EN
メニュー

Cinema 月明かりの映画館

モダン・ラブ 〜今日もNYの街角で〜

Modern Love

2019–2021ドラマ・シリーズアメリカ

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

新聞コラムを原作としたアンソロジー。ドアマンの回だけで非恋愛的な愛の授業になる。

ニューヨーク・タイムズの人気コラム「モダン・ラブ」に寄せられた読者の実話を、一話30分で一話ずつドラマにしたアンソロジー。舞台の多くはニューヨークで、回ごとに違う形の愛が描かれる。

シーズン1。マンハッタンで恋を重ねるマギーを見守るのは、彼女の男選びに渋い顔をするアパートのドアマン、グズミンだ。ひとりで妊娠したマギーを彼は出産まで支え、数年後、マギーは娘と新しい恋人を連れて、彼に会いに戻ってくる。出会い系アプリの若い創業者ジョシュアは、元恋人と寝たと打ち明けられて別れた女性のことを記者ジュリーに語り、ジュリーは彼を彼女のもとへ送り出す。出会い系のプロフィールを書くレキシーは、双極性障害を隠したことで恋を失った過去を思い返し、最初から打ち明けると決める。サラとデニスは半年のカウンセリングの末に別れを決めるが、夕食の席で初めて本音で話し、二年後も夫婦のままでいる。二度目のデートを病院で過ごすことになったヤスミンとロブは、朝までに互いを知る。父を知らずに育ったマディは年上の同僚ピーターに父の姿を重ね、キスされそうになって傷つくが、ふたりは穏やかに別れる。トビンとアンディは、養子に迎える赤ん坊を身ごもった住まいのない若い女性カーラを家に迎え、トビンは出産まで彼女に付き添う。マーゴは、晩年に愛したランナー仲間ケンジの葬儀を終え、それまでの回の恋人たちの横を走り抜けていく。

シーズン2。ステファニーは、亡き最初の夫をまだ近くに感じられる古いスポーツカーをしぶしぶ手放し、今の夫がその車を買い戻す。夜型の体内時計を持つゾーイとジョーダンは、そのすれ違いで別れ、やり直す。ダブリン行きの列車で出会ったポーラとマイケルは、ロックダウンが明けたら会おうと約束し、彼は彼女の住む通りを探し当てて待つ。コメディアンのリルは、中学時代からの親友ヴィンスと大学で一夜を共にし、あれは間違いだったと言われる。ふたりが和解するのは何年も後、彼女の舞台でだ。中学生のケイティは同級生アレクサを好きになり、ふたりは付き合ってみることにする。妻に浮気された元海兵隊員スペンスは、その浮気相手の元妻イザベルに惹かれ、一度すれ違ったあとで恋人同士になる。ベンとロビーは街角ですれ違い、何年も前のたった一度のデートを思い出して、それぞれの道へ戻る。離婚したエリザベスとヴァンはよりを戻しかけたところで、彼女に乳がんが見つかる。彼女は求婚を断るが、あとで受けたかったと打ち明け、ふたりで治療に向き合う。

主な出演

  • クリスティン・ミリオティマギー役

    マンハッタンに暮らす若い女性。恋も妊娠も子育ても、いちばん頼れる男性はアパートのドアマンだった。

    マギーの物語

    マギーは家族から受け継いだマンハッタンの立派な建物にひとりで暮らし、恋を重ねている。夜ごと彼女が連れ帰る男を、ドアマンのグズミンが品定めし、気に入らなければ態度で示すが、マギーは彼の見立ては当たらないと思っている。短い付き合いの男の子を身ごもると、相手は関わろうとせず、彼女はひとりで産むことにする。グズミンは妊娠から娘の幼い日々まで彼女を支え、ロサンゼルスでの仕事の話が来ると、行くようにと背中を押す。数年後、マギーは娘と新しい恋人を連れてニューヨークに戻る。グズミンは男に合格だと告げ、マギーに耳打ちする。見ていたのは男ではなく、いつも君の目だった、と。

