セカンドバージン
Second Virgin
ストーリー
結末まで書いています。
40代の出版社役員と、17歳年下の既婚男性の恋。終わらせようとしても、終わらせられない。
中村るいは40代。出版社・新海社を社長の向井肇とともに育て上げた、業界で名の知れた敏腕プロデューサーで、専務を務めている。20年前に離婚してから恋をせず、仕事一筋に生きてきた。成人した息子の亮は、体にタトゥーを入れ、職にも就かず母の脛をかじっている。ワインの会でるいは、日本の金融市場を変えたいと語る金融庁の若手官僚、17歳年下の鈴木行と出会い、彼の本を出す話を持ちかける。行の妻・万理江は素麺会社の社長の娘で、世間知らずのお嬢様だ。偶然るいの隣に越してきた万理江は、夫の相手とは知らずにるいと親しくなる。
出張先のシンガポールで、行はるいのホテルを訪ね、ふたりは結ばれる。帰りの機内で関係を断とうと決めたるいだが、断ち切れない。行が離婚を切り出すと、万理江は自らを傷つけ、その後妊娠を告げるが、それは間違いだった。るいは連絡を絶ち、会社の恩人である大作家・秀月が嫉妬から全作品の引き上げを通告したことで、専務の座からも外される。家を出た行は、危うい買収を進めながら、るいとホテルで暮らし始める。すべてを知った万理江は、るいの職場に嫌がらせの手紙を送り、飼い猫を連れ去り、ふたりの関係を週刊誌に売り、ついには夫を警察に売る。行は金融商品取引法違反の容疑で逮捕され、万理江は離婚を拒んで、愛人は妻になれないとるいに言い放つ。釈放された行はるいと暮らし始めるが、事業で損をさせた男たちに脅され、執行猶予付きの判決が出た翌朝、姿を消す。
2年後、仕事で訪れたシンガポールで、るいは目の前で行が襲われるのを目撃する。病院で付き添い続けたが、行は息を引き取る。長崎の実家でペット用の自然食の事業を始めていた万理江は遺体の引き取りを拒み、るいが遺骨を持ち帰る。1年後、向井は男性の恋人とレストランを開くために引退し、るいを社長に指名する。直後、大手取次会社の倒産で新海社は経営難に陥るが、るいは秀月にも、自分を想う作家の秋夫にも、万理江にまで頭を下げて会社を立て直す。万理江には本の執筆を依頼する。定職に就いた亮は母に、男を見つけろ、そのほうが俺も安心だと言う。
主な出演
鈴木京香中村るい役
40代の辣腕出版プロデューサー。離婚以来恋を封印してきたが、17歳年下の既婚者と恋に落ちる。
中村るいの物語
るいは離婚から20年、恋をせずに生きてきた。金融庁の若手官僚・行に本を書かせることにし、出張先のシンガポールでホテルの部屋を訪ねてきた彼と結ばれる。帰りの機内で別れを決めるが、断ち切れない。隣に越してきた万理江が彼の妻だった。万理江の妊娠を聞いて連絡を絶ち、大作家に作品を引き上げられて専務の座も失いながら、それでも行を受け入れ、ホテルで暮らし始める。嫌がらせの手紙、連れ去られた飼い猫、週刊誌の記事。逮捕された行には、妻ではないため面会もできない。釈放された行は、ある朝姿を消す。2年後、シンガポールで目の前で襲われた彼に付き添い、最期を看取って遺骨を持ち帰る。社長となったるいは、万理江にまで頭を下げて会社を立て直す。
長谷川博己鈴木行役
野心的な若手官僚から証券会社を興した男。万理江の夫で、危うい取引の末に逮捕される。
鈴木行の物語
行はワインの会で、日本の金融市場を変えたいと語り、るいが出した本で名を知られる。出張先のシンガポールで、るいのホテルの部屋を訪ねる。万理江と別れる決意をすると、逆上した妻に携帯電話を壊され、上京した妻の両親に説得される。連絡を絶ったるいを追い続けて受け入れられ、家を出てるいとホテル暮らしをしながら、法すれすれの買収を進める。逮捕されると、情報を漏らしたのはるいではないかと疑うが、警察に売ったのは妻だった。釈放後はるいと暮らすが、事業で損をさせた男たちに仲間になれと脅されて冷たくなり、執行猶予の判決のあと、ある朝姿を消す。2年後、潜伏先のシンガポールで、るいの目の前で襲われ、病院で彼女に看取られて息を引き取る。
深田恭子鈴木万理江役
世間知らずで独占欲の強い行の妻。隣人としてるいと親しくなり、真実を知ると執拗な報復に出る。
鈴木万理江の物語
万理江は素麺会社の社長の娘で、思いどおりにならないと、死んでやると口にする。隣に越してきたるいの鍵を預かり、ペットの世話を引き受ける。行に別れを切り出されると携帯電話を壊して両親を呼び寄せ、自らを傷つけ、やがて妊娠を告げるが、それは間違いだった。るいの部屋に入る夫を見てからは、傷をつけたるいの写真を職場に送りつけ、飼い猫を連れ去り、ふたりの関係を週刊誌に売り、ついには夫を警察に売る。愛人は妻にはなれないと言い放ち、離婚を拒む。夫の拘置中に長崎の実家へ戻り、ペット用の自然食の事業を始める。夫が死んでも遺体は引き取らず、遺骨だけは葬儀のために引き取る。るいに頼まれて本を書き、積もった恨みを吐き出して前へ踏み出す。
綾野剛中村亮役
るいの息子。タトゥーを入れ、職に就かず、両親の離婚に反発しながら母の愛情に飢えている。
YOU愛子役
亮のずっと年上の恋人。元バンドのボーカルでスナックを営み、るいの相談相手になる。
段田安則向井肇役
新海社の社長で、るいの盟友。スキャンダルの中でも彼女の味方であり続ける。
この作品が問いかけるもの
『セカンドバージン』は、40代の女性を恋愛ドラマの中心に据え、その欲望に物語を動かさせた。しかも公共放送の夜10時のドラマ枠で。作品が差し出すのは、長い年月ひとりで生きたあとの性の渇き、夫を持たずに築いた仕事、そして年上の女性を醜聞に、年下の男性を勝者にする古い年齢の算術だ。作品は不倫の代償を容赦なく描き、それは妻の万理江にも及ぶ。狭い世界と、自分のものだと信じていた結婚から、彼女の残酷さは生まれている。それでも作品は、彼女にも自分の道を歩み出させる。放送は同枠で過去最低の初回視聴率から始まり、最終回で同枠最高を記録した。当時テレビではほとんど無名だった長谷川博己は、この作品で広く知られるようになった。残るのは結末のるいの姿だ。悲しみを抱えながら会社を率い、誰に選ばれたかではなく、自分の仕事で測られる女性。