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Cinema 月明かりの映画館

フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ

Fifty Shades of Grey

2015映画アメリカ

465作品の星図のなかで見る

Moonlightの読みもの

Books『Fifty Shades of Grey』は、ファンタジーと現実の境界線をどこまで教えてくれるのかこの一篇を読む

Journalでの言及

Journalファンタジーは依頼ではない。

ストーリー

結末まで書いています。

契約、赤い部屋、そして「これはSMか虐待か」という10億ドル規模の論争。続編2017・2018。

ワシントン州立大学で英文学を学ぶ21歳のアナスタシア・スティール、通称アナは、風邪をひいたルームメイトのケイトに代わって、学生新聞のために27歳の億万長者クリスチャン・グレイを取材する。シアトルの本社でしどろもどろになりながらも、ふたりは互いに惹かれ合う。クリスチャンはアナがアルバイトをするホームセンターに現れる。コーヒーの席では、自分はきみにふさわしい男ではないと言い、そのあとトマス・ハーディの初版本を、恋愛の危うさを説く一節とともに贈ってくる。卒業祝いの夜、酔って電話で文句を言ったアナのもとに、彼はバーまでやってくる。友人のホセが無理やりキスしようとしたところだった。翌朝、アナは彼のホテルの部屋で目を覚まし、何もなかったことに胸をなでおろす。

エレベーターでのキス、ヘリコプターでの飛行のあと、クリスチャンは秘密保持契約への署名を求める。自分は支配する側で、契約で定めた条件の関係しか持たないのだと明かし、「赤い部屋」を見せる。処女だったアナは彼と一夜を過ごし、条件の交渉を始める。彼は、15歳のときに家族ぐるみの知り合いだった女性から支配の性愛を教えこまれたと語る。アナが「ミセス・ロビンソン」と呼ぶその女性がしたことは、大人による少年への性的虐待である。両親は今も何も知らない。クリスチャンはアナに車やパソコンを贈り、彼女の古い車を無断で売ってしまう。アナは契約をいったん拒むが、説得されて関係を続ける。

母親に会いにジョージアへ行くとアナが告げると彼は怒り、呼ばれもしないのに現地まで追ってくる。アナは一方的な取り決め以上のものを望むが、彼の心は遠いままだ。彼を理解しようと、アナは、いちばん重い罰を見せてほしいと頼む。クリスチャンは彼女を何度も打ち、その数を声に出して数えさせる。打ちのめされたアナは、愛していると告げながら、こんなことは受け入れられないと言う。自分は壊れていて、きみの望む関係は持てないと彼は答える。アナは去る。エレベーターの前で彼が「アナ」と呼ぶと、彼女は「クリスチャン」とだけ返し、扉がふたりのあいだで閉まる。

主な出演

  • ダコタ・ジョンソンアナスタシア・スティール役

    恋に夢を抱く21歳の英文学専攻の学生。愛する前に、契約書への署名を求められる。

    アナスタシア・スティールの物語

    アナは風邪をひいたルームメイトの代わりにクリスチャン・グレイを取材し、彼に惹かれていく。コーヒーの席で自分はロマンチストだと話すと、彼は去っていく。酔って電話で彼をなじった翌朝は、彼のホテルで目を覚ます。契約のもとでしか関係を持たないと聞かされると、自分は処女だと打ち明けて彼と一夜を過ごし、条件の交渉を始める。車やパソコンを受け取り、契約を一度は拒むが、説得されて関係を続ける。彼が与える以上のものを求める彼女は、いちばん重い罰を見せてほしいと頼み、打たれるたびに、その数を数えさせられる。愛していると告げつつ、こんなことは受け入れられないと言って彼のもとを去る。エレベーターの前で名を呼ばれると、彼の名だけを返し、扉が閉まる。

  • ジェイミー・ドーナンクリスチャン・グレイ役

    シアトルの27歳の億万長者。アナを求めるが、契約の条件のもとでしか関係を持とうとしない。

    クリスチャン・グレイの物語

    クリスチャンは、取材に来た学生アナに惹かれ、彼女が働くホームセンターに現れる。コーヒーの席では自分はきみにふさわしくないと告げ、警告の一節を添えてハーディの初版本を贈る。ホセが彼女に無理やりキスしようとしたバーに駆けつける。秘密保持契約への署名を求め、赤い部屋を見せ、彼女と一夜をともにする。15歳のとき家族ぐるみの知り合いの女性に支配の性愛を教えこまれたと語るが、それは大人による少年への性的虐待であり、両親は今も知らない。彼女の古い車を無断で売り、ジョージアまで呼ばれもせずに追っていく。最悪の罰を見せてと頼まれると、何度も打ちすえ、その数を数えさせる。自分は壊れていて、きみの望む関係は持てないと言い、去っていく彼女を見送る。

  • マーシャ・ゲイ・ハーデングレース・トレベリアングレイ医師役

    クリスチャンの養母で医師。家族ぐるみの友人が15歳の息子を虐待していたことを、今も知らない。

  • ジェニファー・イーリーカーラ・ウィルクス役

    ジョージアに暮らすアナの母。アナが会いに行くと、クリスチャンが呼ばれもせず追ってくる。

  • ヴィクター・ラサックホセ・ロドリゲス役

    アナの親しい友人の写真家。卒業祝いの夜、彼女の意思に反してキスしようとする。

この作品が問いかけるもの

『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』は、主流の恋愛映画のまんなかに支配と服従の契約を置いた。作中の契約書は、クリスチャンが差し出すものの中でいちばん正直だ。限度は書き出され、交渉される。だがそれ以外のふるまいの多くは、どんな合意にも基づかない。招かれていない場所に現れ、彼女の車を無断で売り、愛情を規則どおりに出し惜しむ。物語はそのすべてを愛として受けとめるよう彼女を誘う。映画がいちばん明晰になるのは結末だ。アナは彼の望む最悪のものを見せてほしいと頼み、見たうえで立ち去る。世界で約5億7000万ドルを稼ぐ一方、ゴールデンラズベリー賞の最低作品賞も受けた。日本では性描写の一部にぼかしを入れた再編集版で公開された。残るのは、空想と切り離して考えたい問いだ。書面の「はい」は、その外で起きるすべてを引き受けられるのか。