  • デーヴ・パテールジョシュア役

    出会い系アプリの創業者。人生でただ一度の本当の恋を手放したことを、記者に打ち明ける。

    ジョシュアの物語

    ジョシュアは自分の出会い系アプリを売り込む取材の終わりに、記者ジュリーから、恋をしたことはあるかと尋ねられる。彼が語るのは、就職の面接で出会い、外で待って食事に誘ったエマのことだ。動物園へ出かけ、すぐに一緒に暮らし始め、指輪をしまって時機を待っていた。だがある夜、エマは動揺した様子で帰ってきて、元恋人と寝たと打ち明け、彼は荷物をまとめて出ていった。それ以来、誰と会っても心は動かない。彼女は今は婚約しているが、許すこともできたと彼は認める。ジュリーは自分の失った初恋を語ってエマのもとへ行けと背中を押し、彼の話を記事に書く。それを読んだエマは婚約を解き、ふたりはふたたび結ばれる。

  • アン・ハサウェイレキシー役

    双極性障害を抱える女性。気分の高揚と落ち込みを、恋の相手にずっと隠してきた。

    レキシーの物語

    出会い系のプロフィールを書きながら、レキシーは過去を振り返る。気分が高ぶった日、スーパーを踊るように歩き回ってジェフとのデートの約束を取りつけるが、当日には深い落ち込みに沈み、どうにか出かけた彼女を、ジェフは義理で来たのだと思い込む。また気分が上向くと、彼を夕食に招いて一日じゅう料理と掃除をするが、呼び鈴が鳴った瞬間に闇が戻り、浴室の床から起き上がれない。欠勤が重なって仕事も失う。自分を解雇した上司とコーヒーを飲みながら、彼女は初めて双極性障害のことを打ち明け、友人を得る。治療を受け始めた彼女は、プロフィールの最初にそのことを書く。

  • ティナ・フェイサラ役

    夫デニスと夫婦カウンセリングに通う妻であり母。長い結婚を続けられるのかを見極めようとしている。

    サラの物語

    サラと俳優の夫デニスは半年にわたって毎週夫婦カウンセリングに通い、彼女は、子どもたちが家を出るまで一緒にいるだけではないかと感じている。セラピストの勧めでテニスを始めるが、デニスは勝手なルールで打つ。道の向こうのハリウッドの重役たちのもとへ妻を置いて駆け寄り、家族の食事の席ではファンの割り込みを許す。カウンセリングで結婚は終わりだと決めたその日、ふたりは食事に行き、サラはようやく本音を口にする。あなたといると自分が嫌いになる、あなたは私を締め出し、ふたりに何の共通点もないように暮らしを組み立ててきた、と。デニスはそれを認めて謝る。二年後もふたりは夫婦のままで、テニスコートではどちらもルールを守っている。

  • ミニー・ドライヴァーステファニー・カラン役

    再婚した女性。亡くなった最初の夫を近くに感じられる古い車を、どうしても手放せない。

  • キット・ハリントンマイケル役

    ロックダウンが始まる日、ダブリン行きの列車でポーラと出会い、明けたら会おうと約束する男性。

この作品が問いかけるもの

このドラマは、ひとつの点で題名に誠実だ。ここで描かれる愛は、恋愛だけではない。父親代わりのドアマン、亡くした父を探す若い女性、住まいのない見知らぬ女性の子を養子に迎える夫婦、亡き夫の車を売れない女性、双極性障害を最初に打ち明けると決める女性。作品は「愛」という言葉を広げ続け、世話も、悲しみも、病も、友情もそこに含めていく。ニューヨーク・タイムズの読者のエッセイをもとにしながら、元になった人生よりもやさしく語られており、批評家もそう指摘した。とくにシーズン2は、原作の複雑な真実よりありがちなロマンスを好むと、批評サイトの総評に書かれた。作品は海を越え、各地版がつくられ、2022年には『モダンラブ・東京〜さまざまな愛の形〜』も生まれた。残るのは控えめだが本物の問いだ。人は誰を、どんな形で愛してよいのか。