危険な情事
Fatal Attraction
ストーリー
結末まで書いています。
週末の情事と、捨てられることを拒む女。フェミニストが批判し続ける“執念の女”の原型。
ニューヨークの弁護士ダン・ギャラガーは出版社の顧問として働き、妻ベス、幼い娘エレンと穏やかに暮らしている。妻子が実家へ出かけた週末、彼はその出版社の編集者アレックス・フォレストと関係を持ち、気の進まないまま翌日も彼女と過ごす。帰ろうとするダンの前で、アレックスは自ら命を絶とうとする。ダンは彼女を介抱し、朝になって家へ戻る。
アレックスは終わりにさせない。謝りに事務所を訪れ、好きなオペラ『蝶々夫人』に誘うが、ダンは断る。電話は鳴りやまず、彼は秘書に取り次ぎを止めさせる。するとアレックスは妊娠を告げ、責任を取れと迫る。自宅の番号を変えると、彼女は部屋の購入希望者を装ってベスに会いに来る。ダンはアレックスの部屋に乗り込み、ふたりはもみ合いになる。
一家は郊外ベッドフォードの家へ移る。アレックスは罵りの言葉を吹き込んだテープを送りつけ、ダンの車に酸をかけ、家まで後をつけて、窓越しに見えた幸せな家族の姿に嘔吐する。警察は、相当な理由がなければ動けないと言う。やがて一家は、エレンの飼っていたウサギがアレックスに殺されているのを見つける。ダンはすべてをベスに打ち明け、家を追い出される。彼がアレックスに電話をかけると、受話器を奪ったベスは、今度家族に近づいたら殺すと告げる。アレックスは学校からエレンを連れ出し、遊園地で過ごす。娘を探して車を走らせたベスは事故を起こし、入院する。エレンは無事に帰ってくる。
ダンはアレックスの部屋に押し入って襲いかかり、殺す寸前で手を止める。反撃してきた彼女を押さえつけ、部屋を出る。警察が彼女の行方を追い始める。ベスはダンを許し、退院して家に戻る。風呂の支度をするベスの前にアレックスが現れ、襲いかかる。駆けつけたダンと争い、死んだかに見えたアレックスは、もう一度起き上がる。その命を奪ったのはベスだった。警察への供述を終えたダンは、家の中で待つ妻のもとへ戻る。
主な出演
マイケル・ダグラスダン・ギャラガー役
幸せな家庭を持つニューヨークの弁護士。編集者との週末の情事が、妻と娘を脅かす事態を招く。
ダン・ギャラガーの物語
妻と娘が留守の週末、ダンはアレックスと関係を持ち、翌日も彼女と過ごす。帰ろうとすると、彼女は自ら命を絶とうとする。介抱して家に戻ったあとは、彼女を締め出そうとする。オペラの誘いを断り、電話を取り次がせず、自宅の番号を変える。妊娠を告げられ、購入希望者を装って妻にまで近づかれると、彼女の部屋に乗り込んでもみ合う。郊外へ越してもつきまといはやまず、警察は浮気を認めなければ動けないと言う。ウサギが殺されてようやく妻に打ち明け、家を追い出される。娘を連れ出されると、アレックスの部屋に押し入って殺しかけ、踏みとどまる。妻は彼を許す。家に現れたアレックスに妻が襲われ、ダンが組み合ったすえ、命を奪ったのはベスだった。ダンは妻のもとへ戻る。
グレン・クローズアレックス・フォレスト役
出版社の編集者。関係が終わったことを受け入れられず、ダンとその家族につきまとう。
アレックス・フォレストの物語
アレックスは仕事を通じてダンと知り合った編集者で、週末をともにしたあと、彼にすがりつく。帰ろうとする彼の前で、自ら命を絶とうとする。事務所まで謝りに来て『蝶々夫人』に誘い、取り次ぎを止められるまで電話をかけ続け、妊娠していて産むつもりだと告げる。部屋の購入希望者を装ってベスに会い、罵りを吹き込んだテープを送りつけ、車に酸をかけ、郊外の家まで後をつけて、窓越しに見えた家族の姿に嘔吐する。娘エレンのウサギを殺し、学校から娘を連れ出して遊園地で過ごす。押し入ってきたダンに殺されかけると、反撃する。最後には家に入り込んでベスに襲いかかり、ベスに命を奪われる。
アン・アーチャーベス・ギャラガー役
ダンの妻。アレックスが家と娘の暮らしにまで入り込んだあとで、夫の裏切りを知る。
ベス・ギャラガーの物語
ベスは娘エレンを連れて実家に出かけていて、夫の情事を何も知らない。売りに出した部屋を買いたいという女性を案内するが、それがアレックスだとは知らない。一家は郊外ベッドフォードの家へ移る。エレンのウサギが殺された日、夫から浮気と相手の妊娠を打ち明けられ、家から追い出す。夫がアレックスに電話をかけると受話器を奪い、今度家族に近づいたら殺すと告げる。やがて学校にエレンの姿がない。娘を探して車を走らせ、事故を起こして入院する。エレンは無事に帰り、ベスは夫を許して家に戻る。風呂の支度をしているところへアレックスが現れ、襲いかかる。夫が組み合い、死んだかに見えたアレックスがもう一度起き上がったとき、その命を奪うのはベスだ。
この作品が問いかけるもの
『危険な情事』は、既婚の男の週末の浮気を恐怖映画に変えた。以来問われ続けているのは、その恐怖が誰のものかということだ。妻を裏切ったダンは立ち去ろうとし、アレックスは捨てられることを拒む。映画は彼女を、自殺未遂と妊娠の告白から、つきまとい、子どもの連れ去り、家の中での襲撃へと追っていく。アレックスが自ら命を絶ち、ダンが殺したように見せかける当初の結末は、試写の観客に拒まれて撮り直された。その結末の版は1988年、東京の三つの映画館で上映されている。スーザン・ファルーディは著書『バックラッシュ』で、改変がアレックスを完全な悪役にし、ダンの無責任さは問われないままになったと論じた。脚本のジェームズ・ディアデンも後年、劇場版の結末を性差別的だったと悔やんでいる。