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ストーリー
結末まで書いています。
40代の写真家と売れない女優。野心、母になること、見られることをめぐる女性群像。
奈良リミは、東京で活躍する人気写真家だ。成功し、自立した彼女は、仕事だけでなく女性としての成功とは何かを考えていた。百田なつめは、アルバイトをしながらオーディションに落ち続ける女優志望で、もらえる役は死体ばかり。ある撮影で「完璧な被写体」を見つけたリミが、なつめの写真をインスタグラムに投稿すると、フォロワーは一夜にして急増する。招待状が届き、雑誌の編集者と出会い、初めてのモデルの仕事をこなし、リミの友人・群青あかねが働く芸能事務所に入り、動画配信者の野間ヒラクと恋に落ちる。人気はなつめを傲慢にする。嫉妬したモデル仲間にグループチャットでの軽はずみな発言をさらされ、ネットは炎上し、仕事は消え、なつめは実家に帰りかける。
リミは子どもを持つと決める。かつての恋人で写真の師でもある望月民生は、海外でマラリアにかかって子どもを望めない体になっていた。治療も実を結ばず、ふたりは別れる。友人の助けを得て妊娠したリミは、息子のトワを産む。リミの友人で、ずっと年下の恋人と暮らす田嶌エリコは、ステージ三の乳がんを知り、恋人を遠ざけようとする。
終盤、友人たちと仲直りしたなつめは、ヒラクと一緒に自主映画を作る。コンテストの締め切りには間に合わず、ネットで公開すると再生数は伸びていき、来日したタランティーノ監督に作品を手渡すことに成功する。オーディションに呼ばれたなつめは、ハリウッドで撮影に臨むことになる。リミは仕事と子育ての両立に苦しむ。息子の水疱瘡で撮影を再びキャンセルし、片手間の仕事はいらないと顧客に手を切られる。仕事を辞めようかと考えたとき、エリコの息子・類が、母親がいつもそばにいなくても寂しくなかった、全力で働く母親はかっこいいと言ってくれる。リミの右腕だったマネージャーのゆる子は、愛する人のためにニューヨークへ旅立つ。あかねは事務所を辞め、所属していた歌手と再出発する。エリコは病を乗り越え、ありのままの自分を受け入れる。女性をたたえる賞の授賞式で最後に名を呼ばれたリミは、仕事も女性としての幸せも何も諦めないと語る。物語は、冒頭と同じ場面で閉じる。東京タワーを背に、リミがなつめのインタビュー写真を撮っている。
主な出演
中谷美紀奈良リミ役
東京で活躍する人気写真家。子どもを持つと決め、仕事と子育てのどちらも諦めない。
奈良リミの物語
リミは仕事で成功を手にしながら、女性としての成功とは何かを考えている。決まった相手はいないまま、子どもを持つと決める。再会したかつての恋人で師の民生とは惹かれ合うが、彼は海外でマラリアにかかり、子どもを望めない体になっていた。検査と治療も実らず、民生は身を引く。花屋を営む友人の力を借りて妊娠し、息子のトワを産むと、育児もすべて自分でこなそうとする。トワの水疱瘡で撮影を二度目のキャンセルにすると、片手間の仕事はいらないと顧客に手を切られる。仕事を辞めようかと考えたとき、エリコの息子の類に、全力で働く母親はかっこいいと言われる。授賞式では、仕事も女性としての幸せも何も諦めないと語り、最後はまた、なつめにカメラを向けている。
池田エライザ百田なつめ役
芽の出ない女優志望。リミの投稿で注目を浴び、ネットの名声の代償を知る。
百田なつめの物語
なつめはオーディションに落ち続け、もらえる役は死体ばかり。リミが写真を投稿すると、一夜でフォロワーが増え、モデルの仕事、事務所、動画配信者のヒラクとの恋がやってくる。やがて傲慢になり、嫉妬したモデル仲間にグループチャットでの軽はずみな言葉をさらされて炎上する。新しい役の出演場面はスポンサーの意向ですべてカットされ、ヒラクとの交際を否定する謝罪動画を求められると、それを拒んで事務所を離れる。実家に帰りかけたが、友人たちと仲直りし、ヒラクと自主映画を作る。コンテストには間に合わなかったが、ネットで広まったその作品を来日したタランティーノ監督に手渡し、オーディションに呼ばれてハリウッドへ。最後は、リミに取材の写真を撮ってもらう。
夏木マリ田嶌エリコ役
リミの年上の友人。ずっと年下の恋人と暮らし、乳がんと向き合う。
田嶌エリコの物語
エリコは、パーティー会場でよろけたところを抱きとめてくれたジムトレーナーの季生と恋に落ちる。季生が息子の類に嫉妬すると、三人で暮らすことにし、類も、自分がはまるオンラインゲームの最強の戦士が季生だと知って打ち解けていく。やがて胸のしこりから、ステージ三の乳がんがわかる。事情を尋ねる季生に、別れるつもりの相手に話す必要はないと言い、彼を自由にしようとする。女友達の集まりで病を打ち明け、やがて病を乗り越える。もう結婚はしないと誓っていたが、季生の心のこもったプロポーズと類の後押しを受けて、結婚を決める。病を越えたいまの自分を、そのまま受け入れて。
板谷由夏群青あかね役
芸能事務所で働くリミの友人。なつめを預かり、やがて所属歌手とともに再出発する。
金子ノブアキゆる子役
リミのマネージャーで右腕。最後は愛する人のためにニューヨークへ旅立つ。
上杉柊平野間ヒラク役
動画配信者で、なつめの恋人。彼女と一緒に自主映画を作る。
この作品が問いかけるもの
蜷川実花にとって初めての連続ドラマとなったこの作品は、すべてを一度に手に入れようとする東京の女性たちの肖像であり、いまや誰がそれを手にするかを決める「注目」という仕組みの肖像でもある。頂点に立つ写真家の隣に、いいねと流出したグループチャットとネットの炎上によって人生を上げ下げされる女優を置き、見られることは価値を認められることと同じなのかと問う。パートナーを持たずに子どもを産むと決める女性、出産後も変わらず働き続ける母、年下の恋人と病を抱える年長の女性も描かれる。結局は美貌と富と勢いという古い成功のイメージのままだと批判する感想もあった。最終話でリミが口にする、最大のフォロワーは自分自身だという言葉は、この作品の主張であり、同時に残される問いでもある。