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Cinema 月明かりの映画館

アイス・ストーム

The Ice Storm

1997映画アメリカ

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

1973年の感謝祭、コネチカットの“鍵パーティー”、親の交換を見ている子どもたち。

1973年の感謝祭の週末、コネチカット州の裕福な郊外ニューケイナン。隣り合うふたつの家族は、少しずつ漂い始めている。結婚にも仕事にも倦んだベン・フッドは、隣家の妻ジェイニー・カーヴァーと不倫しているが、ジェイニーのほうはもう彼に飽きかけている。妻のエレナは、自分が何を求めているのかわからないまま落ち着かない日々を送る。14歳の娘ウェンディは、カーヴァー家の兄弟、内気なマイキーと、物を爆発させるのが好きな弟のサンディのどちらとも、秘密めいた遊びを始めている。寄宿学校にいる息子のポールは、同級生のリベッツ・ケイシーに恋をして、ルームメイトのフランシスと張り合っている。

感謝祭明けの金曜の夜、エレナは夫がジェイニーと関係していることに気づく。それでもふたりは近所のパーティーに出かけ、カーヴァー夫妻もやってくる。それは「鍵パーティー」だった。男たちが車の鍵を鉢に入れ、女たちがそれを引いて一夜の相手を決める。ジェイニーは若い男の鍵を引く。酔ったベンは転倒し、その晩はずっと浴室にこもる。最後に残ったのはエレナとジムだけだった。ふたりは連れ立って出ていき、車の中でぎこちなく短い関係を持ち、ジムはエレナを家まで送ると申し出る。外では、氷の嵐が始まっていた。

マンハッタンに出かけたポールは、リベッツがフランシスも招いていたことを知る。朦朧とした彼女に、あなたは兄のような人だと言われ、ポールは列車で家路につく。ウェンディはマイキーを訪ねてカーヴァー家へ行くが、彼は嵐の中へ出ていた。彼女は自分に恋するサンディのもとにとどまり、ふたりは眠りにつく。凍りついた森に心を奪われたマイキーは道端のガードレールに腰かける。倒れた木が電線をガードレールの上に落とし、彼は感電して死ぬ。

夜明け、倒木に道をふさがれたエレナとジムはカーヴァー家に戻り、エレナはサンディといるウェンディを見つける。酔いのさめたベンは帰り道、道端に倒れたマイキーを見つけ、少年を抱えて両親の家に運ぶ。やがてフッド家の三人は、遅れた列車で帰ってくるポールを駅に迎えに行く。四人がそろった車の中で、ベンはハンドルを握ったまま泣き崩れ、エレナが彼を抱き寄せ、子どもたちはそれを見つめている。

主な出演

  • ケヴィン・クラインベン・フッド役

    隣家の妻と不倫する郊外の夫。仕事にも結婚にも倦み、鍵パーティーでは酔って浴室にこもる。

    ベン・フッドの物語

    ベン・フッドは仕事にも結婚にも倦み、隣家の妻ジェイニー・カーヴァーと関係を続けているが、あなたは退屈だ、夫ならもういる、と彼女に言われる。約束をすっぽかされてカーヴァー家で待っていたとき、14歳の娘ウェンディがマイキーと地下室にいるのを見つけ、雪の中を家へ連れ帰る。途中、小さいころのように抱いて運ぼうかと尋ね、娘はそれを受け入れる。夫の言い訳を、エレナは見抜く。鍵パーティーではジェイニーが若い男の鍵を引き、酔ったベンは転倒して、その夜はずっと浴室にこもる。酔いのさめた帰り道で道端に倒れたマイキーを見つけ、少年を抱えて両親の家へ運ぶ。駅に迎えに行った車の中、家族に囲まれて、彼はハンドルを握ったまま泣き崩れる。

