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Cinema 月明かりの映画館

Saltburn

2023映画イギリス、アメリカ

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

オックスフォードの奨学生と貴族の邸宅。浴槽の場面がひとシーズン、ディナーの話題を独占した。

2006年のオックスフォード。奨学生のオリバー・クイックは、裕福な学生たちの中でなじめずにいる。彼は、ハンサムで人気者の名家の息子フェリックス・キャットンと親しくなる。酒と薬と心の病に壊された両親の話に、フェリックスは心を動かされる。父が急死したとオリバーが打ち明けると、フェリックスは彼を慰め、夏休みを一家の領地ソルトバーンで過ごそうと誘う。

屋敷でオリバーは、フェリックスの両親サー・ジェームズとエルスペス夫人、妹のヴェネティア、エルスペスの友人パメラに出会い、大学で反目していたアメリカ人の従兄弟ファーリーとも再会する。ファーリー以外の全員を魅了しながら、フェリックスへの執着を深めていく。浴槽のフェリックスをのぞき見たあと、彼は残された湯を飲む。ヴェネティアとも関係を持つ。それを見たファーリーがフェリックスに告げるが、オリバーは否定する。夜、ファーリーの部屋に忍びこんで迫り、脅しもする。まもなく、ジェームズの陶磁器を売ろうとしたという競売会社の知らせで、ファーリーは追い出される。

一家はオリバーの誕生日パーティーを計画する。オリバーの母に会わせようと車を走らせたフェリックスは、彼の嘘を知る。父は健在で、両親は郊外の快適な家で穏やかに暮らしていた。フェリックスは家族のために秘密は守るが、パーティーが済んだら出ていけと告げ、想いを打ち明けるオリバーを拒む。翌朝、フェリックスは迷路庭園で死んでいるのが見つかる。オリバーはファーリーの薬のせいだとほのめかし、ジェームズは甥を勘当する。オリバーはひとり、フェリックスの墓に裸で横たわる。家族を壊したのはあなただとオリバーを責めたヴェネティアも、やがて浴槽で自ら命を絶った姿で見つかる。ジェームズは金を払ってオリバーを追い払う。

2022年、ジェームズの死後、オリバーは偶然を装ってエルスペスに近づき、屋敷へ迎え入れられる。死の床の彼女に、オリバーはすべてを明かす。フェリックスとの出会いも仕組んだものだった。迷路で彼に毒を盛り、ファーリーのメールで陶磁器を売りに出し、ヴェネティアを自殺へと追いこみ、カフェでの再会も演出した。全財産は彼に遺されていた。オリバーは彼女の生命維持装置を外し、自分のものになった屋敷を裸で踊りまわる。

主な出演

  • バリー・コーガンオリバー・クイック役

    裕福な学生の中で浮いて見えるオックスフォードの奨学生。フェリックスとその一家の屋敷に執着していく。

    オリバー・クイックの物語

    オリバーはオックスフォードで、父の急死と、酒と薬と心の病に壊された家族の話で、フェリックスの同情を得る。ソルトバーンでは一家を魅了し、浴室のフェリックスをのぞき、ヴェネティアと関係を持ち、ファーリーを脅す。やがてファーリーは屋敷を追われる。嘘を知ったフェリックスは彼を拒み、翌朝、迷路で死んでいる。ファーリーの薬のせいだとほのめかして居続け、ヴェネティアも死んだあと、金を渡されて去る。2022年、夫を亡くしたエルスペスとの偶然の再会を装って屋敷に戻り、死の床の彼女にすべてを語る。仕組んだ出会い、フェリックスに盛った毒、ヴェネティアを追いこんだ死。全財産は彼に遺されていた。彼は生命維持装置を外し、手に入れた屋敷を裸で踊りまわる。

  • ジェイコブ・エロルディフェリックス・キャットン役

    魅力的で裕福なオックスフォードの学生。オリバーと親しくなり、夏をソルトバーンで過ごそうと誘う。

    フェリックス・キャットンの物語

    オックスフォードで人気者のフェリックスは、つらい身の上を語るオリバーに同情し、父が急死したと聞くと彼を慰めて、ソルトバーンに誘う。屋敷では、オリバーがヴェネティアと寝たとファーリーに告げられるが、オリバーは否定する。オリバーの誕生日、驚かせようと彼の母のもとへ車を走らせると、そこには郊外の快適な家と、生きている父と、健やかな両親がいた。家族に恥をかかせないよう嘘は伏せるが、パーティーが終わったら出ていけと告げ、想いを打ち明けるオリバーを拒んで、助けを求めるよう勧める。翌朝、彼は迷路庭園で死んでいるのが見つかる。何年もあとに、オリバーは、あの迷路で彼に毒を盛ったのだと語る。

  • ロザムンド・パイクエルスペス・キャットン夫人役

    フェリックスの母。優雅で無頓着な貴婦人で、オリバーを気に入っていく。

    エルスペス・キャットン夫人の物語

    オリバーが初めてソルトバーンで過ごす夏、エルスペスは夫とともに彼の誕生日パーティーを計画する。フェリックスが死ぬと、オリバーを引き留めて距離を縮めていく。家族を壊したのはあなただとオリバーを責めた娘ヴェネティアも、やがて死んで見つかる。夫のジェームズは金を払ってオリバーを追い出す。2022年、夫を亡くした彼女はロンドンのカフェでオリバーと再会し、夫の仕打ちを詫びて、屋敷に招く。数か月をともに過ごしたのち、彼女は死の病に倒れる。その枕元でオリバーは、再会は仕組んだものだった、フェリックスに毒を盛り、ヴェネティアを死へ追いやったのは自分だと明かす。屋敷も含めた全財産は、すでに彼に遺されていた。彼は生命維持装置を外す。

  • アリソン・オリバーヴェネティア・キャットン役

    フェリックスの妹。やがて、オリバーが家族に何をしているのかに気づく。

  • アーチー・マデクウィファーリー・スタート役

    フェリックスのアメリカ人の従兄弟。オックスフォード時代からオリバーを疑い、最初に屋敷を追われる。

この作品が問いかけるもの

この映画は、欲望の対象としての階級を描く。オリバーが欲しいのはフェリックスであり、屋敷でもある。どこまでがひとつの渇望で、どこからがもうひとつなのか、映画自身も決めきれない。そこにこそ要点がある。長編第2作で、エメラルド・フェネルはあえて2006年を舞台に華やかさをはぎ取り、貴族たちに無頓着な魅力を与えた。うらやましいが、同情はしにくい。彼らは陶磁器を集めるように人を迎え入れ、同じように軽々と手放す。過剰な背徳の場面は配信開始とともに話題を呼び、最も多く観られた映画のひとつになった。ラストの踊りの曲は英国のチャートに返り咲いた。挑発の下にあるのは、もっと冷たい問いだ。一家の気楽さは、慰みとして招き入れられた者に何を払わせるのか。そして、そこに居続けるために、その者は何をするのか。