運命の女
Unfaithful
ストーリー
結末まで書いています。
郊外の妻と若い古書商の情事。列車内で回想するダイアン・レインの顔が、この映画の縮図。
ニューヨーク郊外のウェストチェスターに暮らすコニーとエドワードのサムナー夫妻は、八歳の息子チャーリーと、おおむね幸せな家庭を築いている。強風の日、ソーホーで買い物をしていたコニーは、本のディーラーをしているフランス人青年ポール・マーテルとぶつかって転ぶ。彼は自分の部屋で擦りむいた膝を手当てし、帰りぎわに一冊の本を持たせる。家で開くと、電話番号が挟まっていた。コニーは電話をかける。三度目に部屋を訪れた日、ふたりは踊り、体を重ねる。
コニーは口実をつくってはポールに会いに行く。新しい下着に気づき、妻の嘘を見抜いたエドワードは、忠誠心が足りないと解雇した部下から、自分の家族を見ろと言い返される。その男は、喫茶店でキスをするコニーとポールを見ていたのだ。エドワードは探偵を雇い、届いた写真に打ちのめされる。
息子の迎えを忘れた日、コニーは関係を終わらせようと決める。だがポールが若い女性といるのを見て逆上し、彼を問い詰める。廊下で彼は強引に迫り、コニーは抗うが、やがて受け入れてしまう。彼女が去った直後、エドワードがポールを訪ねる。乱れたベッドと、自分が妻に贈ったスノードームが棚にあるのを見て、エドワードはそれでポールを殴り殺す。後始末をしていると、泣きながら別れを告げるコニーの留守電が流れる。彼はそれを消し、遺体をごみ処理場に捨てる。
別居中の妻が捜索願を出したポールについて、刑事が訪ねてくる。彼が既婚者だったと知って動揺しながら、コニーはほとんど知らない相手だと言う。やがて遺体が見つかる。夫の上着から浮気の写真が出てきて、スノードームは家の棚に戻っている。問い詰められたエドワードは泣き崩れ、恩知らずだと責め、殺したかったのはおまえのほうだと叫ぶ。数日後、コニーはスノードームの中に隠された、幼いチャーリーと三人の古い写真と、「美しい妻へ、毎日のいちばんいい時間」という夫の言葉を見つける。彼女は浮気の写真を燃やし、自首すると言う夫を引き止める。赤信号で止まった車の中で、彼女は名前を変えて外国で暮らそうと語り、夫はうなずく。車は警察署の前に停まっている。
主な出演
ダイアン・レインコニー・サムナー役
郊外で何不自由なく暮らす妻であり母。偶然出会った若いフランス人との情事にのめり込む。
コニー・サムナーの物語
風の強い日、コニーはソーホーで若いフランス人ポールとぶつかって転び、膝を手当てされ、電話番号の挟まった本を持たされて帰る。電話をかけ、三度目に訪ねた日、ふたりは体を重ねる。やがて口実をつくっては彼に会いに行く。息子の迎えを忘れた日、終わらせようと彼の部屋へ向かい、若い女性といる彼を見る。終わりだと告げると、彼は廊下で強引に迫り、抗ったすえに彼女は受け入れてしまう。刑事には、ほとんど知らない相手だと言う。夫の服から浮気の写真が、家の棚からスノードームが出てきて、夫がしたことを悟る。スノードームに隠された夫の言葉を見つけると、写真を燃やし、自首するという夫を引き止める。赤信号で、外国へ逃げようと語る。車は警察署の前に停まっている。
リチャード・ギアエドワード・サムナー役
コニーの夫で会社経営者。家庭では温厚な父親だが、妻の不倫を知り、相手の男を訪ねる。
エドワード・サムナーの物語
エドワードは妻の新しい下着に気づき、その嘘を見抜く。解雇した部下には、自分の家族を見ろと言い返される。探偵を雇い、届いた写真に打ちのめされる。ポールの部屋で、乱れたベッドと、かつて自分が妻に贈ったスノードームが棚にあるのを見て、それでポールを殴り殺す。泣きながら別れを告げる妻の留守電を聞いて消し、遺体をごみ処理場に捨てる。写真とスノードームを見つけた妻に問い詰められると泣き崩れ、家族のために働いてきた、おまえは恩知らずだ、殺したかったのはおまえのほうだと叫ぶ。自首すると言うが、妻に引き止められる。赤信号で、外国で名前を変えて暮らそうという妻の空想にうなずき、泣く妻を慰める。車は警察署の前に停まっている。
オリヴィエ・マルティネスポール・マーテル役
ソーホーに住む27歳のフランス人で、本のディーラー。コニーは彼を独身だと思っている。
エリック・パー・サリヴァンチャーリー・サムナー役
サムナー夫妻の八歳の息子。ある日、母は彼の迎えを忘れてしまう。
チャド・ロウビル・ストーン役
エドワードに解雇される部下。コニーとポールの姿を見ていて、腹いせにそれを口にする。
この作品が問いかけるもの
『運命の女』は、女性の欲望に理由をつけないという敬意を払う。コニーはないがしろにされてもいないし、不幸でもない。冷たい夫がいるわけでもない。ただ誰かに出会って求め、映画はその欲望に彼女とともについていく。そして物語は向きを変え、裏切られた側に不倫が何をもたらすのかを問う。温厚な夫で父親でもあるエドワードは、一瞬のうちに人を殺し、今度は彼が秘密を抱える側になる。エイドリアン・ラインはクロード・シャブロルの『不貞の女』をもとにこの映画を撮り、ダイアン・レインは全米映画批評家協会賞の主演女優賞を受け、アカデミー賞の候補にもなった。警察署の前の赤信号で止まった一家という結末は、本当の問いを開いたままにする。これを生き延びた結婚は、本当に生き延びたのか。ふたりで隠れる場所になっただけなのか。