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Cinema 月明かりの映画館

マスターズ・オブ・セックス

Masters of Sex

2013–2016ドラマ・シリーズアメリカ

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

1950年代セントルイスの病院で、マスターズとジョンソンが被験者に電極を付け性科学を発明する。

1956年、セントルイスのワシントン大学。高名な不妊治療の専門医ウィリアム・マスターズは、性行為のあいだに人の身体に何が起きるのかを研究しようとする。秘書に雇ったのは、元ナイトクラブ歌手で、子を持つ離婚歴のあるバージニア・ジョンソン。人の心を開かせる彼女のおかげで被験者たちは緊張を解き、彼女はやがて研究の相棒になる。学長バートン・スカリーに研究を止められると、マスターズは売春宿に場所を移し、スカリーが同性愛者だと知ると、それを盾に研究を大学へ戻させる。家では妻リビーに、不妊の原因は彼女にあると思わせておく。実際は彼自身の精子の少なさが原因だった。嘘を知ったリビーは人工授精で息子ジョニーを産む。マスターズとジョンソンは研究のためだと言い聞かせながら、互いの身体で実験を始める。研究結果の発表のあと、マスターズは病院を解雇される。

研究は、州境のホテルでの密会という情事に変わる。マスターズは病院を転々とし、ふたりはついに自分たちの診療所を開く。ジョンソンがほかの男とも会っていたと知ったマスターズは一年間性的に不能になり、その和解から、ふたりは性機能障害の治療法を生み出す。夫の情事に気づいたリビーは、公民権運動のボランティアで知り合った黒人男性と関係を持つ。

第3シーズンは1965年。著書『人間の性反応』でふたりは有名になる。香水王ダン・ローガンが診療所に出資し、ジョンソンに言い寄る。マスターズはジョンソンが反対する代理性交人の制度を始め、その一人の告発でふたりは売春容疑で逮捕される。リビーは夫のもとを去る。ローガンが求婚すると、マスターズはようやくジョンソンへの愛を口にするが、彼女はローガンと結婚するためにラスベガスへ飛び、マスターズは彼女を行かせる。

第4シーズン、マスターズは断酒会に通わされ、ジョンソンはローガンを置いてラスベガスから戻ってくる。離れて働くうち、彼女は彼を愛していると気づく。マスターズは彼女を守るために司法取引に応じ、トピカの診療所への潜入調査で、ふたりはついに互いの思いを口にする。最終回は1969年。リビーは法律を学ぶためにバークレーへ旅立つ。かつて同性愛の「矯正」治療に心身を壊されかけたスカリーは、同性愛者を「転向」させる新しい研究を進めるなら、マスターズの信用を失墜させると告げる。それでもマスターズは簡素な式でジョンソンと結婚する。記者たちに写真を撮られる新郎の、打ちのめされたような顔で物語は終わる。

主な出演

  • マイケル・シーンウィリアム・マスターズ役

    優秀だが感情を閉ざした不妊治療の専門医。人間の性反応の研究に自分の経歴を賭ける。

    ウィリアム・マスターズの物語

    性行為中の体の反応を研究しようとするマスターズは、ジョンソンを雇って研究の相棒にし、研究のためだとふたりで言い聞かせて体を重ねる。家では、不妊の原因は自分にあるのに、妻リビーに彼女のせいだと思わせておく。研究発表のあと解雇されると、ジョンソンに君が必要だと告げる。彼女がほかの男とも会っていたと知って性的に不能になり、そこから治療法が生まれる。彼女に黙って代理性交人の制度を始め、ともに売春容疑で逮捕され、リビーに去られる。ローガンに求婚された彼女にようやく愛を告げるが、行かせてしまう。断酒会に通い、司法取引で彼女を守り、トピカでついに思いを告げ合う。簡素な式のあと、記者たちに写真を撮られる彼は、打ちのめされた顔をしている。

  • リジー・キャプランバージニア・ジョンソン役

    学位を持たない元ナイトクラブ歌手で、離婚歴のある母親。マスターズの研究の相棒となり、恋人に、そして妻になる。

    バージニア・ジョンソンの物語

    マスターズの秘書に雇われたバージニアは、被験者たちの緊張をほぐして研究の相棒となり、研究のためという名目で彼と体を重ねながら、ほかの男とも会う。研究への貢献に金を払うと言われて辞めるが戻り、病院を転々とする彼について行き、ふたりの診療所を開く。著書でふたりは有名になる。代理性交人の制度に反対し、偽りの告発でともに逮捕され、出資者ローガンに求婚されてラスベガスへ飛ぶ。結婚しないまま戻り、崩れていくなかでマスターズを愛していると気づく。拒まれ続けるが、トピカの診療所への潜入の旅で、ふたりはついに思いを告げ合う。簡素な式で彼と結婚し、記者たちが写真を撮るのを喜んで許す。

  • ケイトリン・フィッツジェラルドリビー・マスターズ役

    マスターズの妻。不妊の原因についても夫の情事についても欺かれ、少しずつ自分の人生を築いていく。

    リビー・マスターズの物語

    子どもを望むリビーは、不妊は自分のせいだと信じていたが、原因が夫の精子の少なさだと知り、人工授精で息子ジョニーを産む。夫とジョンソンの情事に気づくと、公民権運動の団体でボランティアを始め、ともに働く黒人男性ロバートと関係を持つ。やがて気持ちが沈み、隣人のポールと関係を持つ。夫が逮捕されると彼のもとを去り、いったんは歩み寄るものの、仕事に就き、法律を学ぶ道を考え始める。最終回、法律を学ぶためにバークレーへ行くと夫に告げ、男を中心に人生を組み立てる日々は終わりだと言って、子どもたちを乗せたバンで旅立つ。

  • ボー・ブリッジスバートン・スカリー役

    大学の学長で、マスターズの古い友人。同性愛を隠し、結婚と時代の偏見に閉じ込められている。

この作品が問いかけるもの

『マスターズ・オブ・セックス』が描くのは、欲望が医学の観察の対象になった瞬間だ。ふたりは、問うだけで医師が職を失いかねない時代に、性行為中の身体の変化を計測した。学位のないジョンソンの仕事を、マスターズははじめ自分ひとりのもののように扱う。トーマス・マイヤーの伝記をゆるやかに下敷きにした脚色の多い作品で、実在のふたりと長年働いたロバート・コロドニーは、これを事実と受け取らないよう学生に注意している。作品が真実として描くのは、性を知ることと愛し方を知ることの隔たりだ。身体の反応を細かく記録できるふたりが、自分の気持ちだけは口にできない。最後の展開は、あえて居心地が悪い。ふたりが結婚するのは、同性愛者の「転向」研究に乗り出すまさにそのときであり、そうした「治療」に壊されかけたスカリーの反対を押しきってのことなのだ。