EN
メニュー

Cinema 月明かりの映画館

Sanctuary サンクチュアリー

Sanctuary

2022–2023映画アメリカ

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

後継者が自分を“会議室向けに調教した”ドミナトリクスとの関係を終わらせようとする。ホテルの一室、一夜。

高級ホテルのスイートで、ハル・ポーターフィールドがルームサービスを頼んでいる。そこへレベッカ・マリンが現れ、父の築いたホテルチェーンの最高経営責任者にふさわしいかどうか、彼の面接を始める。質問はしだいに私的になり、やがて屈辱的なものに変わっていく。彼女はドミナトリクスで、ハル自身が書いた台本どおりに演じているのだ。下着姿でバスルームを掃除させたあと、彼女は彼に絶頂を許す。役を降りた夕食の席で、ハルは、父の死を受けて会社を継ぐこと、ふたりの関係は新しい生活にそぐわないことを告げ、別れの品として高価な腕時計を差し出す。レベッカは気分を害して出ていく。

彼女は戻ってくる。ハルの父の経営書を引きながら、あなたにこの仕事は務まらないと言い放ち、初年度の報酬の半分、400万ドルを要求する。払わなければ、これまでのセッションの録画を公にする、と。平静を装っていたハルは、やがて隠しカメラを探して部屋じゅうを荒らし、彼女にあざ笑われ、誤って感電する。床に倒れたまま、ふたりの関係はただの取引で、その気になれば彼女を消すこともできると言う。するとレベッカはナイフを突きつけて彼に関係を強い、子どもができれば一生離れられなくなる、と告げる。

ハルは送金の手配をするが、エレベーターの前で彼女を引き止め、二度と脅さないという保証を求める。拒む彼女を部屋に引き戻すと、レベッカはひそかに撮っていた映像を見せる。ハルは彼女をベッドに縛りつけ、消せと迫る。だが彼女は、ほかに客はいない、このセッションの中でしか自分らしくいられないのだと打ち明ける。ハルがセーフワードの「サンクチュアリ」を口にしても、彼女はやめない。もう遊びではないのだ。彼女を殺して自分も死ぬとハルが脅すと、レベッカは最後の役を提案する。自分が彼の亡き父を演じるというのだ。彼女に導かれ、ハルは、自分は父とは違うし、同じになる必要もない、と口にする。ふたりは抱きあったまま眠りに落ちる。

翌朝、母から会社を託される式典へ向かう途中で、ハルは、代わりにレベッカが会社を率いてはどうか、自分はそばにいる、と持ちかける。お母さまにはどう説明するのかと聞かれ、彼は答える。愛しあっていると言う、と。ふたりは口づけを交わす。

主な出演

  • マーガレット・クアリーレベッカ・マリン役

    ドミナトリクス。いちばん大切な客に関係を終わらせると告げられ、腕時計ひとつで片づけられることを拒む。

    レベッカ・マリンの物語

    レベッカは、ハルの書く台本どおりの役を見事に演じてきた。夕食の席で関係の終わりを告げられ、腕時計を差し出されると、いったん出ていくが、すぐに戻ってきて彼の亡父の経営書を引き、あなたに会社を率いる資格はないと言い放ち、録画と引き換えに400万ドルを要求する。隠しカメラを探して部屋を荒らす彼をあざ笑い、ナイフを突きつけて関係を強いる。子どもができれば一生離れられない、と。ベッドに縛りつけられると、客はあなただけ、このセッションの中でしか自分でいられないと打ち明け、セーフワードを聞いてもやめない。亡き父を演じて、自分は父とは違う、と彼に言わせる。翌朝、会社を率いてほしいと彼に頼まれ、ふたりは口づけを交わす。

  • クリストファー・アボットハル・ポーターフィールド役

    亡き父のホテルチェーンを継ごうとしている御曹司。自分の服従の台本を書いてきたが、それをやめようとする。

    ハル・ポーターフィールドの物語

    ハルは何か月も、レベッカに自分を辱めさせる台本を書いてきた。父が亡くなり、会社を継ごうとしている今、夕食の席で終わりを告げ、腕時計を差し出す。脅迫されると平静を装うが、やがて隠しカメラを探して部屋を荒らし、感電して倒れ、これはただの取引だ、その気になればきみを消せる、と言う。送金を手配したあと、エレベーターの前で彼女を部屋に引き戻し、ベッドに縛りつけ、セーフワードを口にし、彼女を殺して自分も死ぬと脅す。亡き父を演じる彼女に導かれ、自分は父とは違う、同じになる必要もない、と口にする。翌朝、会社を託される式典へ向かう途中、代わりに会社を率いてほしいと彼女に頼み、母には愛しあっていると言う、と告げる。

この作品が問いかけるもの

『サンクチュアリー』は、ふたりの倒錯的な関係を、しばしば実際にそうであるものとして描く。台本があり、報酬があり、セーフワードがあり、どちらも自分が主導権を握っていると信じている、ひとつの契約として。腕時計とひと言でそれを終わらせようとするハルを前に、映画は問う。取引は、その向こう側にいる人間に何を負っているのか。相手に頼まれて命じる側と、命じられる側。本当に支配しているのはどちらなのか。これは相続の物語でもある。父に一度も認められなかった息子が会社を手渡されようとしていて、人を従わせる才に恵まれた女には、ホテルの一室のほかに力をふるう場所がない。結末は、ふたりの支配と服従を経営の提案へと変えてしまう。それが解放なのか、書き直されただけの新しい台本なのか、映画は決めない。