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Cinema 月明かりの映画館

東京ラブストーリー

Tokyo Love Story

1991ドラマ・シリーズ日本

465作品の星図のなかで見る

Moonlightの読みもの

Cinema『東京ラブストーリー』と、好きだけでは同じ未来を選べないことこの一篇を読む

ストーリー

結末まで書いています。

カンチに「セックスしよ!」と言う赤名リカ。その率直さがヒロインの言葉を変えた1991年。

24歳の永尾完治は、愛媛から上京してスポーツ用品メーカー「ハートスポーツ」に入社し、空港で同僚の赤名リカに出迎えられる。ロサンゼルスで育った帰国子女のリカは、思ったことをそのまま口にする女性だ。東京で完治は、愛媛の高校の同級生ふたりと再会する。高校時代から想い続けてきた幼稚園教諭の関口さとみと、医学部生で遊び人の三上健一。同窓会の夜、完治はさとみと三上がキスするのを見てしまう。リカは完治に好きだと言い、何かとそばに現れる。迷っていたさとみが三上と付き合い始めると、リカは完治に「セックスしよ!」と誘い、ふたりは一夜を共にする。リカは完治を「カンチ」と呼び、さとみへの未練をからかい、ぶつかり合いながらも仲を深めて、会社公認の恋人同士になる。

三上とさとみが別れると、リカは自分から完治をさとみのもとへ向かわせる。リカはひそかにロサンゼルス支社への転勤願いを出していて、完治が引き留めてくれないことに傷つく。もう一度好きだと告げたリカは、夜に待ち合わせをする。だがさとみは完治に「行かないで」と言い、完治はさとみを選んでリカに別れを告げる。リカは姿を消す。リカが愛媛に行きたがっていたことを思い出した完治は故郷へ向かい、自分が卒業した小学校で彼女と再会する。故郷を案内してもらったリカは、ロサンゼルスへ転勤すること、駅で待っているから気が変わったら来てほしいことを告げて去る。完治は駅へ駆けつけるが、リカは約束より一本早い電車に乗ったあとで、フェンスには「バイバイ カンチ」と書いたハンカチが結ばれていた。電車の中でリカは、完治の部屋から持ち出した小学校の写真を見つめて泣き出す。

三上の恋人だった尚子は、見合い結婚の新婚旅行を放り出して三上のもとに戻る。3年後、さとみと結婚した完治は、三上と尚子の結婚式に夫婦で出席する。その帰り道、ロサンゼルス支社を半年で辞めて東京に戻っていたリカと偶然出会う。久しぶりに言葉を交わしたリカは、永尾くんを好きになったことを大切に思っていると言い、別れ際に「カーンチ!」と呼びかけて去っていく。

主な出演

  • 鈴木保奈美赤名リカ役

    ロサンゼルスで育った帰国子女の同僚。自由奔放で率直に、欲しいものを隠さず完治を愛する。

    赤名リカの物語

    リカは上京してきた完治を空港で出迎え、ほどなく好きだと告げる。完治が来る前には、妻のある上司の和賀と関係を持っていた。さとみが三上を選ぶと、リカは完治を誘って一夜を共にし、彼をカンチと呼び、さとみへの未練をからかいながら、会社公認の恋人になる。三上とさとみが別れると、自分から完治をさとみのもとへ向かわせ、ロサンゼルスへの転勤願いを出して、引き留めてくれない完治に傷つく。待ち合わせの夜、完治はさとみを選ぶ。姿を消したリカは完治の故郷の愛媛にいて、駅で待っていると告げながら一本早い電車に乗り、フェンスに「バイバイ カンチ」と書いたハンカチを残す。3年後、東京で再会した彼女は、永尾くんを好きになったことを大切に思っていると言う。

  • 織田裕二永尾完治役

    愛媛から上京した優柔不断な若い営業マン。リカと、高校時代から想ってきたさとみの間で揺れる。

    永尾完治の物語

    地元で就職したあと上京した完治は、空港でリカに出迎えられる。高校時代からさとみを想い続けてきたが、同窓会の夜、さとみと三上のキスを目撃する。想いを告げてもさとみは迷い、三上を選ぶ。完治はリカと一夜を過ごし、ぶつかり合いながら恋人になる。三上とさとみが別れると、リカに背中を押されてさとみのもとへ向かい、リカのロサンゼルス転勤も引き留めない。リカとの待ち合わせの夜、行かないでとさとみに言われ、完治は残る。故郷の愛媛の母校でリカと再会し、町を案内したあと駅へ駆けつけるが間に合わず、残されていたのはハンカチだけだった。3年後、さとみと結婚した完治は、三上の結婚式の帰り道にリカと再会し、別れ際にもう一度カンチと呼ばれる。

  • 有森也実関口さとみ役

    完治の高校の同級生で幼稚園教諭。心優しいが人に頼りがちで、完治と三上の間で迷い続ける。

    関口さとみの物語

    さとみは高校時代、実家がラブホテルを営んでいることで机に落書きされるいじめを受け、それを消してくれたのは完治だと思い続けている。同窓会の夜に三上とキスを交わし、完治に想いを告げられても迷い、三上を選んで一緒に暮らし始める。三上が尚子と抱き合うのを見て完治を呼び出して相談し、三上と別れると、リカと付き合っている完治に心を寄せていく。完治がリカと会う約束をした夜、手作りのおでんを持って彼の部屋を訪ね、行かないでと告げ、完治は残る。3年後、さとみは完治の妻になっている。三上と尚子の結婚式の帰り道、ふたりは偶然リカと出会い、完治はしばらくリカと言葉を交わす。

  • 江口洋介三上健一役

    完治の幼なじみの医学部生。大学をさぼって女性と遊び歩くが、人の恋には的確な助言をする。

  • 千堂あきほ長崎尚子役

    三上の大学の同級生で、資産家の病院の娘。親の決めた婚約者がいながら、三上のもとへ走る。

  • 西岡德馬和賀夏樹役

    完治の上司で既婚の営業部長。完治が来る前にリカと不倫関係にあり、いまも彼女を気にかけている。

この作品が問いかけるもの

『東京ラブストーリー』は、欲しいものを口にする女性と、その代償の物語だ。1991年、リカはセックスも、時間も、愛も、はっきり言葉にして求めた。ドラマは彼女を中心に作られている。脚本の坂元裕二が原作をリカの目線で描くことを提案し、演出家は「敗者の美学」を語った。その対極に置かれたのが、優しく家庭的で人に頼りがちなさとみで、手作りのおでんを持って完治の部屋を訪ねる場面から、一部の視聴者に「おでん女」と呼ばれた。平均視聴率は22.9%、最終回は32.3%。スタッフには「リカを不幸にするな」という投書が300通以上届き、さとみを演じた女優には脅迫状まで送られた。この作品は「月9」という言葉を生むきっかけになったとされる。カンチは間違った相手を選んだのか、それとも楽なほうを選んだだけなのか。その問いが残る。