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Cinema 月明かりの映画館

今宵わたしと眠る人

Tonight You're Sleeping with Me

2023映画ポーランド

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

退屈した妻が昔の恋人と再燃する。『愛は、365の日々で』路線のポーランド製Netflixエロティカ。

記者として働くニーナには、幼い娘レナとズジャ、瀟洒な家、そして結婚して9年になる夫マチェクがいる。けれど夫婦のあいだの火は、とうに消えている。マチェクは仕事にかまけ、子育ても家のことも妻に任せきりで、ひとりで一か月アイスランドへ出かける計画を立てている。そんなとき、職場でニーナに新しいアシスタントがつく。10年前に激しい恋をした、ずっと年下の男ヤネクだ。アムステルダムで10年を過ごしてポーランドに戻ってきた彼は、今も彼女を求めていることを隠さない。

マチェクは旅の予定を早めて出発してしまう。ズジャが具合を悪くし、救急箱まで夫がアイスランドへ持っていったと知ったニーナは、ヤネクに電話をかける。薬を届けに来た彼は、娘たちともすぐに打ち解ける。子どもの世話を手伝う母は、なぜ自分を呼ばなかったのかと娘を責める。ニーナとヤネクは結ばれ、彼は自分の部屋に娘たちの部屋をつくると言う。母は、その恋から降りなさいと諭す。とどまれば傷つくのはあなただけ、出ていけば全員が傷つく、と。父は、かつて同じ選択を迫られて家族のもとに残ったこと、それが正しかったのか今もわからないことを打ち明ける。ニーナは距離を置くため、ヤネクに競合社からの誘いを受けるよう勧める。それでもふたりはまた肌を重ね、切れていなかった通話の向こうで、マチェクがそのすべてを聞いてしまう。彼は泣きながら、ビデオ通話で妻を問いつめる。

ニーナは直接話すためにアイスランドへ飛ぶ。そのころマチェクは、岩の裂け目に落ちた登山者を見つける。救助隊を待つよう言われながら、妻が向かっているからと待ちきれずにひとりで下りていき、自らも転落する。昏睡状態の夫と病院で対面したニーナは、ここに残るとヤネクに告げる。傷ついたヤネクはそれでも彼女に会いに来て、身を引くけれど、きみが選ぶならいつでもそばにいると言う。目を覚ましたマチェクは、会いたかった、すべてわかった、今も愛している、と妻に告げる。片手の感覚は戻らない。ニーナは、大丈夫だと声をかける。最後の場面で、彼女はひとり外へ歩み出る。答えはまだ出ていない。

主な出演

  • ロマ・ゴンショロフスカニーナ役

    結婚9年目の記者で、ふたりの娘の母。冷えきった結婚のなかで、年下のかつての恋人に再び惹かれていく。

    ニーナの物語

    夫マチェクは仕事にかまけ、ひとりでアイスランドへ一か月出かけてしまう。家も幼い娘ふたりも抱えこんだニーナの前に、10年前に愛した年下のヤネクがアシスタントとして現れ、距離を置こうとして果たせず、ふたりは結ばれる。母は恋から降りなさいと言い、かつて家族のもとに残った父は、子どものころ幸せだったかと娘に問う。幸せではなかった、と彼女は答える。ヤネクに競合社へ移るよう勧めながらまた肌を重ね、切れていなかった通話で夫に知られる。アイスランドで夫は昏睡状態にあり、ここに残るとヤネクに告げる。目覚めた夫は今も愛していると言うが、片手の感覚は戻らない。大丈夫と声をかけた彼女は、答えを出せないまま、ひとり外へ歩み出る。

  • マチェイ・ムシャウヤネク役

    10年前のニーナの恋人。アムステルダムから戻って彼女のアシスタントになり、結婚を捨てて自分を選んでほしいと願う。

    ヤネクの物語

    ニーナとの恋から10年、アムステルダムで暮らしてきたヤネクは、ポーランドに戻って彼女の職場にアシスタントとして入り、今も彼女を求めていることを隠さない。夫がアイスランドへ発ち、娘のひとりが具合を悪くすると、彼は薬を届け、娘たちともすぐに打ち解ける。ふたりはふたたび恋人になり、彼は自分の部屋に娘たちの部屋をつくると言う。距離を置くために競合社へ移るよう勧められても、ふたりはまた結ばれる。夫のそばに残ると電話で告げられ、裏切られたと感じながらも、彼はアイスランドまで彼女を追っていく。そして、身を引くけれど、きみが選ぶならいつでもそばにいる、と告げる。

  • ヴォイチェフ・ジエリンスキマチェク役

    ニーナの夫。家庭のことを妻に任せきりにし、ひとりアイスランドへの旅に逃れる。

    マチェクの物語

    マチェクは仕事に追われ、子どもと家のことを妻ニーナに任せきりにして、ひとりで過ごすアイスランドでの一か月を前倒しして出発する。救急箱まで持っていき、娘の具合が悪いと電話をもらっても取りあわない。切れていなかった通話の向こうで妻とヤネクの声を聞き、泣きながらビデオ通話で妻を問いつめる。直接話しに行く、と妻は言う。その到着を待つあいだに、岩の裂け目に落ちた登山者を見つける。救助隊を待てと言われながら、妻が向かっているからとひとりで下りていき、自らも転落する。昏睡から目覚めた彼は、会いたかった、すべてわかった、今も愛している、と妻に告げる。片手の感覚は戻らない。

  • ジャセック・コーマンニーナの父役

    かつて娘と同じ選択を迫られて家族のもとに残り、それが正しかったのか今も迷っている父。

  • エヴァ・ヴェンツェルニーナの母役

    孫の世話を手伝う母。家族のために、その恋から降りるよう娘に説く。

この作品が問いかけるもの

『今宵わたしと眠る人』の出発点は、ごくありふれた結婚だ。働き、旅に出て、子どもを妻に任せる夫。見てもらえることを、もう期待しなくなった妻。そこに差し出される恋は、よくある年の差を逆にしている。年上なのは女で、待つのは若い男のほうだ。けれど本当の主題は、そのあとの清算にある。両親の言葉がその輪郭を与える。誰にも代償を払わせないよう妻がすべてを引き受けるべきだという母の信念と、まさにそうして生きてきた父が何十年もたって抱く迷い。夫が重傷を負うと、映画はさらに重い問いを置く。介護が必要になった相手に、人は何を負っているのか。映画は答えを出さない。配信最初の週末、非英語作品として世界でもっとも多く観られた一方、ポーランドの批評は容赦がなかった。