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Cinema 月明かりの映画館

フォール・フォー・ミー

Fall for Me

2025映画ドイツ

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

マヨルカで妹を訪ねた女が婚約者を疑い、見知らぬ男と寝る。ドイツ製Netflixエロティック・スリラー。

ドイツで監査の仕事をするリリーは、マヨルカ島に暮らす妹ヴァレリアを訪ねる。島の出身だった母は、リリーが18歳、ヴァレリアが10歳のときに亡くなり、以来リリーが妹の面倒を見てきた。そのヴァレリアが、出会って4か月半のフランス人マニュと婚約していた。ふたりは民宿を開くつもりで、妹は母の遺したお金をすでにその計画に注ぎこみ、姉妹が半分ずつ相続した母の家も売りたいと言う。リリーは首を縦に振らない。ナイトクラブで、彼女は店を任されているドイツ人のトムと出会い、関係を持つ。

不動産投資家のニックが家に90万ユーロを提示し、トムが連れてきた鑑定士も売るべきだと勧める。だが話は少しずつ合わなくなる。マニュは、勤めていると言ったホテルにいない。彼の元恋人は、自分も金をだまし取られた、妹さんも同じ目に遭っている、とリリーに告げるが、ヴァレリアは耳を貸さない。民宿のための土地は売りに出てなどおらず、姉妹の土地には高級リゾートの建設が予定されていた。ニックの屋敷で開かれた誕生日会で、リリーはマニュもトムも鑑定士も、みな彼の側の人間だと知る。トムの荷物からは本名あての封筒と、姉妹の写真を集めたファイルが出てくる。水道管を壊したのも、バッグを盗ませたのも自分だとトムは認める。それでも、すべてが嘘だったわけではないと言う。

マニュを疑い始めたヴァレリアは元恋人の女性を訪ね、浴槽で死んでいる彼女を見つける。警察は自殺として扱う。マニュを問い詰めたヴァレリアは崖の上で銃を突きつけられ、ニックの妻はリリーに署名を迫る。すでに警察を呼んでいたトムは、時間を稼ぐためにリリーに署名させると、マニュから銃を奪い、リリーと契約書ごと崖から海へ飛びこむ。マニュとニックの妻は逮捕され、トムは自首すると告げる。1年後、島に戻ったリリーを迎えたのは、母の家を民宿に変えたヴァレリアと、彼女を待っていたトムだった。

主な出演

  • スヴェニア・ヤングリリー役

    妹を案じてマヨルカ島を訪れたドイツの監査人。妹を狙う詐欺の、もうひとりの標的になる。

    リリーの物語

    リリーは18歳で母を亡くしてから、10歳だった妹ヴァレリアの面倒を見てきた。マヨルカ島で、出会って4か月半の男と婚約し、母の家を売りたがる妹に、彼女は首を縦に振らず、マニュの素性を調べはじめる。同じころナイトクラブのトムに惹かれ、彼が連れてきた鑑定士の言葉に押されて、ニックの買値に応じることにする。やがて、土地には高級リゾートの計画があり、トムもニックの側の人間で、姉妹の写真まで集めていたと知る。それでも彼女はトムのもとへ戻ってしまう。崖の上で妹が銃を突きつけられると、時間を稼げというトムの言葉に従って署名し、彼とともに契約書ごと海へ飛びこむ。1年後、島に戻った彼女を、母の家で民宿を営む妹と、待っていたトムが迎える。

  • テオ・トレブストム役

    島のナイトクラブを任されているドイツ人。計画の一部としてリリーに近づき、やがて計画に背く。

    トムの物語

    トムはニックの側の人間で、リゾートのために姉妹の土地を手に入れる計画の中で、リリーを受け持っている。姉妹が署名すれば、ニックの妻から別荘をもらう約束だった。彼はリリーを誘惑し、母の家の水道管を壊し、クラブでバッグを盗ませ、売るべきだと言う鑑定士を連れてくる。本名あての封筒と姉妹の写真を集めたファイルを見つけられると、すべてを認めながら、何もかもが嘘だったわけではないと言い張る。マニュを問い詰めに行く姉妹に手を貸し、崖の上でヴァレリアが銃を突きつけられると、時間を稼ぐためにリリーに署名させ、マニュから銃を奪って、彼女と契約書もろとも海へ飛びこむ。警察はすでに彼が呼んでいた。自首すると告げた彼は、1年後、島に戻ったリリーを待っている。

  • ティヤン・マライヴァレリア役

    リリーの妹。出会って4か月半のマニュと婚約し、母の家を売ろうとしている。

    ヴァレリアの物語

    ヴァレリアは10歳で母を亡くし、姉のリリーに育てられた。出会って4か月半のマニュと婚約し、ふたりで開く民宿のために母の遺したお金を注ぎこみ、母の家まで売ろうとしている。姉の忠告には耳を貸さず、ニックの契約書に署名もしてしまう。疑いが芽生えるのは遅い。マニュがほかの女性たちも口説いていたと知り、彼の元恋人を訪ねて、彼女が死んでいるのを見つける。マニュを問い詰めると崖の上へ連れ去られ、姉に署名させるための人質として銃を突きつけられる。トムがリリーと契約書を抱えて海へ飛びこんで計画は崩れ、マニュは逮捕される。1年後、彼女は母の家を民宿に変え、島に戻ってきた姉を迎える。

  • ヴィクトール・ムーテレマニュ役

    ヴァレリアのフランス人の婚約者。ホテル勤めを名乗り、彼女の財産に近づいている。

  • トーマス・クレッチマンニック役

    姉妹の家に買値をつける不動産投資家。その土地には高級リゾートの計画がある。

この作品が問いかけるもの

『フォール・フォー・ミー』の土台にあるのはロマンス詐欺だ。相手が聞きたがっている言葉を調べあげ、署名するまで言い続ける手口である。映画は、同じ計画に絡めとられる姉妹を反対側から描く。妹は、姉がひと目で見抜いた婚約者を信じる。姉は疑い深いのに、自分の担当として送りこまれた男に惹かれていく。ふたつの誘惑の奥には、亡き母の家を安く買いたたき、リゾートに変える取引がある。愛情と土地が、同じ取引の中で持ち主を変えていく。詐欺を見抜くことと、それが差し出すものを欲しがらずにいることは別なのだと、映画はいちばん正直な場面で示している。結末は、罪を告白した男をリリーのそばに残す。残る問いは筋書きよりも重い。仕事として作られた感情は本物になりうるのか。そうなるまでに、信じた側は何を払うのか。