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Cinema 月明かりの映画館

ヘンリー&ジューン/私が愛した男と女

Henry & June

1990映画アメリカ

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

1931年パリのアナイス・ニン、ヘンリー・ミラー、妻ジューン。NC-17指定を最初に受けた映画。

1931年、パリ。何もかもを日記に打ち明け、作家ロレンスを論じた本も出した若い作家アナイス・ニンは、銀行家の夫ヒューゴーとともにこの街に移り住んでいる。自分を崇める夫を彼女も愛しているが、それだけでは満たされない。アナイスは、最初の小説に取り組んでいる無名で貧乏なアメリカ人作家ヘンリー・ミラーと出会い、ふたりはたちまち互いの考えに惹かれ合う。やがてニューヨークからヘンリーの妻ジューンがやってくる。大胆で芝居がかった、いつも人形を連れ歩く女だ。アナイスはヘンリーと同じくらい、ジューンにも心を奪われていく。

アナイスとヘンリーは関係を持ち、カフェを渡り歩いて文学を語り、互いの大胆さを試し合う。アナイスはミラー夫妻の苦しい結婚に巻き込まれ、ジューンにも近づいていく。そのかたわらには、辛抱強い夫ヒューゴーがいる。アナイスは彼を愛し続け、ふたりで娼館を訪れて女ふたりの見世物を見る。夫と寝るとき、彼女はジューンを抱いていると思って、と頼む。パーティーで、費用の一部を前もって払えばヘンリーの小説『北回帰線』を出版しようという出版者が現れると、アナイスがその金を出す。ヘンリーが小説に描く自分の姿を、ジューンは快く思わない。やがてふたりきりになったジューンとアナイスは、愛し合う。

最後にアナイスは、ミラー夫妻のもとを去ろうと決める。激怒したジューンは、ヘンリーの小説とアナイスの原稿を宙に放り投げ、紙は入り混じる。アナイスとの関係はミラー夫妻を別れへと追いやり、アナイスはヒューゴーのもとへ戻る。ヒューゴーが車で彼女を迎えに来て、ヘンリーは自転車で少しあとをついていく。

主な出演

  • マリア・デ・メデイロスアナイス・ニン役

    銀行家の夫とパリで暮らす若い作家で、日記の書き手。その欲望はヘンリーにもジューンにも向かっていく。

    アナイス・ニンの物語

    アナイスは、執筆を支えてくれる銀行家の夫ヒューゴーを愛しているが、それだけでは満たされない。夫の紹介で、最初の小説に取り組む無一文の作家ヘンリー・ミラーと出会い、その貪欲な生き方に惹かれる。ニューヨークからヘンリーの妻ジューンが来ると、彼女にも同じくらい心を奪われる。ヘンリーと関係を持ち、夫と娼館を訪れ、夫と寝るときにはジューンを抱いていると思ってと頼み、ヘンリーの小説の出版資金を出す。ふたりきりになったジューンと愛し合う。アナイスとヘンリーの関係に気づいたジューンは、ふたりの原稿を宙に放り投げて去る。アナイスは散らばった紙を拾い集め、ヘンリーとの関係を終わらせて夫のもとへ戻る。迎えの車のあとを、ヘンリーが自転車でついていく。

  • フレッド・ウォードヘンリー・ミラー役

    パリにいる無名で貧乏なアメリカ人作家。のちに『北回帰線』となる小説に取り組んでいる。

    ヘンリー・ミラーの物語

    ヘンリーはパリで友人の家に転がり込み、妻ジューンのことを書き込んだ小説に取り組んでいる。ジューンは彼の詩神であり、彼を苦しめる相手でもある。ヒューゴーの紹介でアナイスと出会い、ふたりはたちまち互いの考えに惹かれ合う。彼女はタイプライターを貸してくれる。ニューヨークからジューンが来ると夫婦は口論ばかりになり、ジューンは小説に描かれた自分の姿を快く思わない。ヘンリーとアナイスは恋人になる。費用の一部を前払いすれば『北回帰線』を出そうという出版者が現れると、アナイスがその金を出す。ふたりの関係に気づいたジューンは、ふたりの原稿を宙に放り投げて去る。アナイスもヒューゴーのもとへ戻り、夫の車で去る彼女のあとを、ヘンリーは自転車でついていく。

  • ユマ・サーマンジューン・ミラー役

    ニューヨークからやってくる、大胆で芝居がかったヘンリーの妻。アナイスを強く惹きつける。

    ジューン・ミラーの物語

    ジューンはヘンリーとよりを戻そうとパリへやってきて、自分が彼の書く小説の中心にいることを知る。夫婦のあいだは口論が絶えない。夫の書く自分の姿が気に入らず、あなたの小説の材料は私が与えたものだと言い放つ。アナイスは彼女に夢中になり、ジューンは追われるままにまかせる。一度ニューヨークへ戻り、またパリに現れる。パーティーでは酔って、ヘンリーの本を出す出版者と金の話で渡り合う。ようやくふたりきりになったアナイスと愛し合う。だがやがて、アナイスとヘンリーが恋人同士だと気づく。もうふたりとは終わりだと言い放ち、ふたりの原稿を宙に放り投げる。紙は入り混じり、彼女は出ていく。

  • リチャード・E・グラントヒューゴー役

    アナイスの辛抱強く献身的な夫で銀行家。妻の冒険の背後にとどまり、最後に彼女を迎える。

この作品が問いかけるもの

『ヘンリー&ジューン/私が愛した男と女』は、自分の欲望が結婚よりも大きいことに気づき、それを書きとめていく女性の物語だ。アナイスは夫を愛しながらヘンリーを求め、やがてジューンを求める。映画は彼女の両性愛と貪欲さを罰するのではなく好奇の目で見つめ、同時にその代償も描く。ジューンの怒り、壊れていく芸術家夫婦の結婚、背景に置かれたままの辛抱強い夫。映画史での位置は、ある指定によって決まっている。当初はポルノのせいで広告さえ難しくなっていた成人指定を与えられたが、1990年9月に業界はその指定を新たな成人向け区分に置き換え、この作品がその第1号となった。批評家の反応は冷ややかで、騒ぎほどには大胆でないという声もあった。残るのは、ニン自身の問いだ。女は自分の欲望のすべてに従いながら、なお帰る場所を持てるのか。