バリバラ
Bari Bara
ストーリー
結末まで書いています。
障害と性生活を正面から扱う回で知られるNHKのバリアフリー番組。
『バリバラ』は「バリアフリー・バラエティー」の略。日本放送協会の大阪放送局が制作し、教育テレビで2012年4月から2025年3月まで放送された30分の番組だ。始まりは2010年4月、福祉ドキュメンタリー番組『きらっといきる』の中の月1回の企画だった。司会の社会福祉士、玉木幸則は脳性まひがあり、障害者の「頑張った感」を出さない番組を望んだ。もう一人の司会、ラジオのディスクジョッキー山本シュウが「それってバラエティーやなぁ」と言い、制作陣もそれに乗った。「日本初の障害者のためのバラエティ番組」をうたい、障害者を笑うのではなく、障害者と一緒に笑うことをめざした。出演者が自分の障害を笑いのネタにすることも多かった。
玉木と山本の司会に、自らも障害のあるレギュラーたちが並ぶ。段差のついたスロープや、車いすの利用者が通り抜けられない車いす専用ゲートなど、役に立たないバリアフリー設備を笑う「バリバラ珍百景」。障害者や少数派の芸人が漫才やコントで一番を競う大会。タレントのはるな愛がプロデュースした、障害者がモデルを務めるファッションショー。番組は、長くタブー視されてきた障害者の性についても率直に語り、障害者の性の悩みや、2022年には女性障害者の体と性の悩みを取り上げた。2016年からは対象を「生きづらさを抱えるすべてのマイノリティー」に広げ、性的少数者、被差別部落の問題、薬物依存症なども扱った。
2016年8月には、日本テレビ系の『24時間テレビ』と同じ時間帯に、障害者の頑張る姿を感動の材料にすることを「感動ポルノ」と呼んでその是非を問う生放送を行い、出演者はあえて黄色いシャツを着た。2019年からの4年間は、毎年『24時間テレビ』の裏で特番を組んだ。2025年3月、15年を振り返る2回の最終回スペシャルで幕を閉じた。
主な出演
この作品が問いかけるもの
『バリバラ』が問うたのは、障害者は勇敢な姿でしかテレビに映れないのか、ということだった。その答えは、障害者自身がつくる笑いだった。障害者に合わせようとして空回りする世の中を笑い、自分たちの体を笑い、テレビが口にしてこなかった性についても語った。2016年、日本テレビ系の長寿チャリティー番組の裏で放送した「感動ポルノ」の検証は、障害のある視聴者が何年も訴えてきたことを表に出した。感動の対象にされることもまた、見てもらえないことの一つの形だという訴えだ。性的少数者や、生きづらさを抱えるほかの人々へと対象を広げながら、番組は当事者の声をもとに番組をつくるという一つの決まりを守り続けた。哀れむことを教えられてきた人々が、その相手と一緒に笑えるようになるのか。番組は15年をかけて、その問いを試し続けた。