EN
メニュー

Cinema 月明かりの映画館

慕情のアンソロジー

Lust Stories

2018映画インド

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

4人の監督が描く4人の女性の欲望。その率直さは批評家に称賛され、カラン・ジョーハル編のバイブレーターの場面はとりわけ注目を集めた。

四人の監督が、それぞれひとりの女性の欲望を描く四つの短編。

アヌラーグ・カシャップ監督編。大学講師のカーリンディー(ラーディカー・アープテー)の年上の夫ミヒルは海外に暮らし、妻に自分なりの性の経験を持つよう勧めている。彼女は教え子のテージャス(アーカーシュ・トーサル)と寝るが、深入りを恐れて彼を遠ざけ、同僚との「一対一」の関係を試す。それもぎこちない一夜で終わる。テージャスが同級生のナターシャと付き合い始めると、嫉妬が彼女を支配する。ふたりのあとをつけ、邪魔をし、ついには彼の部屋に入り込む。ナターシャと別れると言うテージャスが自分のものに戻ったとたん、彼女は自分は既婚者だと告げて去り、彼は取り残される。

ゾーヤー・アクタル監督編。スダー(ブーミー・ペードネーカル)は独身男アジート(ニール・ブーパラム)の部屋を掃除する家政婦だ。彼は彼女と寝ては、また床掃除に戻らせる。スダーはひそかにそれ以上を望んでいた。彼の両親がやって来て、別の一家が縁談を持ち込む。部屋で見合い相手と身を寄せるアジートを目にしたスダーは、仕事を終え、帰りぎわに婚約を祝う菓子を彼の母から受け取る。

ディバーカル・バナルジー監督編。銀行員のリーナー(マニーシャ・コイララ)は夫サルマーン(サンジェイ・カプール)との冷えた結婚の陰で、三年にわたり夫の親友スディール(ジャイディープ・アロワット)と関係を続けている。夫が疑い始めても打ち明けられないスディールに代わり、リーナーは夫を呼んで告白する。夫は泣き崩れ、子どものためにとどまってくれと懇願する。彼女はとどまる。翌朝、関係を終わらせる彼女はスディールに告げる。夫は知っている、けれど、あなたが知っていることは決して悟られないで、と。

カラン・ジョーハル監督編。教師のメーガー(キアラ・アドヴァニ)は、優しいが早すぎる夫パーラス(ヴィッキー・コウシャル)と結婚したばかりだ。同僚のレーカー(ネーハー・ドゥピア)はリモコン式のバイブレーターを勧める。夫の祖母がそのリモコンをうっかり手にしたせいで、メーガーは家族の目の前で絶頂を迎えてしまい、義母は離婚を言い渡す。ひと月後、別居中のふたりはカフェで落ち合い、アイスクリームを前に、パーラスは妻の望みに向き合うと約束する。

主な出演

  • ラーディカー・アープテーカーリンディー役

    遠距離の開かれた結婚を送る大学講師。教え子との関係が、嫉妬と執着に変わっていく。

    カーリンディーの物語

    カーリンディーは大学で教えている。海外に暮らす年上の夫ミヒルは、自分なりの性の経験を持てと妻に勧める。彼女は教え子のテージャスと寝て、合意のうえだったと彼に録音させ、深入りを恐れて遠ざける。同僚ニーラジとの「一対一」の関係を試すが、ぎこちない一夜で終わらせる。テージャスが同級生のナターシャと付き合い始めると、彼女は手を離せなくなる。ふたりのあとをつけ、ふたりきりの時間を邪魔し、ついには彼の部屋に入り込む。ナターシャと別れると彼が言ったとたん、自分は結婚していると告げて去り、彼を途方に暮れさせる。

  • アーカーシュ・トーサルテージャス役

    カーリンディーの教え子。ふたりの一夜を彼女よりずっと真剣に受け止め、振り回される。

  • ブーミー・ペードネーカルスダー役

    掃除を請け負う独身男と関係を持つ家政婦。それ以上の意味があることを、ひそかに願っている。

    スダーの物語

    アジートの部屋でのスダーの一日には、決まった流れがある。お茶と朝食をつくり、ベッドを整え、シャワーを浴びる彼にタオルを渡し、彼と寝て、また床掃除に戻る。彼の両親がやって来ると、ふたりは互いを避ける。彼の母はスダーに優しいが、家の者のお茶を頼むとき、その数に彼女を入れない。縁談の一家が訪れた日、スダーは両家の親にお茶を出し、寝室にも運ぶ。そこでは、アジートが見合い相手とベッドに寄り添って座っている。彼女は仕事を最後まで終える。帰りぎわ、婚約を祝う菓子を彼の母に差し出され、スダーはそれを受け取って口に入れる。

  • マニーシャ・コイララリーナー役

    夫の親友と三年にわたって関係を続けてきた銀行員。真実を打ち明けると決める。

    リーナーの物語

    リーナーと夫サルマーンの結婚は冷えきっていて、彼女は二人の子の母だ。夫が疑っているとスディールから聞くと、彼女は打ち明けてスディールと堂々と暮らしたいと言うが、スディールは親友を失うことに耐えられない。そこでリーナーは自ら夫をスディールの家に呼び、不幸だったこと、妻ではなく子どもたちの世話係になってしまったこと、関係が三年続いていることを告げる。夫は泣き崩れ、子どものためにとどまってくれと懇願する。彼女はとどまる。翌朝スディールに別れを告げ、夫は知っている、でもあなたが知っていることは決して悟られないで、と念を押して、夫とともに去っていく。

  • キアラ・アドヴァニメーガー役

    結婚したばかりの教師。夫との営みに満たされず、自分の快楽を探しにいく。

    メーガーの物語

    教師のメーガーは、パーラスと結婚したばかりだ。夫は優しく気遣いも細やかだが、いつも早く果ててしまう。夫の家族はもう子どもを急かしている。同僚のレーカーが勧めたのは、リモコン式のバイブレーターだった。家で試していると居間の騒ぎに気をとられ、そのリモコンを夫の祖母が手に取っていじり始める。メーガーは家族の目の前で絶頂を迎え、義母は離婚を言い渡す。ひと月後、別居中のふたりはカフェでひそかに会う。別れたくない夫は、妻の望みにもっと向き合うと約束する。アイスクリームを食べようとする彼女を止めた彼は、自分の手でそれを彼女の口に運ぶ。

  • ヴィッキー・コウシャルパーラス役

    メーガーを大切にする新婚の夫。妻が満たされているかを尋ねたことは一度もない。

この作品が問いかけるもの

『慕情のアンソロジー』は2018年6月にネットフリックスで配信された。女性は何を望むのか、そしてそれを口にしたら何が起きるのか。ヒンディー語映画がおおむね避けてきた問いへの、四人の監督からの答えだ。ここに聖女も妖婦もいない。嫉妬から若い恋人を追いまわす講師。自分を抱く男にさえ欲望を見てもらえない家政婦。真実を告げてなお夫のもとにとどまる妻。家族に恥をかかせて初めて快楽が問題にされる花嫁。批評家は女性の性をめぐる率直さを評価し、ジョーハル監督編のバイブレーターの場面はとりわけ注目された。国際エミー賞ではテレビ映画・ミニシリーズ部門とアープテーの主演女優賞にノミネートされた。長く残るのは、アクタル監督編に引かれた階級の線だ。欲望は語られるようになった。けれど、誰もがそれを許されているわけではない。