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Cinema 月明かりの映画館

チャレンジャーズ

Challengers

2024映画アメリカ

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

テニスの三角関係。試合そのものがラブシーン。

映画は13年の時間を行き来しながら語られる。順を追えば、こうなる。2006年、親友同士のアート・ドナルドソンとパトリック・ズワイグは全米オープンのジュニアのダブルスで優勝し、女子の新星タシ・ダンカンにそろって心を奪われる。ふたりのホテルの部屋にやってきたタシは両方にキスをし、ふたりにもキスをさせてから部屋を出ていく。翌日のシングルス決勝で勝ったほうに電話番号を教える、と言い残して。勝ったのはパトリックで、彼はタシの恋人になる。アートはタシと同じスタンフォード大学へ進み、パトリックはプロに転向する。アートはそれぞれに、相手は本気ではないとささやく。パトリックと口論し、試合も見に来てもらえなかった日、タシはコート上で膝の靱帯を断裂し、選手生命を絶たれる。彼女はパトリックを追い返し、アートは彼女の側につく。ふたりの友情はそこで終わる。

タシはアートのコーチになり、恋人になり、妻になる。アートは勝ち上がっていく。2011年、婚約中のタシはパトリックと一夜を過ごす。2019年、裕福な夫婦となったふたりには幼い娘がいる。生涯グランドスラムまであと一冠のアートは、けがと疲れで勝てなくなっていた。自信を取り戻させるため、タシは彼をニューロシェルの小さなチャレンジャー大会に出場させる。そこには、金に困り車で寝泊まりするパトリックもエントリーしていた。アートはタシに、今季かぎりで引退すると告げる。ふたりの男が決勝で当たる前夜、タシはパトリックにわざと負けてほしいと頼み、ふたりは彼の車の中で体を重ねる。

決勝は最終セットにもつれこむ。アートのマッチポイントで、パトリックはサーブの前にアートの昔の癖をまねてみせる。少年のころ、タシと寝たらそうして知らせると約束した合図だった。アートはそれを読み取り、そのポイントを落とし、試合はタイブレークへ進む。ふたりは何年ぶりかという打ち合いを始める。ボレーに跳んだアートがネット越しにパトリックとぶつかり、ふたりは抱き合う形になる。スコアは映されない。タシは席から跳び上がり、「カモン」と叫んで笑顔を見せる。

主な出演

  • ゼンデイヤタシ・ダンカン役

    膝のけがで選手生命を絶たれた天才少女。親友同士の一方のコーチとなり妻となり、もう一方とも関係を続ける。

    タシ・ダンカンの物語

    女子テニスの新星だったタシに、アートとパトリックはそろって心を奪われる。彼女はふたりにキスをし、ふたりにもキスをさせ、決勝で勝ったほうに電話番号を教えると言い残す。望みはいいテニスを見ることだと彼女は言う。パトリックと付き合うが、口論のすえ試合を見に来てもらえなかった日、膝の靱帯を断裂して二度とプレーできなくなり、彼を追い返す。アートのコーチになり、妻になり、2011年、婚約中にパトリックと一夜を過ごす。2019年、勝てなくなり引退を口にするアートのために、決勝でわざと負けてほしいとパトリックに頼み、彼の車の中で体を重ねる。ふたりの男がタイブレークで何年ぶりかの打ち合いを見せると、タシは席から跳び上がり、「カモン」と叫ぶ。

  • ジョシュ・オコナーパトリック・ズワイグ役

    アートの少年時代からの親友で、タシの最初の恋人。才能がありながら下部ツアーで食いつないでいる。

    パトリック・ズワイグの物語

    パトリックはジュニアの決勝に勝ち、タシと付き合いはじめる。プロに転向して遠距離で付き合うものの、コーチのように口を出す彼女と口論になり、試合を見に行かない。その日にけがをしたタシに追い返され、彼女の側についたアートとの友情も終わる。2011年、アートと婚約していたタシと一夜を過ごす。2019年には金に困り、車で寝泊まりしている。ニューロシェルではアートを挑発し、和解しようとして突き放される。決勝の前夜、わざと負けてほしいとタシに頼まれ、嫌悪しながらも承知して、車の中で彼女と体を重ねる。アートのマッチポイントで、彼は少年時代の合図を送る。続くタイブレークの果てに、ふたりはネット越しに抱き合う形になる。

  • マイク・ファイストアート・ドナルドソン役

    タシの夫で、彼女に指導されてきた一流選手。キャリアの終わりを前に、勝つ意欲を失いかけている。

    アート・ドナルドソンの物語

    アートは親友パトリックと同じくらいタシに惹かれ、最初は彼に負ける。タシと同じスタンフォード大学に進むと、ふたりのそれぞれに、相手は本気ではないとささやき、彼女がけがをすると彼女の側について友情を終わらせる。コーチとなった彼女と恋人になり、結婚し、勝ち上がっていく。2011年、婚約中の彼女がパトリックと一夜を過ごしたことにも気づく。2019年、生涯グランドスラムまであと一冠の彼は、けがと疲れで勝てず、今季かぎりでの引退をタシに告げる。ニューロシェルでは、和解を求めるパトリックを突き放す。決勝のマッチポイントでパトリックの昔の合図を読み取り、そのポイントを落とす。タイブレークでボレーに跳び、ネット越しにパトリックと抱き合う形になる。

この作品が問いかけるもの

『チャレンジャーズ』は、誰も自分の望みを口にしない三角関係の映画で、だからこそ欲望はコートの上にあふれ出す。大学時代に選手生命を絶たれたタシの野心には、自分を愛するふたりの男のほかに行き場がない。ひとりを指導し、もうひとりと寝る。出会った夜に彼女が言ったとおり、望みはいいテニスを見ることだ。映画は、アートとパトリックの対抗心に、ふたりが名づけない惹かれ合いを乗せる。そして勝負へのこだわりそのものを、性と同じくらい親密で独占的な欲望として描く。世界で9600万ドルの興行収入をあげ、トレント・レズナーとアッティカス・ロスの音楽はゴールデングローブ賞を受けた。残る問いは、三人が愛しているのは互いなのか、勝負なのか。そして若くして勝つことに形づくられた人間にとって、そのふたつがそもそも別のものだったのか、ということだ。