KIDS/キッズ
Kids
ストーリー
結末まで書いています。
エイズ流行下のマンハッタン、十代の夏の一日。幼い少女たちに性的虐待を重ねる少年。成人指定が覆らず、一度きりの会社から指定なしで公開された。
エイズ流行のさなか、マンハッタンの夏の一日。映画は、痩せっぽちの16歳テリーが、大人のいない家で12歳の少女を嘘で言いくるめ、性的虐待を加える場面から始まる。そのあと彼は親友のキャスパーに、狙うのは処女だけだと自慢する。ふたりは万引きをし、友人の部屋に転がり込む。そこでは少年たちが避妊具なしのセックスを自慢し合い、エイズなんて存在しないと言い張る者までいる。テリーの母親から金を盗み、マリファナを買い、ワシントン・スクエア公園にたむろして、通りかかった同性カップルをからかう。ぶつかったことでキャスパーを突き飛ばした男を、仲間たちは意識を失うまで殴りつける。
街の反対側では、少女たちがまるで違う調子で性について語り合っている。そのうちのふたり、ルビーとジェニーはエイズウイルスの検査を受けたばかりだ。何人もの相手がいたルビーは陰性。一度だけ、テリーとしか関係を持ったことのないジェニーは陽性だった。ジェニーは、ほかの誰かにうつす前に彼を止めようと、一日じゅうテリーを探し歩く。タクシーの運転手は彼女を励まそうとし、クラブでは少年に錠剤を口に押し込まれ、彼女は意識が途切れがちなまま探し続ける。
テリーは次の標的を決めていた。知り合いの妹で13歳のダーシーだ。少年たちは彼女を連れ出し、夜のプールに忍び込み、大人のいない友人宅のパーティーへ流れていく。テリーはダーシーを両親の寝室に連れ込む。
ジェニーはたどり着くのが遅すぎた。テリーがダーシーに性的虐待を加えているのを目にしながら、薬で感覚の麻痺した彼女は止めに入ることもできず、ダーシーはウイルスにさらされる。ジェニーは泣き、パーティーの客たちのあいだで意識を失う。朝、まだ酔っているキャスパーは、意識のないジェニーをレイプし、自らもウイルスにさらされる。街の風景に重ねて、セックスだけが人生で価値のあるものだと語るテリーの声が流れる。ソファで目を覚ましたキャスパーがつぶやく。「なんてこった、何があったんだ?」
主な出演
レオ・フィッツパトリックテリー役
マンハッタンの16歳の少年。処女の年下の少女ばかりを狙って食い物にし、自分がエイズウイルスに感染していることを知らない。
テリーの物語
映画は、16歳のテリーが大人のいない家で12歳の少女を嘘で言いくるめ、性的虐待を加える場面から始まる。そのあと彼は、親友のキャスパーにそれを自慢する。夏の一日、彼は万引きをし、友人の部屋で避妊具なしのセックスを自慢し合い、自分の母親の金を盗み、マリファナを買い、ワシントン・スクエア公園で同性カップルをからかう。そのあいだもずっと、次の標的を狙っている。知り合いの妹で13歳のダーシーだ。夜、大人のいないパーティーで、彼はダーシーを両親の寝室に連れ込んで性的虐待を加え、彼女をウイルスにさらす。ジェニーは一日じゅう、その前に彼を見つけようと探し歩いていた。街の風景に重ねて、セックスだけが人生で価値のあるものだと語る彼の声が流れる。
ジャスティン・ピアースキャスパー役
テリーの親友。酒を飲み、盗み、喧嘩をして一日を過ごし、夜明けに意識のないジェニーをレイプする。
キャスパーの物語
キャスパーの一日は、テリーと並んで万引きした麦芽酒の瓶と、露店から盗んだ桃ふたつで始まる。友人の部屋でハイになり、テリーの母親の金を盗むのを手伝い、ワシントン・スクエア公園をスケートボードで走り回る。ぶつかった男に突き飛ばされると、仲間たちが男に襲いかかり、とどめの一撃で男の意識を奪うのはキャスパーだ。夜のパーティーでは酔って意味のない歌をうたい、テリーの居場所をジェニーに教える。朝、まだ酔ったまま、意識のないジェニーをレイプし、彼女の持つウイルスに自らもさらされる。ソファで目を覚まし、「なんてこった、何があったんだ?」とつぶやく。
クロエ・セヴィニージェニー役
ただ一度の相手だったテリーからエイズウイルスに感染したと知り、彼を探して街をさまよう少女。
ジェニーの物語
ジェニーにとって、相手はこれまでテリーひとりだけだった。友人のルビーとエイズウイルスの検査を受けると、何人もの相手がいたルビーは陰性、ジェニーは陽性だった。彼女は、テリーがほかの少女にうつす前に止めようと、残りの一日をかけて街を探し歩く。タクシーの運転手は彼女を励まそうとする。クラブでは少年に錠剤を口に押し込まれ、意識が途切れがちなまま、テリーのいるパーティーへたどり着く。寝室の扉を開けると、テリーがダーシーに性的虐待を加えている。薬で感覚の麻痺した彼女は止めに入れず、背を向ける。泣いて、客たちのあいだで意識を失う。朝、意識のない彼女を、キャスパーがレイプする。
ロザリオ・ドーソンルビー役
ジェニーの友人。一緒に検査を受け、陰性と告げられる。
この作品が問いかけるもの
この映画は、エイズ流行のさなかのマンハッタンで、大人の姿がほとんど見えない十代の一日を追い、何も説明しない。映し出されるものははっきりしている。幼い少女への性的虐待を「征服」として語る少年、避妊具を笑い、エイズなど存在しないと言い張る仲間たち、ひとつの輪の中をたった一日で広がっていくウイルス、そして加害者が覚えてさえいないレイプ。米国映画協会は成人指定を与え、当時ディズニー傘下にあったミラマックスはその指定の作品を公開できなかったため、共同会長たちが一度きりの会社を作り、指定なしで公開した。評価は割れた。ロジャー・イーバートは観たあとで語り合う必要のある映画だと書き、ベル・フックスは性別や人種、エイズをめぐる政治について保守的な見方だと指摘した。残る問いは、この子どもたちを誰が見守るはずだったのか、だ。