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Cinema 月明かりの映画館

正しい日 間違えた日

Right Now, Wrong Then

2015映画韓国

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

映画監督と画家の一日を、ひとつの正直さだけ変えて二度語る。

名の知れた芸術映画の監督ハム・チュンスは、自作の上映会の前日に水原に着いてしまい、時間をもてあましている。寺のお堂で若い女性ユン・ヒジョンを見かけて声をかけると、彼女は彼の名前を知っていて、一緒にコーヒーを飲むことになる。映画はそこから先の一日を、二度語る。

一度目。監督は映画祭のスタッフの若い女性ボラにも言い寄り、電話すると約束して、かけないままにする。ヒジョンは、以前モデルをしていたが虚しかったこと、今は絵を描いていることを話す。監督はアトリエで彼女の絵をほめ、寿司屋で焼酎を飲みながら、きれいだ、友達以上に好きだと言い、ポケットを探って指輪を渡そうとする。先輩のカフェでの集まりで、ヒジョンが監督に絵をほめられた話をすると、年上の友人スヨンは、彼はインタビューで同じことを何度も言っている、女好きで結婚もしていると暴く。監督はそれを認める。酔ったヒジョンは別の部屋で横になり、近づいてきた監督に帰ってと言う。家に帰ると母に叱られる。翌日、二日酔いの監督は上映後の対談で怒りだし、ソウルへ帰っていく。

二度目の監督は、もっと正直だ。アトリエでは、この絵は自分のためだけに描かれているようだ、もっと大胆になるべきだと言い、ヒジョンを怒らせる。それでも彼女は彼を屋上へ連れていき、自分の家がどこにあるかを指さす。寿司屋では、君と結婚したいが自分には妻と子どもが二人いると打ち明けて泣きだし、ヒジョンはもっと早く出会えていたらと言う。監督は道で拾った指輪を渡し、ヒジョンはそれを結婚指輪と呼ぶ。カフェで酔った監督は、彼女の友人たちの前で服を脱いでしまう。帰り道、母からの電話でその話を聞いたヒジョンは声をあげて笑う。彼女は監督の頬に口づけし、また出てくると約束して家に入るが、外でタバコを吸って待っていた監督は、やがてあきらめる。翌日の対談はうまくいく。ヒジョンは彼の映画を観に来て、監督は彼女の席まで別れを言いに行く。これからはあなたの映画を全部観る、とヒジョンは言う。上映のあと、彼女は降りしきる雪の中を歩いていく。

主な出演

  • チョン・ジェヨンハム・チュンス役

    上映会のため一日早く水原に着いた既婚の映画監督。若い画家を口説いて一日を過ごす。

    ハム・チュンスの物語

    チュンスは名の知れた芸術映画の監督。一日早く水原に着き、寺のお堂で若い画家ヒジョンに声をかける。映画は彼に同じ一日を二度与える。一度目の彼はお世辞を重ねる。インタビューで使い回した言葉で絵をほめ、焼酎を飲みながら好きだと言い、持ってもいない指輪を探し、結婚していることは彼女の友人に暴かれるまで隠している。帰ってと言われた翌日、二日酔いのまま上映後の対談で怒りだす。二度目の彼は、もっと大胆に描くべきだと率直に告げ、妻と子どもが二人いると打ち明けて、結婚できるものならしたいと泣き、道で拾った指輪を渡し、彼女の友人たちの前で服を脱いでしまう。家の前で待ってもヒジョンは出てこないが、翌日の対談はうまくいき、彼女は映画を観に来る。

  • キム・ミニユン・ヒジョン役

    水原で母と暮らし、絵を描いている元モデル。監督の名声とまなざしに惹かれる。

    ユン・ヒジョンの物語

    ヒジョンはモデルをしていたが虚しさを覚え、今は水原で母と暮らしながら絵を描いている。寺のお堂で有名な監督チュンスに声をかけられると、映画は観たことがなくても名前は知っていて、その日を彼と過ごす。一度目の彼女は、ほめ言葉がインタビューの受け売りで、彼が既婚者だと友人の口から知り、帰ってと言い、酔って帰った家で母に叱られる。二度目は、絵への率直な批評に腹を立てながらも、屋上に連れていって自分の家を指さし、もっと早く会いたかったと言い、拾った指輪を結婚指輪と呼ぶ。服を脱いだ彼の話を聞いて笑い、頬に口づけし、また出てくると約束したまま戻らない。翌日、彼の映画を観に来て、これからは全部観ると告げ、降りしきる雪の中を歩いていく。

  • ユン・ヨジョンヒジョンの母役

    ヒジョンの母。一度目では酔って帰った娘を叱り、二度目では監督の振る舞いを面白がる。

  • チェ・ファジョンパン・スヨン役

    カフェの集まりにいるヒジョンの年上の友人。一度目では、監督のほめ言葉がインタビューの受け売りで、彼が既婚者だと暴く。

  • コ・アソンヨム・ボラ役

    水原の映画祭の若いスタッフ。一度目では監督に言い寄られ、電話すると約束されたまま放っておかれる。

  • ユ・ジュンサン対談の司会者役

    上映後の対談で司会を務める評論家。一度目では、その質問が二日酔いの監督を怒らせる。

この作品が問いかけるもの

『正しい日 間違えた日』は、ひとつの恋がどれほどひと言に左右されるかを問う。同じ男が同じ日に同じ女と出会い、屈辱に終わるか、やさしい記憶として残るかの違いは、彼が本当のことを言うかどうかにかかっている。結婚していること、彼女の絵がまだ大胆ではないこと、手に入らないものを欲しがっていること。ホン・サンスは監督の虚栄心と酒と口説き文句に容赦がなく、それを半ば求めてしまう若い女性にも甘くない。けれど二度目の一日は、不器用でも、裸になってさえも、正直であることがふたりに何かを残させるのだと示唆する。2015年のロカルノ国際映画祭で金豹賞を受け、チョン・ジェヨンは主演男優賞を得た。ホン・サンスがキム・ミニと組んだ最初の作品でもある。どちらの日が正しかったのか、映画は言わない。ただ両方を見せる。