イタリアの田園にある一家の家で、本を読み、ピアノを弾き、友人のキアラやマルシアと過ごしている。考古学の教授である父は、アメリカから来た24歳の大学院生オリヴァーを、研究の助手として夏のあいだ家に招く。自信にあふれ、屈託のないオリヴァーとは何の共通点もない、とエリオははじめ思う。だが、オリヴァーがキアラに口づけるのを見て、自分が嫉妬していることに気づく。

ふたりは一緒に過ごす時間を増やしていく。町までの長い散歩。父の調査旅行への同行。エリオが思いを打ち明けると、オリヴァーは、そういうことは話せないと言う。ふたりは口づけを交わすが、オリヴァーは踏みとどまり、何日もほとんど口をきかなくなる。エリオはマルシアとつきあいはじめる。やがて彼がオリヴァーに手紙を残すと、真夜中に会おうという返事が来て、ふたりは恋人になる。24歳の大人と17歳の少年の関係だが、映画はそれを初恋として描く。「君の名前で僕を呼んで。僕の名前で君を呼ぶ」とオリヴァーは言う。オリヴァーに夢中のエリオは、何日もマルシアを放っておき、彼女を傷つける。

オリヴァーの滞在が終わりに近づくと、ふたりのあいだに起きたことを察しているらしい両親は、帰国の前にふたりでベルガモへ出かけてはどうかと勧める。列車でオリヴァーを見送ったエリオは、迎えに来てほしいと母に電話をかける。マルシアは、これからも友だちでいたいと告げる。父は息子に語りかける。ふたりのあいだにあったものはめったにない貴いもので、自分には一度もなかった。だから心を閉ざさず、開いておきなさい、と。

冬、ハヌカの季節に、オリヴァーから電話がかかってくる。何年もつきあったり離れたりしてきた女性と婚約したという知らせだった。電話口でふたりは、あの夏に交わした名前で互いを呼びあい、オリヴァーは、何ひとつ忘れていないと言う。暖炉の前に座ったエリオは涙を流し、その背後で家の人々が夕食の支度をしている。

主な出演

  • ティモシー・シャラメエリオ・パールマン役

    北イタリアの家で夏を過ごす、本と音楽を愛する17歳。初めての恋に落ちる。

    エリオ・パールマンの物語

    エリオははじめ、父が夏のあいだ招いたアメリカ人のオリヴァーを、自信たっぷりな男だと疎ましく思う。だが彼がキアラに口づけるのを見て嫉妬し、町への散歩や父の調査旅行を重ねるうちに近づいていく。思いを打ち明けると、オリヴァーは踏みとどまり、口をきかない日が続き、そのあいだにマルシアとつきあいはじめる。やがて手紙を残し、ふたりは恋人になる。オリヴァーに夢中になってマルシアを放っておき、傷つける。ベルガモで3日を過ごし、列車を見送ると、迎えに来てほしいと母に電話をかける。父は、ふたりのあいだにあったものはまれなもので、心を閉ざしてはいけないと語る。冬、婚約したというオリヴァーの電話のあと、エリオは暖炉の前で涙を流す。

  • アーミー・ハマーオリヴァー役

    教授の助手として夏をこの家で過ごす、自信に満ちた24歳のアメリカ人大学院生。

    オリヴァーの物語

    オリヴァーは自信にあふれ、屈託なく、キアラに口づける。教授の17歳の息子エリオに思いを打ち明けられると、そういうことは話せないと言い、最初の口づけのあとも踏みとどまって、何日も距離を置く。やがてエリオの手紙に、真夜中に会おうと返事を書き、ふたりは恋人になる。24歳の大人と17歳の少年の関係を、映画は初恋として描く。「君の名前で僕を呼んで。僕の名前で君を呼ぶ」と彼は言う。エリオの両親に勧められて、ふたりでベルガモで3日を過ごす。冬、ハヌカの季節に電話をかけ、何年もつきあったり離れたりしてきた女性と婚約したと告げる。電話口でふたりはあの夏に交わした名前で呼びあい、彼は、何ひとつ忘れていないと言う。

  • マイケル・スタールバーグパールマン教授役

    エリオの父で考古学の教授。口にする以上のことを見ていて、息子にまれな理解を示す。

  • アミラ・カサールアネラ・パールマン役

    エリオの母。静かに息子を理解し、オリヴァーが去った日には彼を迎えに来る。

  • エステール・ガレルマルシア役

    町に住むエリオの友人。彼とつきあいはじめるが、放っておかれて傷つく。

この作品が問いかけるもの

『君の名前で僕を呼んで』は、欲望を悲劇にしない初恋の物語だ。悪役も罰もなく、あるのはひと夏とその終わり、痛みから心を閉ざすなと息子に語る父だけだ。監督のルカ・グァダニーノはこれを「ゲイ映画」ではなく、生まれたばかりの欲望の映画だと語り、脚本のジェームズ・アイヴォリーはアカデミー脚色賞を受けた。一方、とくにアメリカでは、17歳と24歳の性的な関係の描写が批判された。司会者カラモ・ブラウンは性暴力の美化だと批判し、性的少数者向けの雑誌アドボケートは、『風と共に去りぬ』など異性愛の古典にも、同じかそれ以上の年の差が描かれてきたと指摘した。2021年には、本人は否定したもののアーミー・ハマーへの告発が相次ぎ、続編の構想は宙に浮いた。議論のかたわらに、中心の問いが残る。初恋は何を教えるのか。それを全身で感じる代償は何か。