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Cinema 月明かりの映画館

Parched

2015映画インド

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

ラージャスターンの砂漠の村。夫を亡くした女、夫に殴られる女、旅回りの踊り子。三人は一緒のときだけ、笑い、悪態をつき、性を語る。

ラージャスターンの砂漠の村。夫を亡くして十五年、三十二歳のラーニーは、大金を払って十代の息子グラーブに花嫁を買う。十五歳のジャーンキーだ。縁談が流れることを願って、少女は自分の髪を切り落としていた。ラーニーの親友ラッジョーは、酒浸りの夫マノージに殴られ、子のできない女とさげすまれている。もうひとりの友ビジリーは、旅回りの一座で男たちの前で踊り、体を売って暮らす。三人でいるときだけ、女たちはほかのどこでもできないように笑い、悪態をつき、性の話をする。ラーニーは、何度も携帯電話をかけてくる見知らぬ男と、ひそかに言葉を交わし始める。

村は彼女たちにほとんど何も与えない。村の評議会は、夫の家の男たちにレイプされていると訴える若妻チャンパーを、婚家へ送り返す。村の女たちを手工芸の仕事で雇う起業家キシャンは、グラーブとその仲間に襲われ、村を追われる。娼婦たちと遊び歩くグラーブは、ジャーンキーを殴り、レイプする。彼女はまだ子どもだ。ビジリーは若い踊り子に取って代わられると告げられ、稼ぎを保つために過酷な売春へ追い込まれていく。

古い砦へ出かけた日、ラッジョーは、子ができないのは夫のほうかもしれないと気づく。ビジリーは洞窟に住む神秘家のもとへ彼女を連れていく。ビジリーの恋人でもある男だ。ラッジョーは彼と寝て、身ごもる。グラーブは母の最後の蓄えを盗み、ジャーンキーに手を上げて家を出ていく。ラーニーは家を売って借金を返し、ジャーンキーを結婚から解き放つ。少女は好きな少年のもとへ、そして学びの場へ戻っていく。妊娠を告げられたマノージはラッジョーを殴る。村が魔王ラーヴァナの人形を燃やす祭りの夜、彼は火の中に倒れ込み、ラッジョーは火を消そうとするラーニーを止める。ラーニー、ラッジョー、ビジリーの三人は、自分たちの人生を求めて、連れ立って村を出る。

主な出演

  • タニシュタ・チャテルジーラーニー役

    十五年を独りで生きてきた未亡人。村のしきたりどおりに、十代の息子の結婚をまとめる。

    ラーニーの物語

    三十二歳のラーニーは、夫を亡くして十五年、年老いた姑と十代の息子グラーブをひとりで養っている。大金を払って息子に花嫁を迎えるが、十五歳のジャーンキーが髪を切り落としたのを見ると、笑い物にされることを思って泣き、のちには少女が本を読むのもやめさせる。祝いに来た友人の踊り子ビジリーとは、村人の前で目を合わせない。それでもラッジョーとビジリーの前では笑い、悪態をつき、年を告げても電話をかけてくる見知らぬ男とひそかに言葉を交わす。グラーブが母の蓄えを盗み、ジャーンキーに手を上げて出ていくと、家を売って借金を返し、少女を結婚から解き放つ。マノージに燃え移った火を消そうとしてラッジョーに止められ、ふたりの友と村を出る。

  • ラーディカー・アープテーラッジョー役

    ラーニーの親友。夫に殴られ、子のできない女とさげすまれるが、原因は夫にあるのではと疑い始める。

    ラッジョーの物語

    ラッジョーは酒浸りの夫マノージに殴られ、村では子のできない女とさげすまれている。ある日、殴られたあとでラーニーの家に来た彼女は、黙って服を脱いで傷を見せ、親友に軟膏を塗ってもらう。ラーニーとビジリーといるときだけ、ほかのどこでもできないように笑い、悪態をつく。古い砦に出かけた日、子ができないのは夫のほうかもしれないと気づき、ビジリーに連れられて、洞窟に住む彼女の恋人の神秘家を訪ねる。彼と寝て、ラッジョーは身ごもる。喜んでもらえると思って身ごもったことを告げると、夫は彼女を殴る。村が魔王ラーヴァナの人形を燃やす祭りの夜、マノージは火の中に倒れ込み、ラッジョーは火を消そうとするラーニーを止める。そして、ふたりの友と村を出る。

  • スルヴィーン・チャーウラービジリー役

    旅回りの一座の踊り子で、体も売って暮らす。ほかのふたりが口にできないことを言う友。

    ビジリーの物語

    ビジリーは旅回りの一座で村の男たちの前で踊り、体も売って暮らしている。ラーニーとの友情は、酔いつぶれた彼女の夫を家まで送り届けた夜、ふたりで朝まで語り明かしたことに始まった。グラーブの婚礼に祝いを言いに来ると、村人はざわめき、ラーニーは目を合わせない。客を断ることが増えたせいで、親方には若い踊り子レーカーと取り替えると脅される。友人たちを古い砦へ連れ出し、男をけなす悪態がないことに気づいて新しい悪態をこしらえ、ラッジョーを洞窟に住む恋人の神秘家のもとへ連れていく。一座に戻ると踊りの場はレーカーのものになっていて、稼ぎを保つために、何人もの男を相手にする過酷な売春へ追い込まれる。最後はラーニー、ラッジョーとともに村を出る。

  • リディ・セーングラーブ役

    ラーニーの十代の息子。女たちの自由を憎み、その怒りを妻と母に向ける。

  • アディル・フセイン神秘家の恋人役

    洞窟に暮らす神秘家で、ビジリーの恋人。ラッジョーは彼とのあいだに、夫には授けられない子を宿す。

この作品が問いかけるもの

この映画が見つめるのは、女性への暴力が隠されているのではなく、組織されている村だ。レイプを訴える妻を加害者のもとへ送り返す評議会、十五歳で買われる花嫁、自分の不妊を妻に殴ってぶつける夫。それに対して作品が置くのは友情であり、三人の女性が自分の体や冗談を楽しむことそのものを、抵抗のひとつのかたちとして描く。評価は割れた。インドのニュース局の批評家サイバル・チャタジーは、搾取に陥ることなく、インド映画がめったに踏み込まない場所へ入っていくと書き、ヒンドゥー紙は、演出が透けて見える説得力のない家父長制批判だと評した。2015年にトロント国際映画祭で初上映され、翌年インドで公開されたが、興行収入は本国よりフランスのほうが多かった。結末で、三人は村を去る。残されるのは、チャンパーと、彼女のような少女たちだ。