  • ジョアン・アレンエレナ・フッド役

    ベンの妻。何を求めているのかわからないまま日々に倦み、夫の不倫を知った夜、ジムとパーティーを後にする。

    エレナ・フッドの物語

    エレナは冷えきった結婚の中で、自分が何を求めているのかわからないまま日々を送り、娘と同じように万引きもする。カーヴァー家から帰った夫の苦しい言い訳を見抜き、パーティーの夜には、夫がジェイニーと関係していると知っている。それでもふたりが出かけたのは鍵パーティーだった。ジェイニーは若い男と去り、ベンは浴室にこもり、最後に残ったのはエレナとジム・カーヴァーだけ。彼女はジムの鍵を取って渡し、ふたりは連れ立って出ていく。車の中でぎこちなく短い関係を持ったあと、ジムは家まで送ると申し出る。倒木に阻まれて夜明けにカーヴァー家へ戻ると、そこにはサンディといるウェンディがいた。数時間後、駅で家族を乗せた車の中、泣き崩れるベンを彼女は抱き寄せる。

  • シガニー・ウィーバージェイニー・カーヴァー役

    フッド家の隣人でベンの愛人。ふたりの息子の母で、醒めた目をした彼女は不倫にも飽きかけている。

  • クリスティーナ・リッチウェンディ・フッド役

    フッド家の14歳の娘。口が達者で落ち着きがなく、カーヴァー家の兄弟ふたりに惹かれている。

    ウェンディ・フッドの物語

    ウェンディは14歳。口が達者で、ウォーターゲート事件に夢中で、万引きもする。カーヴァー家の兄弟、内気なマイキーと弟のサンディのどちらにも惹かれている。カーヴァー家の地下室でマイキーといるところを父に見つかり、雪の中を連れ帰られるが、途中、小さいころのように抱いて運ぼうかと聞かれ、構えを解いて受け入れる。嵐の夜、マイキーを訪ねてカーヴァー家へ行くが、彼は凍りついた夜の中へ出かけていた。好きだと打ち明けるサンディのもとにとどまり、ふたりは眠りにつく。夜明け、母が彼女を見つける。父がマイキーの亡骸を抱えて戸口に現れると、呆然とするサンディを抱きしめる。それから両親と駅へ向かい、兄を迎える。

  • トビー・マグワイアポール・フッド役

    フッド家の息子で寄宿学校の生徒。嵐の夜、兄のようにしか思われていない少女を追ってマンハッタンにいる。

    ポール・フッドの物語

    ポールは16歳。寄宿学校で暮らし、漫画を読みふけり、少し文学かぶれの話し方をする。裕福な同級生リベッツ・ケイシーに恋をしているが、ルームメイトのフランシスも彼女を狙っている。感謝祭で帰省中、リベッツに招かれて列車でマンハッタンの彼女の家へ向かうが、フランシスも呼ばれていた。三人は酒を飲み、フランシスとリベッツは母親の薬棚の錠剤を口にする。ポールが想いを打ち明けると、朦朧としたリベッツは、あなたは兄のような人だと答える。眠り込んだふたりを残し、彼はかろうじて帰りの列車に間に合う。嵐で止まった車内で、彼は漫画を読んでいる。駅に迎えに来た家族の車の後部座席から、ハンドルを握ったまま泣き崩れる父を見つめる。

  • イライジャ・ウッドマイキー・カーヴァー役

    ジェイニーの長男。内にこもりがちな少年で、氷の嵐の夜、ひとりで外へ出ていく。

この作品が問いかけるもの

『アイス・ストーム』は、性の革命がもたらした自由を親の世代が手にし、それをどう扱えばいいのかわからなかった時代を描く。ニューケイナンの大人たちは不倫をし、鍵パーティーに出かけ、夫婦カウンセリングに戻るかどうかで言い争い、それでもほとんど何も感じない。子どもたちは同じ空っぽの好奇心で親をまね、誰も誰のことも見ていない。アン・リー監督と、この脚本でカンヌ国際映画祭の脚本賞を受けたジェームズ・シェイマスは、それを乾いた喜劇の調子で描き、嵐がそれを悲しみに変える。不倫、選択ではなく流行として取り入れられた開かれた結婚、そして大人たちの散らかしたものから性を学ぶしかない子どもたち。残るのは最後の場面だ。家族に囲まれ、ハンドルを握ったまま泣き崩れる父親。自分の子ではない少年のために、そしておそらく、ほかのすべてのために。