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Cinema 月明かりの映画館

昼顔

Belle de Jour

1967映画フランス、イタリア

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

外科医の妻が午後だけ娼館で働く。日本のドラマ『昼顔』はこの題名と着想を借りた。

若く美しいセヴリーヌは、医師の夫ピエールを愛しながら、彼と体を重ねることができない。彼女の性は、支配され縛られる手の込んだ空想の中にしかなく、ピエールはもどかしく思いながらも妻の気持ちを尊重している。スキー場で夫婦は、友人のルネと年上のユッソンに会う。セヴリーヌは、ユッソンの態度と自分を見るまなざしが気に入らない。パリに戻ると、知り合いの女性が娼館で働いているとルネから聞かされる。ユッソンは高級な娼館の住所を口にし、セヴリーヌへの欲望を打ち明けるが、彼女ははねつける。

幼いころの記憶、その中にはある男から性的虐待を受けたらしい記憶もある。それにつきまとわれながら、セヴリーヌはその館を訪ねる。女主人のアナイスは彼女に「昼顔」という名を与え、その日の午後、彼女はためらいながら最初の客を取る。一週間離れたのち館に戻り、毎日二時から五時まで働くようになり、夕方には何も知らない夫のもとへ帰る。家庭では夫婦の関係がよくなり、彼女はピエールと寝るようになる。

やがて彼女は、空想のような興奮をくれる若いならず者マルセルにのめり込む。館にやってきたユッソンは彼女を見つけ、夫には言わないと約束するが、もう欲しくはないと言って彼女を買わない。マルセルの嫉妬と要求が激しくなり、セヴリーヌは館を辞める決心をする。仲間に後をつけさせて家を突き止めたマルセルは、夫にすべてを話すと脅す。懇願されて帰るとき、彼はピエールを「邪魔者」と呼ぶ。マルセルは路上でピエールの帰りを待って殺そうとし、逃げる途中で警察に殺される。ピエールは命をとりとめるが、目が見えず、体も麻痺し、車椅子の身となる。警察は動機をつかめない。セヴリーヌは夫を看病する。そこへユッソンが、すべてをピエールに話すために訪ねてくる。彼女は止めない。ユッソンが去ったあと、ピエールは涙を流し、身じろぎもしない。最後の場面では、それもまた彼女の空想なのか、ピエールが車椅子から立ち上がって酒を注ぎ、休暇の相談をはじめる。

主な出演

  • カトリーヌ・ドヌーヴセヴリーヌ役

    夫を愛しながらも体を重ねられない若い妻。昼下がりの数時間を娼館で過ごしはじめる。

    セヴリーヌの物語

    セヴリーヌは夫ピエールを快楽を超えて愛していると言う。彼とは快楽を得られず、それを知るのは、縛られ罰せられる空想の中だけだ。幼いころの記憶には、ある男から性的虐待を受けたらしいものもある。ユッソンに高級娼館の住所を教えられ、その館を訪ねる。アナイスに「昼顔」と名づけられ、ためらいながら最初の客を取り、毎日二時から五時まで働くようになる。家では夫と寝るようになる。若いならず者マルセルにのめり込むが、彼の嫉妬がつのると館を辞める。マルセルはピエールを殺そうとして、警察に殺される。目も見えず体も麻痺した夫を看病していると、ユッソンがすべてを話しに来る。彼女は止めない。最後に、それも空想なのか、夫が立ち上がって休暇の話をする。

  • ジャン・ソレルピエール役

    セヴリーヌの夫で医師。妻のよそよそしさを尊重し、何も疑わない。

    ピエールの物語

    若い医師ピエールは、ベッドではどうしても手の届かない妻をもどかしく思いながら、待ち続けている。彼の気づく妻の変化は、うれしいものだけだ。ようやく彼女が夫と寝るようになったのだ。ある夕方、二人の住まいを突き止めたマルセルが路上で彼を待ち伏せて殺そうとし、逃げる途中で警察に殺される。ピエールは命をとりとめるが、目が見えず、体も麻痺して車椅子の身となり、警察は動機をつかめない。妻が彼を看病する。そこへユッソンが来て、妻への恩義から彼を解き放つためだと言い、彼女の午後の過ごし方を彼に話す。そのあと彼は涙を流したまま、身じろぎもしない。最後の場面では、それも彼女の空想なのか、車椅子から立ち上がって酒を注ぎ、休暇の相談をはじめる。

  • ミシェル・ピコリユッソン役

    夫婦の年上の友人。セヴリーヌに欲望を抱き、娼館のことを教え、のちにそこで彼女を見つける。

    ユッソンの物語

    スキー場で、セヴリーヌはユッソンのまなざしを嫌う。パリに戻ると彼はバラを贈り、テニスコートで娼館の話をして高級な館の住所を教え、君が欲しいと打ち明けて、はねつけられる。家を訪ねても会ってもらえない。やがて久しぶりにその館を訪れ、そこで働く彼女を見つける。夫には言わないと約束するが、自分が好きだったのは君の貞淑さだったと言って、彼女を買わない。マルセルの凶行でピエールが目も見えず体も麻痺したあと、ユッソンは家を訪ね、妻への恩義から彼を解き放つために真実を話すと告げる。一緒に聞くかと誘い、ピエールの部屋に入ってすべてを話し、帰っていく。

  • ジュヌヴィエーヴ・パージュアナイス役

    高級娼館の女主人。セヴリーヌを迎え入れ、「昼顔」と名づける。

  • ピエール・クレマンティマルセル役

    客のひとりである若いならず者。セヴリーヌを夢中にさせ、危険なほど嫉妬を募らせる。

この作品が問いかけるもの

『昼顔』は、自分の結婚に収まらない欲望を持つ女性を描き、しかも彼女を説明しようとしない。ブニュエルは、セヴリーヌの空想と記憶と娼館での午後のあいだを、どれがどれかを示さずに行き来し、最後の場面が現実かどうかも開いたままにする。性の仕事、被虐の空想、良家の妻の秘密の暮らしを、作品は真剣に扱う。1967年のヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受けた。当時22歳のカトリーヌ・ドヌーヴは、聞いていたより多くを見せられ、利用されたと感じた瞬間があったと語っている。日本では2010年代、主婦の不倫を描くテレビドラマがこの映画から着想を得て、同じ題名を名乗った。セヴリーヌの二重生活は病なのか、解放なのか。それとも、周りの誰もが知ることに耐えられない、彼女のひとつの真実にすぎないのか。