リトル・チルドレン
Little Children
ストーリー
結末まで書いています。
郊外の二人の親が公園で情事を始め、街は性犯罪者を追い立てる。
マサチューセッツの郊外で、サラ・ピアースは夫リチャード、三歳の娘ルーシーと暮らしている。公園に集まる母親たちの輪にはなじめない。噂の的は、“プロム・キング”と呼ばれる美男の主夫、ブラッド・アダムソンだ。妻キャシーはドキュメンタリー作家で、ブラッドは息子アーロンを育てながら司法試験に落ち続けている。母親たちを驚かせようと、サラは彼女たちの目の前でブラッドと抱き合い、キスをする。悪ふざけだと言い合いながら、ふたりは子どもを遊ばせる名目でプールで会うようになる。
子どもの前で露出した罪で二年服役したロニー・マゴーヴィーが、年老いた母メイの家に戻ってくる。彼がプールに現れると、親たちは一斉に子どもを水から引き上げる。雨になったその午後、子どもたちを寝かせたサラの家で、ふたりは関係を持つ。サラは夫がネットのポルノに溺れていることを知り、読書会ではいつのまにかボヴァリー夫人を擁護している。誤って子どもを死なせて警察を離れたラリー・ヘッジスは、ブラッドを夜のフットボールチームに誘い、空いた時間はロニーへの嫌がらせに費やす。同じ年ごろの女性と出会えば息子は変わると信じるメイがデートを取りもつが、その夜は、遊び場の脇に停めた車の中の卑猥な行為で終わる。二組の夫婦がそろった夕食の席で、キャシーは夫とサラのあいだにあるものを見てとり、自分の母親を家に呼び寄せる。
シーズン最後の試合でブラッドが決勝のタッチダウンを決め、ふたりは一緒に逃げようと約束する。ある夜、ラリーは拡声器を手にマゴーヴィー家の前に現れ、メイを突き飛ばす。メイは心臓発作で倒れ、病院で息を引き取る。ロニーは、いい子でいて、という母の書き置きを見つける。サラのもとへ向かう途中、ブラッドはスケートボードのジャンプに挑んで気を失い、救急隊員に妻を呼んでほしいと頼む。娘を連れて公園で待つサラは、ブランコで母の死を嘆くロニーに出会う。ルーシーの姿が見えなくなった瞬間、ほかのことはすべて頭から消え、サラは娘を見つけて家へ帰る。謝りに来たラリーは、ロニーが自らを去勢したことを知り、病院へ運び込む。そこには夫のもとへ駆けつけたキャシーがいた。過去は変えられないが、未来は変えられる。どこかから始めるしかない。語り手はそう締めくくる。
主な出演
ケイト・ウィンスレットサラ・ピアース役
冷えた結婚の中で幼い娘と家にいる母親。公園で出会った父親と関係を持つ。
サラ・ピアースの物語
サラは英文学の修士号を持ちながら、午後は三歳の娘ルーシーを連れて公園で過ごしている。噂話ばかりの母親たちに退屈し、わが子の扱いにも戸惑っている。“プロム・キング”の電話番号を聞き出せるかとけしかけられた彼女は、みんなの前でブラッドにキスをしてみせ、プールで会う夏の日々はやがて不倫になる。夫がネットのポルノに溺れていることを知り、読書会ではボヴァリー夫人の不倫をかばう。ブラッドが決勝のタッチダウンを決めたあと、終わりにしようと言いかけた彼女は、一緒に逃げることを承知する。約束の夜、娘と公園で待つサラに、ブランコのロニーが母の死を告げる。振り返ると、ルーシーがいない。娘を見つけた彼女はブラッドのことを忘れ、娘を乗せて家へ帰る。
パトリック・ウィルソンブラッド・アダムソン役
司法試験に受からないまま家で息子を育てる父親。公園の母親たちには“プロム・キング”と呼ばれている。
ブラッド・アダムソンの物語
ブラッドは大学時代にクォーターバックだった男で、司法試験に落ち続け、法律にもさほど関心がない。家計を支える妻キャシーは合格を望んでいるが、図書館で勉強すると言って出かけた夜、彼はベンチに座り、少年たちのスケートボードを眺めて過ごす。サラとの関係が始まり、ラリーに誘われて警官たちの夜のフットボールチームでクォーターバックを務める。試験はまた受けずに終わる。サラ一家を招いた夕食のあと、キャシーは自分の母親を家に呼び寄せる。決勝のタッチダウンを決めた彼は、一緒に逃げようとサラを説き伏せる。約束の夜、公園へ向かう途中で少年たちのジャンプに挑んで気を失い、目を覚ますと、妻を呼んでほしいと救急隊員に頼む。病院には、キャシーが駆けつける。
ジェニファー・コネリーキャシー・アダムソン役
ブラッドの妻で、成功したドキュメンタリー作家。夕食の席で夫の不倫を見抜き、手を打つ。
ジャッキー・アール・ヘイリーロニー・マゴーヴィー役
刑期を終えて母のもとへ戻った性犯罪者。その帰還が街を恐怖と怒りで満たす。
ロニー・マゴーヴィーの物語
ロニーは子どもの前で露出した罪で二年服役し、彼を愛するただひとりの人、母メイのもとへ戻ってくる。街には彼を警告するビラが貼られ、プールで子どもたちに交じって潜れば警察に連れ出され、ラリーは家まで押しかけて嫌がらせを続ける。母を安心させるために、母が取りもった女性とのデートに出かけるが、その夜は遊び場の脇に停めた車の中の卑猥な行為で終わる。拡声器を手に現れたラリーに突き飛ばされたメイは、心臓発作で倒れ、病院で息を引き取る。ロニーは、いい子でいて、という母の書き置きを見つけ、母の集めた人形を叩き壊す。公園のブランコで、彼はサラに母の死を告げる。謝りに来たラリーは、ロニーが自らを去勢したことを知り、病院へ運び込む。
ノア・エメリッヒラリー・ヘッジス役
誤って子どもを死なせて警察を去った元警官。ブラッドと親しくなり、ロニーへの嫌がらせに執着する。
フィリス・サマーヴィルメイ・マゴーヴィー役
ロニーの年老いた母。息子を無条件に愛し、同じ年ごろの女性と出会えば変われると信じている。
この作品が問いかけるもの
『リトル・チルドレン』は、アメリカでいちばん品行方正に見える場所、郊外の公園に、ふたつの飢えを見つける。ひとつはサラとブラッドのものだ。幼い子と一日じゅう家にいて、退屈し、誰の目にも映らないふたりの親。彼らの関係は、愛と同じくらい、見つめられたいという渇きでできている。もうひとつは街のものだ。街は軽蔑できる誰かを必要としていて、子どもの前で露出して服役したロニーがその役を負わされる。映画は彼を弁護しない。けれど隣人たちの恐怖を正義とも呼ばない。原作者ペロッタと監督フィールドによる脚本、ウィンスレットとヘイリーの演技は、いずれもアカデミー賞の候補になった。残される問いは居心地が悪い。大人の暮らしのどれほどが、題名の「小さな子どもたち」のように振る舞うことに費やされているのか。