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Cinema 月明かりの映画館

Badhaai Do

2022映画インド

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

ゲイの警官とレズビアンの体育教師が家族のために偽装結婚する。

デヘラードゥーンの女性警察署に勤める警官シャルドゥル・タークルは、ゲイであることを隠して生きている。三十代に入り、家族からは結婚しろと責め立てられる毎日だ。地元の学校で体育を教えるスマン、通称スミが、つきまといの被害を訴えに署へやって来る。男はレズビアン向けの出会い系アプリで彼女に近づき、関係を持たなければ性的指向をばらすと脅していた。男を締め上げてスミの秘密を知ったシャルドゥルは、彼女に持ちかける。ふたりが結婚すれば、互いの家族も黙るだろう、と。見知らぬ者同士のふたりは夫婦になる。

警察の官舎で、ふたりは夫婦の体裁を保ちながら、それぞれの暮らしを始める。スミは、カミングアウトして家族に拒まれた検査技師のリムジムと恋に落ち、リムジムは「いとこ」として同居する。同性カップルの結婚行列の警備に駆り出されたシャルドゥルは、堂々と生きる弁護士グルと出会い、付き合い始める。やがて親族は、子どもはまだかと迫りはじめる。スミはだまされて不妊検査を受けさせられ、シャルドゥルの母は見張りのために同居を始める。スミは、不妊なのはシャルドゥルだとする偽の検査結果を用意し、両家は養子を迎えることで納得する。子どもを育てることは、スミがずっと望んでいたことだった。

ある日、シャルドゥルの母がベッドにいるスミとリムジムを見てしまい、両家に知らせる。スミの母と兄弟は彼女を責め、父は黙り込む。自分の秘密は守ってくれと頼んでいたシャルドゥルは、家族の前でスミをかばい、そのまま自分もカミングアウトする。背を向ける親族もいるが、母は受け入れる。次のプライド・パレードの警備で、彼は同僚たちの前で虹色のマスクをつける。ふたりは離婚を考えるが、養子縁組の許可が下り、子どもを育てるために夫婦でいることを選ぶ。

一年後、官舎で開かれた養子の儀式に、事情を知らないシャルドゥルの上司が突然やって来る。リムジムはスミのそばを離れようとするが、スミの父が手招きして引き止める。儀式には母親がいなくてはならない、と。シャルドゥルはグルを呼び、自分の隣に座らせる。

主な出演

  • ラージクマール・ラーオシャルドゥル・タークル役

    ゲイであることを隠すデヘラードゥーンの警官。家族の圧力から逃れるため、偽装結婚を持ちかける。

    シャルドゥル・タークルの物語

    シャルドゥルは、結婚はまだかと責め立てる一家の自慢の息子だ。スミにつきまとう男を締め上げ、ふたりで結婚しようと持ちかける。官舎で暮らしはじめると、同性カップルの結婚行列の警備で出会った、ゲイを公言する弁護士グルと付き合う。ディワリの集まりで子どもはまだかと問い詰められ、スミが不妊なのだと親戚に嘘をつく。ほどなく母が見張りのために同居を始める。スミの秘密が露見すると、電話で、自分のことは言わないでくれと頼む。だが怒る家族の前ではスミをかばい、そのまま自分もカミングアウトする。背を向ける親族もいるが、母は彼を抱きしめる。次のプライド・パレードでは同僚たちの前で虹色のマスクをつけ、一年後の養子の儀式では、グルを自分の隣に座らせる。

  • ブーミー・ペードネーカルスマン(スミ)・シン役

    レズビアンの体育教師。シャルドゥルの提案を受け入れ、リムジムと恋に落ち、何より子どもを育てたいと願う。

    スマン(スミ)・シンの物語

    スミは、レズビアン向けの出会い系アプリで近づき、関係を持たなければ性的指向をばらすと脅す男を訴えに、警察署へやって来る。男を片づけた警官シャルドゥルもゲイで、彼女は結婚の申し出を受ける。官舎でリムジムと恋に落ち、リムジムは「いとこ」として同居するが、シャルドゥルの母が見張りに来ると、いったん出ていく。だまされて不妊検査を受けさせられると、夫が不妊だとする偽の結果をリムジムの勤め先で用意し、両家に養子を認めさせる。だがリムジムとベッドにいるところを義母に見られ、母と兄弟には拒絶され、父は黙り込む。離婚を考えたふたりに養子縁組の許可が下り、子どものために夫婦でいることを選ぶ。一年後の儀式で、リムジムを娘の隣へ呼び戻すのは、スミの父だ。

  • チュム・ダランリムジム・ジョンキー役

    カミングアウトして家族に拒まれた検査技師。スミと暮らし始めるが、隠しごとの多い生活に苛立つ。

  • グルシャン・デーヴァイヤーグル・ナーラーヤン役

    同性愛を公にしている刑事弁護士。同性カップルの結婚行列を警備していたシャルドゥルと出会う。

  • シーバー・チャッダータークル夫人役

    シャルドゥルの母。夫婦が子づくりをしているか確かめるために同居し、息子がカミングアウトすると受け入れる。

この作品が問いかけるもの

ゲイの男性とレズビアンの女性が、家族を黙らせるために結婚する。ふつうは人知れず結ばれるそうした偽装結婚を、本作は娯楽色の強い家族喜劇の前提に据えた。しかも、その取り決めを美談にはしない。シャルドゥルとスミは嘘をつき、検査結果を偽り、結婚という形を使って、法がほかの道では与えてくれないものを手に入れる。終盤、スミは、独身女性なら養子を迎えられるのに、レズビアンである自分には法的な権利がないと語る。いちばん鋭いまなざしは家族に向けられている。嘘を必要にするのは家族の圧力であり、受け入れはついに訪れても、言葉ではなく小さな身ぶりでやって来る。興行的には振るわなかったが、フィルムフェア賞では、ラージクマール・ラーオの主演男優賞、ブーミー・ペードネーカルの批評家選出主演女優賞など六部門を受賞した。