モラルセンス ~君はご主人様~
Love and Leashes
ストーリー
結末まで書いています。
同僚同士が3ヶ月のSM契約を結ぶ。キンクを“告白”ではなく“交渉”として描いた稀有なラブコメ。
広報会社で働くチョン・ジウは有能なチームの管理職だが、男性の同僚たちにいつも軽んじられ、話をさえぎられている。新しく来た同僚チョン・ジフは、何もかも完璧に見える男だ。名前が似ているせいで、彼宛ての小包がジウの机に届き、開けると革の首輪とリードが入っている。犬用だと言い張るジフだが、箱からアダルトショップのクーポンが落ちる。
ジウが自分の命令口調を詫びると、ジフはそれを「支配する側」だという告白だと受け取り、自分のご主人様になってほしいと頼み込む。彼女は断る。やがてジフは涙ながらに、元恋人に嗜好を理由に振られて以来、自分を恥じてきたと打ち明け、ジウは、あなたを変態だとは思わないと答える。なぜ自分なのかと尋ねると、彼は、彼女の自信と大人らしさと誠実さを挙げる。ジウは引き受け、ひと晩かけて支配と服従の世界を調べ、ふたりは三か月の契約を結ぶ。彼女が支配し、彼が従う。
終業後のオフィスでも重ねられる時間に、ジウはのめり込み、同時に戸惑う。恋人になってと言うと、ジフは誰とも付き合わないと答える。ふたりは、暴力的な男に追いつめられた親友ヘミをラブホテルから救い出す。契約の最終日、ジフの元恋人ハナは、あなたが人を愛せないのは身勝手だからだと言い残す。最後の時間、ジフはジウに口づけし、愛していること、傷つくのが怖かったことを打ち明けるが、ジウは去る。そこへ若手社員のイ・ハンが、ふたりの時間を記録した音声を誤って社内に一斉送信してしまう。幹部たちの聞き取りが嫌がらせじみてくると、ジフはすべての責任をかぶろうとする。ジウは合言葉で彼を止めるが、彼は言葉を続け、彼女と一緒にいたいと宣言する。ジウはハンに頼み、幹部たちの不倫の記録を社内に送らせ、幹部たちは停職になる。ふたりは公然と付き合いはじめ、主従の関係もそのまま続けていく。
主な出演
ソヒョンチョン・ジウ役
男性の同僚に軽んじられる有能な広報の管理職。新しい同僚の「ご主人様」になることを引き受ける。
チョン・ジウの物語
命令口調を詫びただけなのに、新しい同僚ジフにご主人様になってほしいと頼まれ、ジウは断る。だが、元恋人に嗜好を理由に振られて以来自分を恥じてきたと泣く彼に、変態だとは思わないと告げる。なぜ自分なのかと問うと、彼は自信と大人らしさと誠実さを挙げる。ジウは引き受け、ひと晩かけて支配と服従を調べ、三か月の契約を結ぶ。やがてふたりの時間にのめり込み、それ以上を望むが、彼は誰とも付き合わないと言う。最後の夜、口づけして愛を告げる彼を置いて、彼女は去る。音声の流出で幹部に呼ばれると、責任をかぶろうとする彼を合言葉で止めるが、彼は愛を宣言する。ジウはハンに幹部たちの不倫を暴かせ、ジフと公然と付き合いはじめ、主従の関係も続けていく。
イ・ジュニョンチョン・ジフ役
完璧に見える新しい同僚。服従したいという欲望を恥じながら、ジウに主人になってほしいと願う。
チョン・ジフの物語
ジフは、元恋人ハナに嗜好を理由に去られて以来、自分の欲望を恥じてきた。首輪とリードが誤ってジウに届くと、犬用だと言い張る。命令口調を詫びる彼女の言葉を告白と受け取ってご主人様になってほしいと頼み込み、理由を語って、三か月の契約を結ぶ。ジウがほかの社員に命令すると嫉妬するのに、恋人にはなれないと言う。契約の最終日、ハナに、人を愛せないのは身勝手だからだと言われ、その夜ジウに口づけして、愛していること、傷つくのが怖かったことを打ち明ける。音声が流出して幹部に呼ばれると責任をすべてかぶり、ジウが合言葉で止めても言葉を続けて、彼女と一緒にいたいと宣言する。ふたりは公然と付き合いはじめ、主従の関係も続けていく。
アン・スンギュンイ・ハン役
ジウを慕う若手社員。誤って音声を流出させ、のちに彼女の反撃に手を貸す。
イ・エルヘミ役
ジウの親友でドッグパブの経営者。従う側の嗜好を持ち、相手の男が暴力をふるいだしたとき助けを求める。
この作品が問いかけるもの
『モラルセンス ~君はご主人様~』は、支配と服従をめぐる性の嗜好を、告白すべき暗い秘密ではなく、大人ふたりが交渉するものとして描いた大衆向けのラブコメディだ。その仕組みは同意にある。書面の契約、決められた期間、合言葉。そしてそのどれも守らない男から救い出される友人。舞台は、有能な女性が日常的に話をさえぎられる職場であり、私的な場での彼女の主導権は、公の場で受ける扱いへの応答のようにも見える。評価は分かれた。香港の英字紙は偏見を拭おうとする姿勢を認めつつ物足りなさを指摘し、韓国の評者は題材が観客を選ぶと述べた。ひとつ、ほどかれない結び目が残る。クライマックスでジウが合言葉を口にしても、ジフは話し続け、物語はそれを愛と呼ぶ。献身と、相手の声を聞かないことの境目はどこにあるのか。