ドメスティックな彼女
Domestic Girlfriend
ストーリー
結末まで書いています。
一夜を共にした相手と片思いの教師が同時に義理の姉妹になる。
小説家を志す高校2年生の藤井夏生は、屋上で出会って以来の相談相手、英語教師の橘陽菜に恋をしている。その想いを断ち切ろうと出かけた合コンで、無口な少女・瑠衣と抜け出し、彼女の家で関係を持ってほしいと頼まれ、そのまま応じる。どちらも恋はしていない。数日後、妻を亡くした父が再婚を告げ、相手の女性が連れてきた二人の娘は、陽菜と瑠衣だった。四人はひとつ屋根の下で暮らし始め、夏生の高校に転入した瑠衣とは、他人のふりを続ける。
夏生は陽菜が既婚の研究者・萩原柊と不倫していると知り、瑠衣とともに別れを迫る。陽菜は関係を断つが、夏生の告白には「私たちが付き合うことは、一緒に死ぬということ」と答える。物語は、男遊びの噂が絶えず、自殺を図った過去を持つ同級生の柏原もも、そして内気な葦原美雨が守る文芸部へと広がる。ももの孤独を知った夏生は、彼女と一線を越えることを思いとどまる。文芸部の顧問・桐谷怜士は、夏生が敬愛する小説家その人だった。
夏生を好きになった瑠衣は彼に口づけし、同じく夏生に惹かれていた陽菜は家を出て、部屋の鍵を彼に渡す。そこで教師と生徒の秘密の関係が始まり、夏生は瑠衣に嘘をついて通い続ける。二人の姿を目撃した瑠衣は、やがて姉と和解する。沖縄への修学旅行で、夏生は陽菜に指輪を贈り、いつか結婚してほしいと告げ、陽菜は彼と関係を持つ。作品は恋として描くが、教師が十七歳の教え子と性的な関係を結ぶことは、立場を利用した虐待である。ホテルの窓辺で口づけする写真が、校長の手に渡る。
最終話、陽菜は学校を去り、連絡もつかなくなる。残された手紙には、学校が口を閉ざすのと引き換えに遠くへの異動を願い出たこと、夏生を守り、前に進ませるためだったことが綴られていた。落ち込んだ夏生は新しい小説を書き上げ、桐谷が応募したそれは賞を取る。帰宅した夏生は、かつらをかぶった瑠衣を陽菜と見間違え、瑠衣にすべてを打ち明ける。瑠衣は彼に口づけし、もう遠慮しないと告げる。遠い場所で、髪を短くした陽菜が微笑む。全12話は原作全28巻のうち8巻までを描き、三人の関係に答えを出さないまま終わる。
主な出演
八代拓藤井夏生役
父ひとりに育てられた小説家志望の17歳。義理の姉となった英語教師に恋をしている。
藤井夏生の物語
夏生は、屋上で隠れて小説を書き、そこで出会った英語教師の陽菜に恋をしている。想いを断ち切ろうとした合コンの夜、会ったばかりの瑠衣と関係を持つが、数日後、ふたりは義理のきょうだいになる。陽菜に既婚者との不倫をやめさせ、孤独なももには寄り添いながら一線を越えない。家を出た陽菜から部屋の鍵を渡されると秘密の関係を始め、瑠衣には嘘をつく。修学旅行で、いつか結婚してほしいと告げ、陽菜は彼と関係を持つ。教師が立場を利用した虐待である。一枚の写真がすべてを終わらせ、陽菜は去る。落ち込んだ彼は新しい小説を書き上げて賞を取り、家では瑠衣に口づけされ、もう遠慮しないと告げられる。
内田真礼橘瑠衣役
無愛想で孤立しがちな少女。出会った夜に夏生と関係を持ち、義理のきょうだいとなって、少しずつ彼を愛するようになる。
橘瑠衣の物語
母のもとで育った瑠衣は、ぶっきらぼうで友人も少ない。合コンを抜け出した夜、会ったばかりの夏生に関係を持ってほしいと頼む。どちらも恋はしていない。数日後、彼は義理のきょうだいになり、転入先の学校では他人のふりをしながら、彼の助けで級友と打ち解けていく。姉の不倫を終わらせるために夏生と組み、ももと友達になり、文芸部に入る。やがて夏生を好きになり、姉にも気持ちを明かす。夏生が行き先を偽ると、彼の小説を読んで陽菜への想いを知り、ふたりが一緒にいるところを目にする。いったんは距離を置くが、姉とは和解する。陽菜が去ったあと、かつらをかぶった瑠衣を夏生は陽菜と見間違え、すべてを打ち明ける。瑠衣は彼に口づけし、もう遠慮しないと告げる。
日笠陽子橘陽菜役
夏生の英語教師で瑠衣の姉。既婚者との不倫を断ち切ろうとするさなかに、夏生の義理の姉となる。
橘陽菜の物語
陽菜は英語教師。既婚の研究者・柊との関係に泣いていた屋上で夏生に見つかり、彼の相談相手になった。母の再婚で、その生徒が義理の弟になる。夏生と瑠衣に迫られて不倫を終わらせ、夏生の告白には、ふたりが付き合うのは一緒に死ぬことだと答える。それでも惹かれていき、このままでは抑えられないと家を出て、彼に部屋の鍵を渡す。17歳の教え子との秘密の関係が始まり、沖縄への修学旅行で彼と関係を持つ。作品は恋として描くが、教師が立場を利用した虐待である。口づけの写真を突きつけられると、学校が口外しないことと引き換えに遠方への異動を願い出て、手紙だけを残して姿を消す。最後に、髪を短くした彼女が遠くで微笑む。
佳村はるか柏原もも役
男遊びの噂が絶えない同級生。複雑な家庭に育ち、瑠衣の友人となって夏生に惹かれていく。
小原好美葦原美雨役
夏生たちが来るまで文芸部でただひとりの部員。内気だが図書室では厳しく、顧問の桐谷にひそかに想いを寄せる。
緑川光桐谷怜士役
文芸部の顧問を務める現代文教師。筆名で、夏生がいちばん敬愛する小説を書いている。
この作品が問いかけるもの
『ドメスティックな彼女』はタブーを積み重ねてできたメロドラマだ。原作は少年誌では珍しく、未成年との性行為や不倫といった「不道徳」な題材を正面から取り上げている。恋をしていない十代同士の性、不倫、そして生徒に恋をする教師。作品は最後の関係を、一緒に死ぬようなものだと登場人物に言わせる悲恋として描く。だが、もっとはっきり言うべきだろう。陽菜は夏生に対して権限を持つ大人で、夏生は17歳だ。ふたりの性的な関係は、当人たちの気持ちがどうであれ、その立場を利用した虐待である。作中の学校はそれを揉み消すべき醜聞として扱い、職を失うのは陽菜だ。一方で作品がよく見ているのは、すべての下にある孤独だ。父ひとりに育てられた少年、父に去られた姉妹、そして言いたいことを言えない人たちで急にいっぱいになった家。