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Cinema 月明かりの映画館

ロリータ

Lolita (1997)

1997映画アメリカ、フランス

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

ナボコフの怪物に同情の音楽を付ける。米国では1年間配給社が見つからなかった。

1947年、ヨーロッパから来た中年の教授ハンバート・ハンバートは、教職に就くためにニューイングランドへやってくる。14歳の少年のころ、彼はカンヌでアナベルという少女を愛し、彼女を失った。それ以来、同じ年ごろの少女たちに執着し続けている。ラムズデールの町で下宿先を探していた彼は、未亡人シャルロット・ヘイズの家を案内され、14歳の娘ドロレスを目にして部屋を借りることを決める。彼は少女をロリータと呼び、彼女のそばにいるためだけにシャルロットと結婚する。

ロリータがサマーキャンプに行っているあいだに、シャルロットはハンバートの日記を読み、彼の本心を知る。出ていく、娘には二度と会わせないと告げて家を飛び出した彼女は、車にはねられて死ぬ。ハンバートはキャンプからロリータを連れ出し、保護者としてモーテルからモーテルへと旅を続ける。彼は少女に性的虐待を加え、世間には父と娘として振る舞う。

ふたりはしばらく大学町ビアズリーに落ち着き、ハンバートは教壇に立ち、ロリータは女子校に通う。だが彼女は退屈し、落ち着きを失い、ふたりの口論は激しくなっていく。旅の初めから、劇作家クレア・キルティがふたりの跡をつけていた。ふたたび旅に出たとき、ロリータはキルティとともに姿を消す。相手の名前さえ知らないハンバートには、ふたりを見つけることができない。

三年後、金を無心する手紙が届く。ロリータは結婚して身ごもり、貧しい暮らしをしていた。夫のリチャードは彼女の過去を何も知らない。一緒に来てほしいというハンバートの頼みを彼女は断り、ハンバートは金を渡す。ロリータは、キルティが少女たちを児童ポルノの食い物にしていて、それを拒んだ自分を追い出したのだと語る。ハンバートはキルティを探し出して殺す。逮捕された彼は、1950年11月、獄中で冠動脈血栓症により死ぬ。ロリータもその翌月、クリスマスの日に、出産で命を落とす。

主な出演

  • ジェレミー・アイアンズハンバート・ハンバート役

    少年時代の恋人を亡くして以来、少女に執着し続けるヨーロッパ出身の教授。娘に近づくために未亡人と結婚する。

    ハンバート・ハンバートの物語

    少年時代に愛したアナベルを忘れられないハンバートは、シャルロット・ヘイズの14歳の娘ドロレスを目にして、その家に部屋を借り、少女をロリータと呼ぶ。日記を読んだシャルロットが家を飛び出して車にはねられ死ぬと、サマーキャンプから少女を連れ出し、母の死をしばらく隠したままモーテルを転々とする。父と娘を装いながら、彼は少女に性的虐待を加え続ける。ビアズリーに落ち着くと、落ち着きを失い口論の増えていく彼女をますます厳しく見張るが、劇作家キルティに連れ去られる。三年後、結婚して身ごもり、貧しく暮らす彼女を訪ねて一緒に来てほしいと懇願し、断られると金を渡す。キルティを探し出して殺し、1950年11月、獄中で冠動脈血栓症により死ぬ。

  • ドミニク・スウェインドロレス・“ロリータ”・ヘイズ役

    シャルロットの14歳の娘。母の死後、父親を装うハンバートに連れ回され、虐待を受ける。

    ドロレス・“ロリータ”・ヘイズの物語

    ドロレス・ヘイズは14歳。ラムズデールで未亡人の母シャルロットと暮らし、母が結婚した下宿人からはロリータと呼ばれる。サマーキャンプのあいだに母が死ぬと、迎えに来たハンバートはしばらくその死を隠したまま彼女を旅に連れ出し、モーテルを転々としながら性的虐待を加え、世間には父と娘として振る舞う。ビアズリーでは退屈し、自由を求めるようになる。ふたたび旅に出て体調を崩し、病院に泊められた夜、跡をつけてきた劇作家キルティとともに姿を消す。三年後、リチャードと結婚して身ごもり、貧しく暮らす彼女はハンバートに金を無心するが、一緒に行くことは拒む。児童ポルノへの出演を拒んだ自分をキルティが追い出したのだと語り、クリスマスの日、出産で命を落とす。

  • メラニー・グリフィスシャルロット・ヘイズ役

    下宿人のハンバートを受け入れて結婚する孤独な未亡人。やがて彼の日記を読んでしまう。

  • フランク・ランジェラクレア・キルティ役

    ハンバートとロリータの跡をつけ続け、彼女を連れ去る劇作家。彼自身も少女たちを食い物にしている。

この作品が問いかけるもの

『ロリータ』は、子どもに性的虐待を加える男の物語を、その男自身の声で語る。この映画の難しさはすべてそこにある。ハンバートの語りは詩的で、監督は彼の行いを描きながら、彼を哀れで、ときに同情を誘う人物として見せる。原作への忠実さを評価する声もあれば、小説の残酷さを恋愛物語に和らげたという批判もあった。アメリカの配給会社はどこも引き受けず、1998年、映画祭での初上映から一年近くたって、ケーブル局で放送された。オーストラリアでは上映禁止を求める政治家の運動が起き、検閲当局の責任者は、小児性愛を扱ってはいるが美化も容認もしていないとして成人指定を擁護した。日本では少女の愛称が「ロリコン」という和製語に残っている。美しい声がどれほどたやすく虐待を愛のように聞こえさせてしまうのか。その問いを、映画は観る者の前に置いていく。