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Cinema 月明かりの映画館

citrus

Citrus

2018アニメ日本

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

義理の姉妹、強引なキス。同意をめぐって評価の割れた百合作品。

見た目はギャルで経験豊富なふりをしているが、一度も恋をしたことのない1年生の藍原柚子は、母の再婚を機に、厳格な女子校・藍原学院へ転校する。初日から、冷たく非の打ちどころのない生徒会長の芽衣とぶつかり、その芽衣が担任教師の雨宮に口づけされているのを目撃する。帰宅すると、芽衣は新しい義理の妹で、同じ部屋で暮らすことになっていた。教師とのことを問いただす柚子を、芽衣は不意の口づけで黙らせる。あとで、黙らせるためだっただけだと言い放つ。

雨宮は、学院の理事長である祖父が決めた芽衣の婚約者だった。教師と教え子の婚約である。家がどう決めたにせよ、教師が未成年の教え子に迫ることは虐待だ。柚子は、雨宮にほかの恋人がいて、目当ては一族の財産と地位だけだと知り、全校生徒の前で暴露して彼を辞めさせる。芽衣が柚子に迫る場面に居合わせた理事長は柚子を責めて退学を命じるが、心臓発作で倒れた彼を柚子が見つけて病院へ運び、処分は取り消される。そのころには、柚子は自分が芽衣を好きだと気づいている。

ふたりは近づいては離れる。学院を継がずに世界を旅する芽衣の父が訪れ、また去っていくと、寂しさに耐えかねた芽衣は柚子に体を求めるが、柚子はそれを止める。副会長で芽衣の幼なじみの姫子は、柚子に嫉妬する。柚子の幼なじみで、スマートフォンのアプリで年上の男たちをだまして稼いでいる中学生のまつりは、芽衣の目の前で柚子に無理やり口づけし、撮った写真で芽衣を脅して男のひとりに会わせようとする。柚子が駆けつけて何事も起こらず、まつりは写真を消す。クリスマスの夜、芽衣はお礼として体を差し出そうとし、柚子はそれを受け入れられない。

京都への修学旅行で、柚子は、芽衣に一目惚れした他校の少女タチバナ・サラと出会う。双子の妹ニナは柚子を遠ざけようとする。サラは芽衣に告白し、デートに誘う。最終話、柚子の背中を押したのはサラだった。柚子は芽衣を見つけて気持ちを伝え、芽衣も同じ気持ちだと応える。双子に謝ったあと、義理の姉妹は正式に付き合うことを決める。

主な出演

  • 竹達彩奈藍原柚子役

    明るいギャルの転校生。恋をしたことがなかったが、新しい義理の妹に恋をする。

    藍原柚子の物語

    柚子は幼いころに父を亡くし、ギャルの見た目に反して恋をしたことがない。転校先では、口封じのように口づけしてくる義妹の芽衣と同じ部屋で暮らすことになる。芽衣の婚約者である教師の目当てが一族の財産だと知ると、全校生徒の前で暴露して退学を命じられるが、倒れた理事長を病院へ運んで取り消される。そのころには芽衣を好きだと自覚している。恋と、よい姉であろうとする気持ちのあいだで揺れながら、寂しさから自分にすがろうとする芽衣を止め、まつりの脅しで男に会いに行った芽衣を探し出す。クリスマスの夜、お礼に関係を持とうとする芽衣を受け入れられない。京都でサラに背中を押されて想いを告げ、同じ気持ちだと答えた芽衣と、正式に付き合うことを決める。

  • 津田美波藍原芽衣役

    理事長の孫で生徒会長。学院を継ぐために育てられ、規則の陰に孤独を隠している。

    藍原芽衣の物語

    芽衣は理事長の孫で、学院を継ぐよう父に育てられたが、その父は世界を旅して家に戻らない。祖父が決めた教師との婚約も、相手の目当てが財産だと知りながら受け入れている。家がどう決めたにせよ、教師が教え子に迫るのは虐待だ。柚子を口づけで黙らせ、あとで意味はないと言い放つ。柚子が教師を暴いたあと、自由に生きることを許され、柚子を名前で呼ぶようになる。父がまた旅立つと、寂しさを紛らわそうと柚子にすがり、止められる。まつりに写真で脅されて男に会いに行くが、まつりをかばって黙ったまま、何事も起こらない。クリスマスの夜、お礼に柚子と関係を持とうとして拒まれ、傷つく。京都でサラとのデートのあと、柚子に想いを告げられ、同じ気持ちだと応える。

  • 藤井ゆきよ谷口はるみ役

    学院で最初にできた柚子の友人。ギャルの素顔を隠す転入生仲間で、いつも柚子の味方でいる。

  • 久保ユリカ桃木野姫子役

    副会長で芽衣の幼なじみ。芽衣を独り占めしたがり、柚子に嫉妬する。

  • 井澤詩織水沢まつり役

    共働きの両親に放っておかれて育った、柚子の幼なじみの中学生。策を弄して芽衣を遠ざけようとする。

  • 金元寿子タチバナ・サラ役

    運命を信じる他校の少女。芽衣に一目惚れするが、最後には柚子の背中を押す。

この作品が問いかけるもの

この作品は、義理の姉妹が恋に落ちるメロドラマであり、その核心にある問題は批評家たちが指摘したとおりだ。物語の多くの場面で、欲望は誰かが誰かに一方的に向けるものとして現れる。芽衣は柚子を黙らせるために口づけし、やがて自分の寂しさを紛らわすために柚子を求める。柚子もまた、力ずくで答えを迫ろうとする。作品はそれを恋の緊張として描く。英語圏の複数の批評サイトの評者は同意のない接触に居心地の悪さを示し、百合作品の批評家エリカ・フリードマンは、性暴力を面白おかしく描いていると批判した。ふたりの周りでは大人たちが少女を裏切る。教え子と婚約した教師、それを仕組んだ祖父、去ってばかりの父。愛情を取引として覚えてしまった少女が、ようやく差し出された見返りのない愛をそれと気づけるのか。作品はその問いに、正面から向き合いきれていない。