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Cinema 月明かりの映画館

アデル、ブルーは熱い色

Blue Is the Warmest Colour

2013映画フランス

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

3時間の初恋と、長い性描写。2013年、主演のふたりは撮影を「ひどいもの」と語り、監督とは二度と組まないと述べた。

アデルは15歳の、内気な高校生だ。ある日、通りですれ違った青い髪の年上の女性に心を奪われる。同じ学校の少年トマと付き合ってみるが、気持ちが動かず、別れを告げる。友人のベアトリスとの距離が一瞬縮まり、すぐに忘れてと言われたことで、アデルは自分が何者なのかわからなくなる。ゲイの友人ヴァランタンに連れられてゲイ・バーへ行き、ひとりで近くのレズビアン・バーに入ると、何人かの女性が声をかけてくる。そこへ割って入り、この子は自分のいとこだと言ったのが、あの青い髪の女性、美術学生のエマだった。ふたりは友だちになる。エマが学校の前に姿を見せると、同級生たちはアデルを同性愛者だと責め立てる。

アデルとエマは恋に落ち、恋人どうしになる。大人の美術学生と、まだ18歳にならない高校生の関係だが、映画はそれを初恋として描く。芸術家肌のエマの家族はアデルを温かく迎えるが、アデルは保守的な労働者階級の両親に、エマは哲学の家庭教師だと説明する。年月が過ぎ、ふたりは一緒に暮らしている。アデルは幼い子どもたちを教える教師になり、画家として道を開こうとするエマは、美術関係の人々を招いてパーティーを開く。ほかの客が性の話に興じるなか、アデルは俳優志望のサミールと話しこみ、友だちになる。エマはアデルの仕事を見下し、文章を書くよう勧めるが、アデルは今のままで幸せだと言う。ある夜、エマは妊娠中の画家仲間リーズとの制作で遅く帰る。寂しさから、アデルは同僚の男性教師アントワーヌと関係を持つ。それを知ったエマは激しく怒り、彼女と別れる。

三年後、ふたりはレストランで再会する。アデルは今もエマを愛している。エマはリーズと暮らし、彼女の娘を一緒に育てているが、満たされてはいないと認める。ふたりは唇を重ねるが、エマは身を引く。もう愛してはいない、それでもあなたには限りない優しさを感じ続ける、と彼女は言う。ふたりは涙と謝罪のうちに別れる。エマの個展を訪れたアデルは、ふたりが一緒だったころにエマが描いた自分の肖像画を壁に見つける。リーズや客たちの相手に忙しいエマに祝いの言葉をかけ、アデルは会場を出る。サミールが後を追うが、反対の方向へ走っていく。アデルはひとり、通りの向こうへ歩き去る。

主な出演

  • アデル・エグザルホプロスアデル役

    物語の始まりでは内気な十代の少女。のちに幼い子どもたちの教師となり、初めての大恋愛がその後の年月を形づくる。

    アデルの物語

    15歳のアデルは、通りですれ違った青い髪の女性を忘れられない。同じ学校のトマと付き合っても気持ちは動かず、友人との距離が一瞬縮まっても、翌日には忘れてと言われる。レズビアン・バーで、あの女性エマに、いとこだと言って助けられ、エマが学校に現れると同級生に責め立てられる。まだ高校生のうちにエマと恋人どうしになる。大人と18歳にならない少女の関係だが、映画はそれを初恋として描く。数年後、幼い子どもたちの教師になった彼女は、今のままで幸せだと言う。寂しさから同僚と関係を持ち、激怒したエマに別れを告げられる。三年後もまだ愛しているが、エマの気持ちはもう戻らない。個展で自分の肖像画を見つけ、祝いの言葉をかけて、ひとり歩き去る。

  • レア・セドゥエマ役

    青い髪の美術学生で、アデルより年上。のちに画家となり、別れたあとも長くアデルに愛され続ける。

    エマの物語

    青い髪の美術学生エマは、レズビアン・バーで女性たちに声をかけられているアデルを助け、年の差について語り合う。学校の前で彼女を待ち、その姿を描く。アデルがまだ高校生のうちに、ふたりは恋人どうしになる。大人と18歳にならない少女の関係だが、映画はそれを初恋として描く。数年後、一緒に暮らしながら画家として道を開こうとする彼女は、アデルの仕事を見下し、リーズと遅くまで過ごす。アデルが同僚と関係を持ったと知ると、激しく怒って別れる。三年後、リーズと暮らしてその娘を育てながら、満たされていないと認める。アデルと唇を重ねるが身を引き、もう愛してはいないが、限りない優しさを感じ続けると告げる。個展では、リーズや客の相手に忙しい。

  • サリム・ケシゥシュサミール役

    エマのパーティーでアデルが知り合う俳優志望の青年。彼女の友人になる。

  • モナ・ヴァルラヴェンリーズ役

    エマの仲間の画家で、妊娠中。エマはしだいに彼女と過ごす時間を増やし、のちに一緒に暮らす。

この作品が問いかけるもの

『アデル、ブルーは熱い色』は、初恋を、始まりから終わりのずっと先まで追う。欲望の物語であり、階級の物語でもある。保守的な労働者階級のアデルの家と、芸術のために生きるエマの家。その隔たりが、ふたりを引き裂く一因になる。ジュリー・マロの漫画を原作とする本作は、2013年のカンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受け、賞は史上初めて監督と主演女優ふたりに贈られた。同時に、女性どうしの性を誰がどう撮るのかという問題の実例にもなった。主演のふたりはのちに撮影を「ひどいもの」と語り、アブデラティフ・ケシシュ監督とは二度と組まないと述べた。スタッフはハラスメントを訴え、原作者は長い性描写を批判して、現場に欠けていたのはレズビアンだと書いた。残る問いはふたつ。初恋は人から何を奪うのか。カメラは、その前に立つ人から何を奪うのか。