ハートネットTV
Heart Net TV
ストーリー
結末まで書いています。
LGBTQ、性暴力被害、孤独。福祉と人権のマガジン番組。
『ハートネット・ティービー』は、日本放送協会の教育テレビで2012年4月2日から夜8時に放送されている福祉情報番組だ。当初は月曜から木曜、2019年度からは月曜から水曜の放送になった。前身の『福祉ネットワーク』と『ハートをつなごう』を統合して生まれ、さまざまな社会問題について、人がどう生きていけるのか、何が助けになるのかを福祉の視点から探る。取材映像とスタジオのトークに、ネットやソーシャルメディアで寄せられる視聴者の声を重ねていく。
シリーズは入れ替わってきた。広がる貧困、リハビリと介護、社会起業家、パラリンピック。そして「アワー・ボイス」では、生きづらさを抱える人たちが自分の言葉で語り合い、トランスジェンダーの活動家、杉山文野もその場にいた。2017年からの「#8月31日の夜に。」は、10代の自殺が最も多い夏休み明けの9月1日を前に、学校がつらいと悩む10代が気持ちを吐き出せる居場所をつくってきた。スマートフォンのチャットや、ホログラムのアバターを放送と結び、身元を明かさずに話せるようにした。2021年からの「虹クロ」では、性的少数者の10代がクローゼットのキャラクターに扮して、先輩たちに悩みを相談する。性暴力も繰り返し取り上げ、2025年4月には、職場や家庭、学校の“権力”関係の中で起きる性暴力を見つめた。
スタジオの進行は日本放送協会のアナウンサーが務めてきた。山田賢治、中野淳、瀬田宙大と引き継がれた。2023年4月からは、曜日ごとに別の番組が並ぶ時間帯の名前として『ハートネット・ティービー』が残り、その枠は今も続いている。
主な出演
この作品が問いかけるもの
『ハートネット・ティービー』は、見るのがつらく、語るのはもっと難しい主題に、公共放送の夜の定位置を与えてきた。貧困、障害、介護、自殺、性暴力、性的少数者の10代の暮らし。そして主題と同じくらい大切なのが、その方法である。番組は、人がさらされずに語れる方法を探し続けてきた。まだ打ち明けられない10代にはクローゼットのキャラクターを。新学期に向き合えない若者にはチャットとアバターを。8月31日の夜の番組は、文化庁メディア芸術祭の審査委員会推薦作品に選ばれた。2025年の“権力”と性暴力の回は、多くの被害者が語ることに名前を与えた。加害者はしばしば、仕事や成績、住まいを左右する立場にいる。声を上げれば、仕事や居場所を失うかもしれない。番組が問い続けるのは、まだ姿を見せられない人を、社会がどう支えるのかということだ。